ひとことはなし105
2020 9 11
教養係に着任し大勢の修養科生と共同生活が始まりました。
初日からバタバタして、あっと言う間に夜。その後、就寝しました。
それから3日後です。
起床時間に起きて洗面をしようとすると、相方の先生が
「先生、ちょっとええか」と、僕を呼び止めました。
「はい、なんでしょう」と聞くと
「あのなあ、怒らんで聞いてよー」
と前置きし、次のようなお話を下さいました。
「あんたは今、1日4座の12下りを勤めてそれは素晴らしい事じゃ。
ただ、なんか感じるのは、ガムシャラで突っ走っているように見えるんじゃ。
なんでこの話をするんか言うたら、あんたは毎晩1時になると、とても苦しみだすんじゃ。だいたい2時くらいまでそういう状態。
わしは、この人は、わしの事が嫌いじゃから苦しむんじゃろうかと思い、昼間、わしと接する態度を見たらそうではない。
ではなんで、この人は夜の1時になると苦しむんじゃろうかと、わしは考えた。
そこで悟ったのが、先生の今の生き方じゃ。
心定めを一生懸命やるのはええ事じゃ。でも、あまりにもピーンと張りすぎと違うか、どうじゃ?
ええか、あんたは張り切って、やり切って、その先どうなろうとどうでもいいと思っているか知らんが、あんたには妻と、まだ小さい子供がおるじゃろう。あんたに、もしもの事があったら、その人達をどうするんな」
と言われた時、ハッとしました。
相方の先生は続いて、
「あのなあ、おやさまは、堅う柔らこうと仰っとる。
時には、今日は朝から寝ていようか、というくらいの日があってもいいんじゃ。
張りっぱなしだと切れる。時には緩めるんじゃ。身体はかりものじゃ。
無茶苦茶に使ってはいかん。分かってくれるか」
と僕の目をジッと見ました。
「その通りだな」と心で思いました。
そうこうしてると朝つとめ出発時間。
修養科生と共に車で朝つとめに出た。
朝つとめ中、先ほどの先生のお言葉を考えた。
朝つとめが終わり、神殿を後にする頃には心は決めていた。
もう突っ走るのはやめる。強弱をつける。と。
次に日の朝、相方先生が僕に
「先生、昨夜は苦しんでいなかったな。助かったぞ」
と。
こうも鮮やかになるものか、と驚いたのと、このおぢばで見せて頂いたこと。又、相方先生のお徳によるものだと思いました。
今もお道を通る上で、この先生のお言葉は僕の胸にある。
ややもすると突っ走ろうとするのだが、そういう時この言葉が浮かぶのだ。
僕には恩人リストがある。
この先生は今も僕の恩人リストの上位だ。
先生、ありがとうございました。拝 終わり。
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