秋は手汗
小学校高学年くらいから、手汗がひどい。
緊張すると手汗をかくことはままあることだと思うが、こうしてスマホやパソコンをさわっている何気ない時も、手のひらがびちゃびちゃ。
中高生のときは、テストのときがつらかった。緊張も相まっていつもより多めに出てしまう。回答用紙が濡れて波打つこともしばしば…という惨状だ。
紙と手汗の相性は最悪で、折り紙を折れば湿ってクタクタの鶴が出来上がる。
また楽器を始めてからは、楽器を濡らしてしまうので本当にいやになった。壊れるとか痛むとかほどの影響はない(はず)と思うが、手が滑ることもあって不便の極み。本番前はたいていすさまじい緊張なので、手汗のことはもう諦めている。でかいタオルを持っていき直前まで吸わせ、終わってからめちゃくちゃ楽器を拭く。
高校生の時に「手汗 ひどい」で検索した結果、自分の症状に「手掌多汗症」という名前があることを知った。同じころ、世界仰天ニュースでそれを取り上げたVTRを見て全く一緒だったため、もっと実感がわいた。
そして最近、外用薬が認可された。CMなども放映されていて、認知度が増しているように思う。かわいいラッコが出てくる手掌多汗症のCMがやっているが、共感しかない。
基本的にいつでも手のひらと、足の裏も湿っている。
特に夏は気になりだす。緊張など精神的な原因もあるのだが、私は暑いと感じる時ならいつでも出る。夏は裸足で家の階段を降りる時、つるっと行きそうになったことが何度もある。また歩くだけで床中のゴミをくっつけてしまうのが本当に不快だ。
暑さに関して言うと、夏よりも秋の、気温が微妙な時期(冷房は入れないが気温は暑めな時)が一番きついかもしれない。
さらに冬でも、こたつにずっと入っていると暑さで夏と同じようになる。ただ基本的に気温は低いので、ほぼ気にならない。
また、「意識すると出る」のが厄介。あ、今手さらさらだ!と思った次の瞬間じわじわ湿り始めるのだ。
これを逆手にとって、手が乾いていてレジ袋を開けられないときに、念じたり手のひらをこすり合わせると、手のひらが湿ってきて袋を開けられる、ということもできる。(ヒロアカでいう「個性」すぎる)
なにか触っている時、とくにパソコンやスマホを使っている時は高確率で手汗をかく。刺激がダメなのか、緊張、興奮が引き起こされるのか。
バスや電車の手すりを握っていた時、しばらくしてツーっと手すりに汗が滴っていった時はさすがに焦った。金属っぽい手すりは滑るから握れない。
重症な人はもっとひどいのだが、私はそこまでではない。でもこうして振り返ると日常に不便なことはよくある。
今年、薬をもらってみた。寝る前に手のひらに塗るのだが、朝起きるまでどこも触れない。起きたらすぐ水で洗い流さなければならない。この不便さに何度も挫折してしまった。足の裏にも塗れるのだが、先に述べたように床中のゴミを回収した足の裏をきれいにしてから塗るのは面倒くさすぎて、断念した。
でも続けると、たぶん効果があったように思う。あまり気にならなかった(気がする)。
ただ、1ボトルが小さく、すぐに終わってしまってまた病院に行かないといけなくなるうえに、皮膚科は常に混んでいて1分で終わる診察のために1時間待つというのが億劫になってしまった。
来年はがんばろう……。