絶叫系克服体験記その② フライングダイナソー

あなたは絶叫系は得意だろうか。


私は得意に「なった」


元々は大の絶叫系嫌いだったのが、今では平日に遊園地に行って5.6回コースターに乗って帰るほどである。


今回は、元々絶叫系が苦手だった私が何故絶叫系を克服したのか。


そして、絶叫系が苦手だが乗りたい人向けのちょっとしたコツを伝授したいと思う。


私の絶叫系道は、ユニバのハリドリから始まった。そこで得た教訓は、「喉がちぎれるまで叫ぶ」ことで恐怖がやわらぐことである。


ハリドリの次なる挑戦は、同じくユニバのフライングダイナソーであった。


フライングダイナソーは、映画「ジュラシック・ワールド」をモチーフとしたコースター型アトラクションである。


プテラノドンに掴まれて空を旅するというコンセプトであり、足場のない宙吊り型コースターである。


ハリドリに乗り切って調子に乗った私は、思い切ってこのコースターに乗ることにした。


並び始めはまだ調子に乗れていたが、ハリドリで分泌されたアドレナリンが段々と切れ始めた。


冷静になった私は、ハリドリとフライングダイナソーはどちらが怖いのかを調べることにした。


ハリドリ:時速90km

ダイナソー:時速100km



なに………………



なんと先程やっとの思いで乗ってきたハリドリよりも、ダイナソーは更に10kmも速度が速いのである。


いくらハリドリは乗れたとはいえ、今度こそ死ぬかもしれない。調子に乗るんじゃなかった…。


死ぬような思いで、待つこと3時間。


ついに我々の順番がやってきた。


ハリドリは足場に乗って、下から伸びる安全バーを体にくっつける形式だった。


一方でこのダイナソー、足場がないのである。


コースターは上のレールからつり下げされており、つり下げられた椅子に座り、つり下げされた安全バーを装着する。


出発の時、椅子の角度が地面に対して90度回転する。


要するに、うつ伏せ状態でつり下げられたのだ。


(これ、安全バーが外れたら真っ逆さまやん…殺す気か?)


恐怖のあまり、ユニバの運営が合法的に◯人を楽しんでいるのではないかとさえ思えた。


思考は加速するが、数秒後にコースターは走り始める。


「リボーーーーーーン!!!」


まだ登っている最中にも関わらず、私はもう叫んでいた。


同席者達の後頭部とレールを眺めながら登ってゆくのが通常のコースターだ。


しかし、つり下げ式のこのコースターは下しか見えない。


パークの来場者がゴミのようだ。


更に高度は上がり、やはり目を開けていられなくなる。


そして体の傾きで、ファーストドロップが近いことを悟る。


「リボーン!リボーン!リボーン!リボーン!」


落ちる前から声が枯れそうだった。


「リボーン!リボーン!リボーン!リボー…………………リボォォォォーン!!!!!!」


やはり速度が尋常ではない。


「リボー…ン?」


しかし、落下後とある違和感に気づいた。



「浮いて、ない?」


つり下げ式ということもあり、安全性を考慮した結果安全バーの大きさ・きつさによって体がガチガチに固められており、もはやコースターと一体化していた。


そのとき初めて知ったのだが、本当にガチガチに固められていると大して浮遊感を感じないのだ。


少し余裕が出てきた私は目を開けた。


「リボーーーン!!!」


その瞬間、私は地面に激突した。


なんとこのコースター、上は高度46mまで、下は地下まで突き刺さるほどの落差がある。


地面に潜ってゆくのは、意外にもわくわくして楽しかった。


「これ、いけるわ!」


スピードとGこそ半端ないが、恐怖感よりも爽快感が勝つ。


フライングダイナソーに初めて乗った私は、そんな不思議な感覚を体験した。


「いや〜これおもろいな!」


先程のハリドリとは打って変わって、生まれて初めて純粋に楽しめるコースターに出会った。


この経験によって、私はユニバでは敵なしとなる。


年パスの期限中はハリドリもバックドロップもダイナソーもジュラシックパークも乗りまくった。


絶叫系を克服したことで、私の高校生活に鮮やかな思い出が増えた。


しかし、その後しばらくは絶叫系に乗らない空白の期間があった。


一度克服したつもりでも、しばらく離れると恐怖感の方が増すものである。


そんな私が日本一のコースターに乗れるようになるまでの道のりは、また後日書き記そうと思う。


コツ2:安全バーで体をガチガチに固める


あなたのコースターライフに幸あれ。

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