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今日の読み物 【マンガ】正反対な君と僕

めちゃくちゃおもしろかったです。

こちらのマンガ

高校生の恋愛マンガです。
ギャル子ちゃんと真面目くんの恋愛です。

おもしろすぎて一気読みしました。期間限定で全話無料です。ブラウザでもアプリからでも読めます。


一気見して、「なんでこんなにおもしろんだろう」と考えました。

とにかく おもしろくて おいもしろい!

そんな語彙力しか持ち合わせていません。

今日は、なぜおもしろいと感じるのか考えてみました。

普段マンガを全く読まないので、トンチンカンなところばかりになる気がします。ズブズブの素人が頭をひねって考えました。おもしろいの言語化に挑戦します。

以下ネタバレありです。

思ったことを出すだけ並べます。力を抜いて羅列します。読みにくいので、そこまで興味のない方は、そのままページを閉じてください。
「分析してみた」的な感覚で書きます。"紹介"するようには書いていません。ごめんなさい。

本当に全部ネタバレします。64話まで見てない人は読まないでください。

もう一度リンク張りますね。

ここから読めます。



なぜおもしろいのか

その1 構成力がすごい

構成力がすごいです。恐らくマンガって枚数が決まっていると思うんですね?ピチット納めているところがすごいと感じました。

ライターが原稿を依頼されるとき「5000字で!」なんて注文をされたら、ピチピチ5000字につめてつめて、情報を圧縮して100%にして、提出する。みたいな流れがあると思うんですね?

マンガ家さんも同じようにピッチピチに余分なところはそぎ落として、書いているんだなぁと感じました。

きちっとしています。

どんなに盛り上がる告白シーンもきちっと1話分におさめる
デートも1話分
花火大会も1話分

すごくテンポがいいです。(私にとっては衝撃だったけど、商業マンガの世界では当たり前かもしれない)

そして、最後の1ページは、次の話が読みたくなる展開になります。(これも私にとっては衝撃だったけど、商業マンガの世界では当たり前かもしれない)

これ永遠に読んじゃうわ….と思いながら読んでました。

現在64話まで公開されていますが、秒でした。

書いていくにつれて、どんな発見も「商業マンガの世界では当たり前かもしれない」と思うようになりました。これからもずっと最後の文章に「商業マンガの世界では当たり前かもしれない」がくっついてると思ってお読みください。

その2 顔が好きで告白したってわけではない

恋愛マンガです。カップルが複数でてきます。
登場人物全員 外見で好きななったわけじゃない。のがおもしろいなって。

それぞれの登場人物が好きな人のものの見方や行動に「あぁ、あの人のこんな一面が好きだなぁ」とずっと惚れてます。顔じゃない。行動。

そして好きな理由がしっくりくる。

全部の行動に理由付けができるのがすごいなって思いました。

今まで読んだことのある恋愛少女漫画
→食パン食べながら「遅刻遅刻~」と登校し、十字路でイケメンとぶつかり一目ぼれする
→偶然好きになり、カップル成立

今回のマンガ
→この場面のこういう行動が昔から好きだった
→必然的に惹かれあった恋愛

そもそもギャル子ちゃんと真面目くんの恋愛なんですね?1話では「ギャルが真面目くんを好きになるなんて、そんな都合のいい話があるかい….」て思いながら斜めに読んでいたのに。

2話でめっちゃ感情移入しちゃって。「うーわ。やばいっしょ。こりゃお似合いだわ!足りないところを補ってるわ」って納得しました。

「偶然好きになった」というわけではなさそうです。

極めつけは3話の映画デートです。

カップルが感想を言い合います。男女で見てる場面が違います。感性の違いが分かりやすく表現されています。みごとに違う意見にわかれます。けど、その違いを強要せずに、納得しあう。お互いにリスペクトしあって褒めあう「あ…そういう見方もあるのか。気づかなかった」ってお互いなってる。

いいいいいいい!!!!!!

