初恋の人は一生、初恋
つい先日、初恋の人に久しぶりに会った。
仲間内でのプチ同窓会のようなものだ。
そういえば初恋の人の話はこのnoteに綴ったことがなかったなぁとふと思い、指を動かしている。
(初恋の人と何もなかったから書くことがなかった)
私の初恋は小学校2年生の時。それから一途に中学生の間まで何年間もその人だけを好きで続けたうぶな私。
「初恋は実らない」
そう、実っていない。
学年の7割くらいの人が私が彼を好きなのを知っていたので、もちろん彼にも好きバレしていた。
私が彼に積極的に連絡しようがバレンタインのお菓子をあげようが、受け止めてくれるだけ。
なんて言ったってうぶな私は「付き合いたい」と言う勇気がない。
いつしか彼とは連絡も取らなくなり、私の初恋は溶けていくように消滅した。
大学生になってから数人で集まるようになり、彼とも再会する機会があった。
友人らが集まれば私の初恋の話になる。
恥ずかしさを隠す私を余裕ありげに笑う彼。
きっと私は彼には弱いんだと思った。
それもいつしか集まらなくなり、彼との接点は消えた。
それから何年も経って先日、久しぶりに再会したのだ。
大学の時に集まっていたメンバーで飲む約束をしていた日。
久しぶりに友達たちに会えるのが楽しみだった反面、彼に会うのになんだかとても緊張していた。
目が合って笑顔になる彼を見て「あぁ、この人に恋していたなぁ」と幼いながらに一生懸命だった初恋を思い出す。
緊張から私はずっとお酒を飲み続けて酔っ払い、周りの友人たちが彼の前で私の初恋をいじるたびに顔を隠しながら「あーーー」と叫んでいた。
みんなで飲んでいる時に偶然会った同級生とその友達(知らない人)も合流した時にはその友達が私を褒めるたびになぜか彼にやましい関係だと思われないために褒め言葉を「聞きたくない」と耳を塞ぎ、「私はあなたを好きにならない」と何様だと言う言動を連発していた。
(普段、酔っ払った時にはこんなことしない。はず。)
それを見て彼は爆笑していたようだが、もう私の頭の中はお酒と色んな感情でぐちゃぐちゃになっており、彼が笑っていたことを知らない。
(次の日、どうか彼の昨日の記憶がありませんように。と本気で願った。)
好きとか恋愛感情だとかそういうのじゃない。
ただ初恋を思い出すと当時の私のような言動になってしまう。
恋人どころか手を繋ぐなど男女の関係やスキンシップが全くなかった初恋の相手に対する思い出の綺麗さが子どものころの純粋さと比例していて
今の私には懐かしく、なんとも言えない気持ちになる。
きっと彼を見るたびに初恋を思い出し、初恋の眩しさに切なくなるのだろう。
(彼の前でのお酒が自重できるくらいにはなりたい)