探求じゃなくて探究でしょ?間違えてるよ。いやいや、探求です。
学習指導要領に2020年から加わった、探究学習。探究学習とは文部科学省の言葉で「問題解決的な活動が発展的に繰り返されていく一連の学習活動のこと」です。簡単に言うと、「問題を解決するためにはどうしたらいいか?」を繰り返し考えようね。ということです。
ところで、
色々なところで探究、探究と言われていますが、探究と探求との違いについて答えられますか?
探求と探究の違い
とても簡単にいうと、探求は「答えを見つけること」、探究は「深く理解すること」です。探求はSeekで、探究はInquireです。
探求は、目的や答えを見つけるために探し出すことで、探究は、深い学びと理解を重視したプロセスを指します。
大切なのは、答えを知ることではなく、答えを見つけること。です。
探求のはじまり
例えば、「なぜ、空は青いのか?」という問いがあったとします。
探求では、人に聞いたり、図鑑で調べたりして答えを探します。答えが出て、次に進む場合、探究へと進むことができます。例えば、空が青いのは大気中の分子が青い光を錯乱させるためという答えが見つかったら、
探究では、その背後にある物理的な現象や光の性質について詳しく学びはじめます。
つまり、探求した結果、探究へと進んでいくのです。
順序
探求して探究することが理想ですが、子どもたちを取り巻く環境はどうなっているでしょうか?
探究学習では、自分で問いを見つけるという「探求」の意味も含まれていますが、ファーストステップである「自分で問いを見つける」ということにフォーカスされていないことがあります。
以下の3つの中から探究する項目を選びなさいと言われ、それについてネットや本で調べ物をして発表する。
というプロセスが探究学習として行われることが多いです。
そして、次にまた3つの選択肢が用意されるのです。これで、本当に深い学びにつながるのでしょうか?
読書感想文に例えてみましょう。読書感想文にオススメの本3冊出されてそれを読み、感想を書く場合と、自分で好きな本を図書館にいって探して書く場合。どちらが夢中になって読み、スラスラ書けるでしょうか?どちらが、より、本の内容を長く記憶し続けるでしょうか?
後者のほうが、見つけるまでに時間がかかると思いますが、やっていて楽しいのも、夢中になるのも「自分で見つけた・自分で選んだほう」です。
たくさんある中で好きなものを選べと言われて悩む子もたくさんいます。
だから、「きっかけ」は大切です。
Nature Baseでも最初のきっかけとして選択肢を用意することがほとんどです。
でも、その後はその子の興味関心に合わせていったり、自分が発言してもいい環境、認められる環境を作っていき、最終的には自分で問いを見つけられる子を育てていきます。
探求と探究のバランス
今は、探究学習が注目されていますが、探求の重要性も忘れないでほしいです。自由研究も、親が考えるのではなく、たくさんのきっかけを用意して子どもが選べるようになってほしい。
探求のプロセスは子どもたちが自分で問いを立て、答えを探す力を育てます。このプロセスを経てこそ、深い学びである探究に進むことができると信じています。
したがって、探求と探究の両方がバランスよく取り入れられる環境が大切です。
探求じゃなくて探究でしょ?間違えてるよ。いやいや、探求です。
探求を経て、探究に進むことこそ、子どもたちの真の学びを促進するのです。