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SP盤レコードと無声映画で描かれた“坂本龍馬の最後”
SP盤レコードと無声映画で描かれた“坂本龍馬の最後”
幕末の志士坂本龍馬が暗殺されたのは、慶応3年11月15日(1867年12月10日)のこと。その実行犯については諸説分かれているが、現在では元京都見廻組の今井信郎による明治3年(1870年)の証言から京都見廻組説が有力とされている。
龍馬の死後、最初に坂本龍馬ブームが巻き起こったのは、明治16年(1883年)に新聞小説として龍馬を主人公にした『汗血千里駒』が連載されてからだ。それが全国的ブームに拡大したのは、明治37年(1904年)の日露戦争開戦時に、昭憲皇太后(明治天皇の皇后)の夢枕に龍馬が立って「私が海軍軍人を守る」と告げたという逸話が新聞に掲載されて以降のことだ。最初の龍馬ブームから140年経った令和5年(2023年)現在も根強い龍馬ファンは多い。
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ここにニッポノホンレコード『筑前琵琶 坂本龍馬 高野旭嵐』がある。大正末期から昭和初期頃に発売されたと思われるこのレコードでは、坂本龍馬と新撰組の近藤勇が宿命のライバルとして描かれている。敵同士ながら龍馬と近藤は互いに一目置き、尊敬しあう関係で、最後に龍馬を暗殺したのは近藤勇となっている。
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いっぽう、昭和3年(1928年)公開の無声映画『坂本龍馬』(阪東妻三郎プロダクション)では、阪東妻三郎演じる坂本龍馬の命を狙うのは、新鮮組の近藤勇と京都見廻組の佐々木只三郎の二人。佐々木は、屋外で龍馬との対決中に新撰組がやって来たため、いったん勝負を預け、龍馬と一緒にいたおりょうを逃す。映画の結末では、最後に近江屋で龍馬と中岡慎太郎を暗殺したのは、京都見廻組の佐々木只らだった。
同じ時期に制作されたと思われるSPレコードと無声映画。龍馬暗殺の実行犯が異なっているのが興味深い。この時代も龍馬暗殺の実行犯について諸説分かれていたのだろう。龍馬暗殺がいまだに謎に包まれているのもうなずける話である。
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