
テレビ局の経営統合から
日テレ系列の4社が経営統合というニュース。
日本テレビ系列基幹局の札幌テレビ放送(札幌市)、中京テレビ放送(名古屋市)、読売テレビ放送(大阪市)、福岡放送(福岡市)の4社は29日、2025年4月1日に認定放送持ち株会社「読売中京FSホールディングス(FYCS)」を設立し、経営統合すると発表した。4社は持ち株会社の下で新たな協力体制を構築して経営基盤を安定させ、日テレや系列各社とともに魅力的なコンテンツを作っていくとしている。
4社は共同株式移転方式で持ち株会社を設立し、その完全子会社となる。持ち株会社の代表取締役会長は中京テレビの会長、代表取締役社長に日本テレビの社長が就任予定。
テレビを取り巻く環境は年々厳しくなっている。視聴率や広告収入の減少、それに伴う番組制作費の減少で、経営は順調ではないようだ。
この経営統合が視聴者にとってはどうプラスとなるのか。まず考えられるのはネット枠の増加。地理的、文化的にも事情が異なり福岡の番組を札幌でネットという単純なこととならないとはいえ、やはり制作、編成面での協力は多くなるはず。他地域の番組が多くネットされることは考えられる。
将来的には人事交流といった形で札幌→福岡といった異動もあるのではないか。この4局以外の東北や九州地方の放送局とは連携していくという。そうなるとNHKのように支局化していくことも考えられる。
他局の事情にはあまり深くはない。ここでは馴染みのあった札幌テレビ放送・STVから考えてみる。
STVはテレビ局開局から数年後にラジオ局開局という、現在まで日本で唯一の珍しい形で開始した。
そのためか後発のラジオに力を入れたようで、1970年開始のアタックヤングに始まり深夜放送で人気を獲得。松山千春、田中義剛、KANといった全国区になった歌手やタレントも多い。また日高晤郎に始まりメイン司会を務めるほどに、局の看板となる落語家や俳優などを発掘した。桂竹丸、河村通夫など多くが北海道出身者ではないのも特徴。このあたりはディレクターの慧眼ともいえる。1983年開始の「ウィークエンドバラエティ日高晤郎ショー」はラジオながら聴取率10%を記録という異例の支持を受けた。
しかしテレビは長く冬の時代が続いていた。
アナウンス出身から専務まで昇格した笹原嘉弘氏のインタビューにもあった。
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