171
ひとことはなし
おはようございます。それでは始めさせて頂きます。
今日は、
受けた恩の返し方
というお話です。
22年前、仕事を辞めて会長になる為
上級に住込みをさせて頂きました。
日課は、朝勤めが終わったら教会内のひのきしん。
その後、10時から布教。(自発的に)
午後3時には撤饌。
神殿掃除
というのが日課。
当時布教する為に履いていた靴がボロボロだったので、
近くにある、シューズプラザ、という靴屋で新しい靴を購入。
早速その靴を履いて、そのまま布教に歩きまわったが、
サイズが合わなかったようで、かかとが擦れて血が出てくる始末。
見ると靴にも血が。
弱ったなあ、
と思いました。
買ったばかりでしたので。
この状態で、靴を購入した店へ持って行っても交換は無理だろうなと。
しかしダメ元で、翌日その靴を持って靴屋へ行きました。
今でも覚えていますが、僕に対応してくれた方は
メガネをかけた男性でした。
その方に、
「すみません。昨日この靴をこちらで買ったのはいいのですが、
サイズが合わなかったようで。
今更ですが、交換してもらう事はできませんか?」
と無理なお願いをしました。
「もう履かれたのですか?」と聞くので、
「はい、昨日一日中履いて歩きまわりました。
かかとの所に血もついています。
やはり交換は無理ですよね」
といいました。
しばらくその方は、その靴を見ながら考えているようでした。
ここからが凄かった。
「どこか不具合はなかったですか?」
と。僕は正直に、
「いやありません。僕が間違ってサイズ違いを購入しただけですから」
と言うと、
「そうですか」と。
しばらくして、また、
「どこか不具合はありませんでしたか?」と同じ質問。
同じ返事をしようとした、その瞬間でした。
バリバリ
と店員さんがその靴を引き割いたのです。
「えっ、何しとん?」
と思いました。
その方が、
「ほら、不具合があったじゃないですか」
と、自分で割いた靴を僕に見せながら、
「これで交換できます。待っていてください」
と奥へ。
今でいうところの超神対応ですね。
一体何が起こったんだ
と、しばらく理解ができませんでしたが、
この方が機転をきかせてくれたのですね。
それと優しさ。
僕がゴネて、因縁ふっかけて意地でも交換させてやろう、
という魂胆ではなく、正直に一々答えるのを見過ごせなかったのかもしれません。
それ以来、僕は靴を購入する時は、
うちから少し遠いですが、今でもこの店で購入しています。
高い靴は買えないので、大した売り上げにはなっていませんが。
では、なぜそうするのか。
それは、僕が受けた、その方に対する恩を返したいからですね。
今その方はおられません。
ただ、その恩はそのお店にもあるのです。
恩を返す。
恩を忘れない。
これは大切ですね。
では、今日も勇んでお通りくださいね。拝
いいなと思ったら応援しよう!
