定期借家を選ぶ前に知っておくべきこと
おうち選びの際に、定期借家という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
この記事では、定期借家と普通借家を比較した上で、どんな時に定期借家を選ぶべきかについてお伝えします。
定期借家と普通借家の違いって?
普通借家契約とは
普通借家契約は、日本の賃貸住宅市場における最も一般的な契約形態で、その割合は全体の93%を占めるとも言われています。
普通借家契約は、基本的に契約の更新が可能で、借主は同じ物件に長期間住むことができます。
正当な理由なく借主を追い出すことはできないなど、借主の権利が非常に強いのが、普通借家契約の特徴です。
定期借家契約とは
定期借家契約も日本で主要な契約形態の1つですが、普通借家契約と比べると割合はとても低いです。
定期借家契約は、契約期間があらかじめ決まっており、その期間を過ぎると借主は基本的に退去しなくてはいけません。
その代わり家賃が安い場合があったり、3ヶ月などの短期で借りられる物件もあるのが定期借家契約の特徴です。
定期借家契約のメリット
定期借家契約のメリットを、普通借家契約と比較してまとめてみましょう。
家賃が安い
定期借家契約は、普通借家契約よりも家賃が安くなる場合が多いです。
「数年後に建物自体が壊される」など、貸主側の事情で普通借家契約を結ぶことができない物件が定期借家に出されることが多いため、貸主としても通常より家賃を低く設定する場合があります。
短期で住める
定期借家契約には、短期で住むことができるというメリットもあります。
普通借家契約では、基本的に1年以上の契約期間が一般的で、その間に退去する場合、煩雑な手続きや違約金の有無などを考慮する必要があります。
そういったことを気にせずに住み始めることができるのも定期借家の利点の1つです。
その他のメリット
その他にもいくつかのメリットが存在します。定期借家契約では、契約期間が決まっているため、貸主借主双方にとって計画が立てやすいという点もあります。
また、騒音など周りにとっての迷惑行為を行う住人も、契約満了時に退去してもらえるので、住環境の整備という観点で貸主借主双方にメリットがあります。
定期借家契約のデメリット
定期借家契約にはいくつかのデメリットもあります。
物件数が少ない
定期借家契約が可能な物件は非常に少ないです。
定期借家を希望しようとした時点で、住める物件はだいぶ絞られてしまいます。
更新ができない
定期借家契約の物件は、基本的に契約の更新ができないため、必ず期限内に退去しなくてはいけません。
引越し作業の遅れなどにより、退去日を過ぎてしまった場合には、貸主から損害賠償請求をされてしまう場合もあります。
長期での居住ができない
定期借家契約では、長期で居住することを前提とされていません。
次の引越しを見据えた上での居住になる場合が多いので、家庭を持つ方などには不向きかもしれません。
定期借家契約に向いている人は?
定期借家契約を選ぶべきかは、それぞれのニーズによって変わってきます。
以下に定期借家に向いている人の例をまとめます。
いろいろな地域に住んでみたい人
いろいろな地域に住んでみたいなど、住所を次々と変えることに抵抗がない人にもおすすめです。
定期借家は、期間もきっちり決まっているため、引越しの際に考えることが少なくて楽です。
例えば、「このまま更新するか?」や「いつ頃から引越しの準備をしようか?」などを考えることは、普通借家契約の場合に煩わしく感じる点かもしれません。
特に難しく考えずに期間を満了してスッキリ引き払えると、モヤモヤしなくて済むでしょう。
短期間の居住の場合
キャンパスが2年で変わる大学生や、1年間の転勤が決まった社会人など、短期間だけ住むことが決まっている場合、定期借家契約は家賃も安くすむことが多くおすすめです。
学業や仕事に集中するための住居として、定期借家契約はニーズにぴったり合う選択肢と言えるでしょう。
まとめ:定期借家は人を選ぶがメリットも多い!
定期借家契約の物件は、短期間の居住や、コストを抑えたいと考えている人には特に魅力的です。
家賃が一般的な普通借家契約に比べて安く、短期間での居住が可能なため、特定の期間だけ住宅が必要な人々にとって理想的な選択肢となります。
例えば、大学生や一時的な転勤で住まいを必要とする社会人などにとっては、定期借家契約は非常に便利です。
一方で、定期借家契約にはいくつかのデメリットもあります。契約期間が終了すると退去しなければならず、これは長期的な居住計画を立てている人にとっては不便である可能性があります。
また、物件数が限られているため、選択肢が少ないという点もデメリットとして挙げられます。
定期借家契約のメリットとデメリットを理解した上で、あなたの居住ニーズに合わせて検討することが重要です。
特定の期間だけの居住を計画している、または予算に制約がある人などには、定期借家契約が有効な選択肢となる場合も多いでしょう。