大学崩壊を考える
〈大学崩壊〉6割の大学が定員割れで「頼みの綱は留学生」…現役教員が”学力の低下”以上に問題だと思った「ある光景」という記事を読んだ。
少子化でどこの大学も志願者減に直面しているのはここしばらく言われていること。
ただ、それだけでなく学生の質が大きく低下している大学も少なくないという。
日本私立学校振興・共済事業団が公表する、「私立大学・短期大学等 入学志願動向」。このデータによると、今年度に定員割れした4年制私立大学は59.2%。現在では、定員に達した私立大学のほうが少数派とわかる。
自分の体験談(古い話ばかり書いているが大学在籍はそんなに前ではない)も振り返りながら記事も見てみたい。
留学生のための大学
ある大学で講義を持つ教員によると「少子化の影響で学生の確保が難しくなり、留学生によって経営を保たせているのが実情」であるとのことだ。
学費を納入できる留学生のほうが経営的にはプラスという判断。日本語が全然話せなくても受け入れざるを得ない状況という。
近隣の大学も学生不足のためか留学生を大量に受け入れていた。しかし日本語力の不十分な学生まで審査をせず通すケースも多く、問題であったようだ。日本の大学への留学は日本語能力試験N2相当の能力が必要とされる。日本語能力試験はN1~N5まであり、それぞれ見ると
これを見ると、留学生として日本に来るのはかなりハードルが高いと感じる。N2について詳しくみると、読むの場合は
書くの場合は
実際の試験問題を見た。日本人にも難しいと思う問題はかなりある。いくつか引用すると
他にも10~15行ほどの文章や広告を読んで正しい意味の短文を選ぶ問題もある。それこそ日本人の大学生でも苦労するケースは多そうだ。全問正解とはいかず正答率の低いものもあるだろう。
本来大学の講義はこれほどでなければ理解できないという判断が伺える。
しかし近年は日本語能力試験N3相当以下の学生が多数在籍する私立大が多くあるという。それでも日本語が一定に理解できるならともかく、N2以下、つまり教員の出す指示もほぼ分からないという単語会話のレベルで入学し、大学側も苦慮していたケースもあるようだ。さらには日本での労働が主目的で消息もつかめなくなったという例も。
こういった大学は名目では国際化、グローバル化を推進という輝かしい目標を掲げる。しかし実情は定員を充足するために各国から学生をかき集めているといっていい。
ここで自らの経験を振り返る。
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