
【商社マンがHondaを三期分析してみた】買いか売りか?
日産との経営統合の発表により話題沸騰中のHondaを三期分析してみた。
バイクや自動車を製造している本田技研工業㈱が11月6日に2025年度3月期の第2Q(半期)の決算を発表。純利益の通期予想10,000億円に対して、4,946億円と50%達成とはならず、通期予想も△500億の下方修正9,500億円に変更。個人的な見解も入るが、今期の通期予算達成は少し難しいのではないかと考える。売上・利益ともに未達の大きな原因としては、四輪事業の中国での販売台数の減少が大きい。現在、中国では新エネルギー車市場が拡大かつ安いEV車が次々と台頭しており、価格競争が非常に激しい。私自身、実際に昨年12月に中国に行った際に中国企業のEV車ばかりで驚いた記憶が鮮明にある。確かに日本車は少なく、寂しい気持ちをした、、、
それは置いといて、何より気になるのが、日産自動車とHonda、経営統合に向けた検討に関する基本合意書を締結により、今後どうなるのかそこが気になる点であろう。
その点も踏まえながら、ホンダを三期分析を行った上で、ファンダメンタル面・テクニカル面を考慮し、投資判断してみた。
その前に当社の概要を簡単に記載する。
メイン事業は四輪事業と二輪事業の2本柱である。ホンダと言えば、何より二輪事業、バイクがとにかく強い。業界シェアは世界No.1である。車とバイクでは1台あたりの金額が違うので、売上額は四輪事業の方が大きいが、営業利益でみると二輪事業が四輪事業を追い抜いた。二輪事業の営業利益率は約16%とかなり高利益ビジネスである。その他に金融サービス事業と発電機や除雪機等を取扱うパワープロダクト事業の4事業から構成される。


それでは、まずはファンダメンタル面(財務面)から分析してみよう。
■ファンダメンタル
財務内容のサマリーは下記の通り。

24年3月期は大幅な増収増益、営業利益に関しては1兆超の過去最高となった。主な要因としては、四輪事業における販売台数の増加や為替換算によるものが大きい。実際販売台数は3,687千台→4,109千台、特に北米での調子が良かった。一方で、中国を中心としたアジアは少し調子が悪かった。これは四輪事業に限らず、全ての事業である。中国の不景気が大きく、どの日系企業も少なからず影響を受けているだろう。今期も140ドルを予想しているが、足元1ドル150円後半を推移。1ドルの円安で約100億円営業利益が上振れする。それだけ為替の影響は大きいのだ。
ここから先は
¥ 990
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?