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シロウトは慎めよ

アジアカップはついに決勝トーナメントへと突入だが日本代表に痛いニュース。2022年のワールドカップでチームのベスト16入りに貢献した伊東純也が性加害疑惑で告発された。

伊東は、これまで森保ジャパンの攻撃陣をけん引し続け、圧倒的な運動量で決定機を生み出してきたとある。素人目に見ても走力があり日本の試合をスピード面で引っ張っているのが分かった。

告発によると、大阪の「パナソニックスタジアム吹田」で行われた日本代表 VS ペルー代表の一戦を終えた後、女性をホテルで酒に酔わせたか意識がもうろうとする中で暴行したという。専属トレーナーなる人物も同席していた。

この告訴に対し、伊東側が性加害はなかったとして、虚偽告訴容疑の告訴状を提出としている。ここで思うのは「性加害」がないということを強調していること。つまり行為は認めており同意の有無に焦点が絞られるのか。

これによりサッカー日本代表の離脱が一旦JFAから発表。「事実関係の内容について当事者の主張が異なっていると理解しており、慎重な対応が求められる」「心身のコンディションを考慮した結果、伊東選手が本日付でチームを離れることを決定」と公式コメントも出たが、その後離脱が撤回、そして再度離脱発表と混乱している。

今回の問題は告発女性が一体何者なのかということ。全くの素人が試合終了後に食事というのも不自然。一部芸能関係の人間という話もある。そうなると半ば芸能活動に近いもので非常に迂闊だった。昔から相撲界でも素人女に気をつけろとよく言われるもの。

石井代藏「土俵の修羅」には土俵を取り巻く謀略・スパイというコラムがある。明治のころよりどこからか精神を乱す工作員や諜報員がいたようだ。

ある宴席での事。常陸山は大勢の芸者衆をはべらせて酒を飲みながら、話が相撲に及ぶやほろ酔い機嫌も手伝って話し始めた。
「太刀山は強い。あんな男とまともにとっては勝てん。だからあいつには突っかけさせるんだ。3回4回突っかけさせれば力が抜ける。そこを絶たなきゃ勝てんよ。」

太刀山の性格は常陸山の思う通りだった。直情径行であり立ち上がって一気に力をぶつける。もろ手突きで倒すのだ。しかし相手が立たなければ待ったで終わる。この頃は制限時間もなく何十分仕切ろうが、待ったしようが審判からお叱りを受けることもない。この話を太刀山に注進した女がいたのだという。「ほうそうだったか」と絶句し身震いしたようだ。明治40夏になって、6回目で初勝利を挙げた。
「おれが常陸山に勝てたのも、女の注進を聞いたからだ。その話を聞いて初めて大人になったよ。しかし怖いことだ。みんなも注意することだ」 親方廃業後の太刀山に元の弟子が訪ねては、昔の戒めを語ったという。

さらに同じころあったもう一つの話。

本場所の帰り道、見知らぬ綺麗な女に誘われるがまま料亭に上がり込んだ相撲取りがいた。ところが少々の酒では酔わないはずの男が、美女の酌で酔いつぶれてしまった。一服盛られたのである。あくる日は場所にも遅れ、相撲に負けたことは言うまでもない。料亭の名は判っても女はどこの何者か、ついに判らずじまいだった。

双葉山の時代、柳橋の芸者たちは「さわらぬ連盟」を作り、双葉の貞操を守る一方、互いに牽制し合っていたという。昔から相撲と花柳界は密接だった。

今回の話も大会中のこととあって影響も大きく増幅されている。もっとも告発された出来事も大会中であった。どこまでが虚実かもはっきりしないが。日本代表選手が大会中に不貞というだけで非難は免れないだろう。同意が争点のようだが、仮に一服盛ったのであればそれどころではない。相撲界でも女性問題はチラホラあるが、白黒ははっきりしないもの。どうなるのか。


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