ってなります。
映画だけじゃないです。星空をみたり、秋風が吹いたり、水族館に行ったり、そのたびに、感性がちがったり、逆に以心伝心してたり。

とっても文学的です。

「マンガなのか?小説みたいだなぁ」とよみました。そして、「その1構成力がすごい」で書いたように鬼の情報圧縮技術です。マンガを読み始めたら「テンポ良すぎて止まらんぞこれは….」となる理由が絶対にわかるとおもう。本当にすんごい。

3話の「あ…そういう見方もあるのか。気づかなかった」が真面目君の人生を大きく動かしていて、結局62話の進路希望にも影響を及ぼしてきます。えー!すごい!って読みながらおもいました。3話の性格の気質が62話まで引き継がれていると思わないじゃん?すごくねってなりながら読みました。

その3 ひたすら共感しまくり

高校生のときに誰もがぶち当たる不安が全部でてきます。そして、めっちゃ現代に生きてる。リアルです。もやもやを分かりやすく言語化してるのが好き。ほんとうにわかりやすい。丁寧すぎる。

その4 リアクションがオーバー

オーバーです。ギャル女とギャル男の反応がいい。好きな人の前で見栄を張って、「大丈夫か?嫌われないか?」と焦る場面がひたすらでてきます。
そこで、なにもかもリアクションがオーバーです。とっても分かりやすい。し伝わってきます。読んでる私もハラハラのドキドキです。
心情の変化が分かりやすいのは、リアクションがオーバーなのが噛んでいそうです。(予想)

その5 立ち止まらない。

もう一度書きますが、本当に「大丈夫か?嫌われないか?」と焦る場面がひたすらでてきます。そこで必ず次の行動に移します。ナヨナヨしてないのがいい

登場人物は誰もナヨナヨしてません。内気な子もいます。いますけど、しっかりと勇気をもって行動します。読んでいても、「そこはアタックしろよ….」ともやもやした気持ちになりません。むしろ「お、そこでアタック?!思い切りがいいなぁ!」となります。

ほとんどの登場人物がこんなかんじなので、読んでいてストレスがたまりません。

ナヨナヨしている人も実は登場します。平君です。後述します。

その6 ページ数を指定して理由づけ

このマンガの登場人物の感情にすべて原因があります。

それが分かりやすく、ページ数を指定して理由づけされています。

参照先が重要なセリフになってることが多いです。

過去の会話からずっと地続きで時間が流れています。とってもシステムチックです。考え方によれば、鬼の伏線回収が常に行われています。しかし、とってもナチュラルなのでそれを伏線回収とも認識せずにすらーっと進んでいく感覚があります。

ずっと感情描写がすごい。そしてなっとく。

マンガならではの表現方法だなぁと感じます。「〇巻〇P」読めばわかる。

その7 1話分につきメッセージは1つ。

1話分につき、伝えたいメッセージは1つだけな気がします。(たぶん)

人間関係が変わった点1点。
伝えたいこと1点。

だから読みやすいのかな?浅いです。(これも構成力なのか….?)

その8 実際の場所がある

マンガで出てくる場所が有名な観光地です。

デート。修学旅行も。

「あぁ、あそこの風景ね」と一瞬でわかります。
的確に聖地巡礼ができそうなほどです。

「マンガのキャラ達もおなじ日本で生活しているんだなぁ。生きてるんだなぁ」とうれしくなります。

その9 時事ネタにも強い

た~まに時事ネタっぽいのがでてきます。ほんとうに、こんなカップル存在してるでしょ。と一緒の時代を生きているような喜びを感じます。

その10 ギスギスしない

今まで読んできた恋愛マンガ
→恋愛にライバルがいたり、好きな人を奪い合う構図
→美女が奪って「クーっ!負けてらんない!」と主人公が焦る

今回のマンガ
三角関係ってなんですか?って程ずっと平和
ほわほわマショマロの安心感

ずっと明るい気持ちで読み進められます。(ギスギスするのも、マンガ的に展開がふくらんでおもしろくなるんだろうけど、確約された平和な恋愛っていいよね。)

その11 一筋縄でいかないティラズマ

平と東のカップルが気になります。
平の性格が非常に難解でした。
難しいのでさらにトンチンカンな解釈になっているかもしれませんが、いまのところの感想を述べます。

過去のトラウマから平の認知は歪んでいます。そして、認知が歪んでいることを平自身も自覚しはじめます。

….たぶんあってるはず。
いや、なにが正解なんてないのですけれども。

ここで3組のカップルを私なりにまとめてみます。

【カップル1組目】ギャル女×真面目男
【カップル2組目】ギャル男×真面目女

ここまではいい。ストレートです。男女の性別が変わっただけ。
もう少し補足すると

【カップル1組目】ギャル女×真面目男(言葉がストレート)
【カップル2組目】ギャル男×真面目女(行動がストレート)

