【商社マンがオリエンタルランドを三期分析してみた】買いか売りか?
話題沸騰・株価低迷中のオリエンタルランド株式会社を商社マンが三期分析してみた。
みんな大好きディズニーランドを運営しているオリエンタルランドが10月30日に2025年度3月期の第2Q(半期)の決算を発表。上期純利益の通期予想484億円に対して、455億円(△29億円)と94%達成と惜しくも見通し達成とはならなかった。個人的な見解も入るが、今期の通期予算達成は少し難しいのではないかと考える。売上・利益ともに未達の原因としては、旅行需要の原因や猛暑等の影響が非常に大きいとされている。
売上の伸び悩みの原因に対しては、今後は夏のプログラムの開催期間の延長や空調設備の増設、日陰の増強等の夏期でもゲストが安全に楽しめるように対策を引き続き進めるとのこと。また、特定のターゲットや期間限定イベント・コンテンツ等で更なる来客増を図るとのこと。
しかし、株価下落の大きな要因としては、将来性が不透明な大規模の投資の部分ではないだろうか。2024年7月からの新エリア「ファンタジースプリングス」、2028年からの新規事業「クルーズ事業」。
そんなオリエンタルランドを三期分析を行った上で、ファンダメンタル面・テクニカル面を考慮し、投資判断してみた。
その前に当社の概要を簡単に記載する。
テーマパーク・ホテル事業・その他モノレールを主としたビジネスモデルであるが、メインは圧倒的にテーマパーク事業とホテル事業である。その中でもテーマパーク事業が売上の約80%を占めている。テーマパーク事業とは皆さん既にお分かりの通り東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの運営で収入原はチケット収入やテーマパーク内での飲食代である。一方で、ホテル事業とは高級ホテルミラコスタやトイ・ストーリーホテル等の5つのディズニーホテルと浦安や京都にあるブライトンホテル等の合計9施設から形成されるセグメントである。
一時期コロナ渦により大ダメージはおったが、2023年度頃から制限が緩和されたことにより業績も回復している。
一時的なリバウンドと昨今に値上げブームによりチケット代の値上げにより売上は増加しているものの入園者数でみると旅行需要減や猛暑により下落傾向であり、今後どのようにして客数を伸ばすかそこは懸念材料であると考える。頭打ち感もあるが、、、
それでは、まずはファンダメンタル面(財務面)から分析してみよう。
■ファンダメンタル
財務内容のサマリーは下記の通り。
24年3月期は売上の増減率+28%、当期利益+48.9%と売上、各利益ともに過去最高の売上・利益と大幅な増収増益となった。損益面の主な要因としては、チケットの値上げによるゲスト1人当たりの売上高の増と入園者数の増加が要因である。実際に、チケット価格も2023年10月に大台の1万円超えの10,900円に値上げを実施。(1万円超えは高すぎるって笑、USJも似たよう価格だけど、、、笑)
中国本土からのゲストはまだ回復していないものの、台湾や韓国、北米等の訪日観光客が増加したことも大きい。入園者数は2,209万人→2,751万人(+24%)と大幅アップ。東京ディズニーリゾート40周年イベントの影響も大きい。
販管費等も勿論、賃上げや従業員への感謝と⻑期持続的な進化に向けた今後への「期待」を込めて、 ⼀時⾦により増加しているが、それ以上に稼いでいる印象である。(一時金羨ましいすぎる笑)
ホテル事業もテーマパーク事業に乗じて、増加。好調の一年といった感じである。
財務面は、自己資本比率は遂に70%超、流動比率183%、有利子負債も約32,000百万減少と資金繰りは問題なく、安定した財務状況である。それ故に配当原資も確保できている。
投資家目線で重要指標の一つのPBR約10倍、PER891倍→98倍(注:2023年4月1日を効力発生日として、1株につき5株の株式分割を実施。)とかなり割高であると考えられる。
今後、仮にPBR4-6倍、PER33-40倍辺りで推移すると、想定した場合、株価のレンジは2,000-2,800円の可能性もある。(概算すぎるのであくまでも参考値で)
または、2,000円を切っても割安感はないと考える。
しかし、今期25年は投資額約3,200億円の新エリア「ファンタジースプリングス」を開業。この投資により年間約750億円の売上増加が予想されているが、ここまでの実績を見ていると思うように伸びていない印象。
更にリベンジ消費の落ち着きや猛暑による入園者数が減少。
更に24年7月9日発表された新規事業クルーズ事業へ約3,300億円の投資が発表された。この不透明性が株価下落の大きな要因と俺は考えている。
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■テクニカル
2024年1月に5,765円を付けて以来、下落トレンドに突入。12月現在は3,300円代と40%以上の大暴落である。
(新NISAと同時に高掴みした人も多いのでは、、、気の毒だ、笑 人気企業故に致し方が無い、、、笑)
依然として、日足、週足、月足チャートどれを見ても下落トレンドであることは一目瞭然である。
しかし、日足チャートで見るとトレンド転換があり得るのではと考えるが、俺は下落トレンドの中での戻りではないかと考える。このまま上昇し、2024年11月初旬ごろにつけた3,900円をブレイクすると上昇トレンド入りと考えられるが、その可能性は低い。その為、近いうちに安値の更新も考えられ、3,000円を切る可能性も大いにあると思われる。
■総括
上記の理由より俺の投資判断売り。今買う必要は無しと判断する。
配当利回りも全く魅力はなく、株主優待も3年以上の保有でワンデイパスポートとそこまで旨味は感じない。
何より売上が頭打ち感はある。新しいアトラクションやコンテンツは出ていて、魅力的ではある。
かと言ってこれ以上の値上げと入園者数の増加はかなり難しい。
新規事業のクルーズ事業も運行は4年後の2028年。それまでの売上に入ることは無く、上手くいく保証もない。
(まだまだ先のことなので、何とも言えないが、、笑)
ただ、資本もしっかり安定しており、余力がある中で新規事業投資は素晴らしいとおもう。
ディズニーは映画などのコンテンツや世界感は好きなので応援はしている。
1ファンとして応援の意味での投資はいいかもだが、儲けなどを考えると別の銘柄に投資をする方が懸命。
最後に株式投資はあくまでも自己責任かつ自己判断の上、余剰資金で行ってください。
(予想が外れたら、申し訳ございません。責任は負えません。)