人材育成に加え、組織育成の重要性を語る


弟子: 師匠、最近よく「人材育成」が話題になりますが、個々のスキルアップだけで仕事がうまくいくのでしょうか?人材を育てることは確かに大事ですが、それだけで組織全体がうまくいくのか疑問です。

師匠: 良い質問だね、弟子よ。確かに、人材育成は重要な要素だ。しかし、それだけでは十分ではない。組織全体の仕組みを良くすること、つまり「組織育成」も同じくらい重要だ。熊平美香の『リフレクション』にあるように、「学習する組織とは、一言でいうと『夢を叶えるために全員がリーダーシップを発揮することが歓迎される組織』」なんだよ。組織が成果を出すために学ぶ組織育成という営みが必要と考えている。

弟子: 組織育成とは具体的にどのようなことを指すのですか?

師匠: 組織育成には、以下のような要素が含まれるよ。まず、環境の整備がある。快適な物理的環境や心理的な安全性の確保が大切だ。次に、仕事の進め方を見直すことだ。明確な目標設定や評価制度、プロジェクト管理の改善などが含まれる。

弟子: なるほど、それは人材育成とは少し違いますね。

師匠: そうだ。そして、コミュニケーションの強化も欠かせない。定期的なミーティングや相談しやすい環境をつくり、情報共有を促進する。

弟子: 確かに、コミュニケーションが円滑に行われることで、組織全体の連携が良くなりそうですね。

師匠: その通りだ。そして、階層構造の整備も必要だ。フラットな組織構造や柔軟な階層間のコミュニケーションを推進することが大切だ。最後に、継続的な学習と成長を支援することも重要だ。内部研修や外部セミナーの受講、キャリア開発プランの策定などが含まれる。

弟子: 組織育成は、多岐にわたる要素が絡み合っているのですね。ところで、師匠、キャリアパスの思考を持つことも必要でしょうか?

師匠: いい質問だね。中原淳の「転職学」には、クランボルツの研究成果が紹介されているんだ。彼の研究によれば、人のキャリアの8割は「予期しなかった偶然」によって形成されている。だから、事前にきっちりとキャリアの目標や計画を立てることよりも、好奇心を持ち続け、楽観的に出会いを楽しむ態度がキャリア形成において大切だと主張しているんだよ。

弟子: なるほど、それならば、キャリアパスを考えることも大切ですが、それ以上に色々なことに取組むことも重要ですね。

師匠: その通りだ。そして、偶然の出会いを大事にし、その出会いから学び、成長する心持ちで仕事に望むことが重要だよ。そうすれば、思いがけないチャンスや成功が訪れるかもしれない。

弟子: ありがとうございます、師匠。これからは好奇心を持ち続け、多くの経験を積んでみます。

師匠: そうすることで、組織も個人も共に成長するだろう。常に広い視野を持ち、柔軟に対応することが大切だね。さらに、「一軍監督の仕事 高津臣吾」にもあるように、「議論百出となったときこそ、組織として気を付けなければならないことがある。それは、指導陣の意見が「統一」されていることだ。コーチの意見が割れて矛盾したメッセージが選手に伝わってしまうことを避けなければならない」とあるように、一定の立場の人間も。組織育成のため、自分が貢献できているのか振り返りながら取り組むことも必要だ。

弟子: 確かに、矛盾したメッセージが伝わると、混乱を招きますね。これも組織育成の一つの要素として重要ですね。

師匠: その通りだ。組織の一体感を保ち、一貫した方向性を持つことで、全員が同じ目標に向かって進むことができる。組織育成は多面的なアプローチが必要だが、これらの要素を大切にすることが、長期的な成功に繋がるのだよ。


この対話が、あなたの組織での取り組みに役立つことを願っています。組織全体の力を高めることは、長期的な成功の鍵となるのです。人材育成に加えて、人材がさらに育ちやすく、さらに働きやすくする、組織育成という視点を持っていきましょう。

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