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味噌煮込みうどんがまずすぎる

味噌煮込みうどんはご存知だろうか。

名古屋の有名なグルメであり、いわゆる「名古屋メシ」として名を馳せている名物うどんである。

昨年の秋、ナガシマスパーランドに行く際に宿泊先として私は名古屋を選んだ。

名古屋自体が2回目であり、以前は味噌カツを食した。甘じょっぱい味噌は人を選ぶだろうが、甘い味付けは大の好物である私にとってはリピート確定の美食であった。

味噌カツへの好イメージからも、名古屋メシへの期待感はかなり高い。

中でも味噌ダレに煮込まれたうどんを想像すると、それだけでも腹が鳴るほとであった。

どうせ食べるなら有名な店をと思い、食べログ3.5を超えているところを選定。

夜中の9時に行ったがほぼ席は埋まっており、更に期待が高まる。

机の上には一味と八味が並んでおり、七味しか使ったことのない私には新鮮に感じられた。

うどん屋には珍しく(名古屋では普通なのかもしれないが)、お通しで漬物が運ばれてきた。

漬物も私の好物なので、さっそく意気揚々と食してみた。

ん?  

もう一度食べてみる?

ん…

うまくない。

もしかすると八味をかけることで完成するのかもしれないと思いかけてみるが、やはりうまくない。

そもそもこれは漬物なのか、というくらいに味がついていない。

とはいえここは味噌煮込みうどんのお店である。

前菜が不味かろうとうどんがおいしければ問題ない。

そもそも別に漬物を食べに来たわけではない。

そんなことを考えながら待っていると、うどんがやってきた。

「フタを取り皿として御利用ください」

なるほど、鍋のフタを取り皿として使うのが名古屋スタイルなのか。

取り皿に入れる分のうどんを箸で一掴みして、強烈な違和感を抱いた。

………硬い!

「コシがいい」「しこしこのうどん」などという言葉では表現し切れないほどの、強烈なかたさ。

それも、箸で掴んだだけで分かるほどである。

おかしいな、仮にも「煮込みうどん」のはず。もっと柔らかいうどんを想像していた。

いや、うどんにコシがあるのは別にいい。むしろ好きだ。

それにしても箸で掴んでわかるほどのこの硬度は本当に大丈夫なのか。

そんなことを考えながら、うどんを口に運ぶ。

ん?

ん?

2度の不快感。

1つ、やはりうどんがかたい。生麺を直接食べたことはないが、形容するなら生麺にただ味噌だれをかけただけのようなかたさだ。

2つ、味噌も別においしくない。

コンビニの味噌汁の味噌のほうがまだ好きだ。

うーん。もしかしてこのうどんはマジでおいしくないやつかもしれない。

しかし、最後の望みがあった。

鍋に入れられたうどん。

火がついているわけではないが、いまだに味噌がグツグツと煮えたぎっている。

私はうどんがさらに煮込まれるまで待つことにした。

フタを閉じて、待つこと5分。

昔10分どん兵衛のような、カップうどんを推奨時間よりも長く待ってたべるのが流行ったことがあった。

これも同じようにたべるのが正解なのかもしれない。いや、そうであってくれ。

うどんを食べる前に祈ったのは初めての経験である。

5分経ち、うどんを再び掴む。

うん…ちょっと柔らかくなったかもしれないな。そう思いながら再び食す。

………………………!

ちょっとうまくなってるな。

いややっぱりまずいな。

私はもはや諦めに達し、まずい小麦粉と味噌で腹を満たした。

味噌煮込みうどんはまずいという話は、その後一ヶ月ほど私の持ちネタになった。

あの頃は二度と食べたくないと思ったものだが、今となればもはや別店舗で再挑戦してみたい。

もしおいしい味噌煮込みうどんの東京にあるお店を知っている方がいれば、ぜひ教えてほしい。

ちなみにナガシマスパーランドで食べたきしめんは普通においしかった。

あなたのうどんライフに幸あれ。

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