こういう風にもとれるんじゃないかなーって思います。
シンプルですよね。

で【カップル3組目】の平と東です。

分かりそうで分かりません。

【カップル1組目】【カップル2組目】は爽快にテンポよく駆け抜けた印象があります。

反対にとっても時間がかかる【カップル3組目】

人間の認知の歪みを治療するのは、そうとうな時間がかかるんだなぁと感じました。とても丁寧に丁寧に物語が積みあがります。

余談ですけれども、卒業式で泣くシーンがめちゃくちゃよかったです。私も感動して泣きました。なんで涙がでたのでしょうか。どういうい誘導がかかっているのでしょうか。とってもさみしい気持ちと悲しい気持ちとありがとうの気持ちが混ざりました。

そもそもカップルについて、整理したくて、この章をnoteを書いたまであります。….けど。やっぱり難しいです。もう一度読み直してみます。

他に気になったポイント

このマンガの特徴をもうちょっと洗い出したくなりました。他のマンガと何が違うんだろう。おもしろさとは直接関連しないとは思います。けど、他のマンガと違う点を洗い出したくなりました。

受験システムが今どき

推薦をつかって大学に行く人もいれば、専門に進む人もいます。ストレートで受験する人も。
受験が終わるタイミングがバラバラなんですね?そこで、勉強時間のすれ違いからカップルのすれ違いに発展します。ここまで詳細に受験が絡むマンガを知りません。「い!いまどきだぁ~」となりました。面接でギャル男くんが金髪から黒髪になります。「ほえ~」となります。知らない世界です。知らない世界なんだけど、この手の描写がでるとなぜか「リアリティがある!」と感じます。知らない世界のくせに。

相手の家の価値観

登場人物の親ががっつりでてきます。

正月、ギャル子が真面目くんの家呼ばれます。前日によばれます。ギャル子ちゃんの母親は「大丈夫?ちゃんとした家なんでしょ?」とちゃっとビビりながら「駅前の菓子折り買っていきなさい」とお金を渡します。ギャル子ちゃんは自分の判断で早起きして金髪を黒く染めます。「うわぁ。すごいけど、たしかにちょっとわかるかも。バタバタするよね」となりました。そして、真面目くんの両親は静かな人。

逆に真面目くんがギャル子ちゃんの家にいくシーンもあります。ギャル子ちゃんの親はにぎやかです。

「そりゃそうか!家族で文化がちがうよねー!!!!うわぁ!!!!」
となりました。この親あってこの子あり。みたいな説得力を感じました。年月を感じさせられます。

今まで読んできた恋愛マンガ
→学生同士が学生だけの世界で恋愛
→家族も登場することもあるが、基本的に影が薄い
→親ちょっと優しい人だねってかんじ

今回のマンガ
→最初は学生だけで盛り上がってたけど、徐々に家族とのつながりも描かれる
→親もめちゃくちゃ人間

お互いに異文化にぶちあたるリアクションがすっごく楽しかったです。

ガパチョって誰?

謎の人物ガパチョが存在します。
ずっと謎です。遊び心だな~ってうれしくなります。

大きすぎる事件が起きない

誰かが病に倒れたり、引っ越したり、転入生がきたり。
そういう どんでん返しがないです。
けど、物語が成り立つってすごい。

部活がない

だれも部活にはいっていません。
間口を広げる狙いがあるののかな?(予想)
受験期間はおのずと帰宅部になる人がおおいです
みんなが「あ~わかるかも~」と納得するような帰宅部あるあるが頻出でした。

いままで読んできた恋愛マンガ
→彼がバスケ部なの!かっこいい
→ダンクしている顔がドアップ
→きゃー!もっと好きになっちゃう!惚れる!

いままで読んできた恋愛マンガ
→彼がサッカー部なの!かっこいい
→シュートしている顔がドアップ
→きゃー!もっと好きになっちゃう!惚れる!

今回のマンガ
登場人物 全員帰宅部でーす

そう。思い出しました。恋愛マンガの度定番!キメ顔のドアップがないです。性交渉もありません。女性だけをターゲットにしていないのかも?

おいろけシーンがない

かといって、男性だけをターゲットにしているようにも思えません。お色気シーンや下心は排除されています。抱きついて頬を赤らめるくらいです。

ここまで書いて気づきました。

「女性向け」とか、「男性向け」とか無理やりジャンル分けするのも滑稽かもしれません。なんて私は古い人間なんでしょう。そもそもジャンプ+で連載されている作品です。はぁ。いまさらナンセンスでした。

読んだ人が全員夢中になれる作品だと思います。
とっても おもしろいので おすすめです。

あとがき

1週間後に最終回らしいです。たのしみすぎる。



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