MHAに入学して
この記事は九州大学医療管理・経営学専攻22期 Advent Calender 2022 9日目の記事です。
私は、14年行政で保健師として働き、今年の4月からは健康診断の会社で非常勤で働いています。大学院へ進学し8か月が経ちましたので振り返りと、院の試験対策など今後進学等も考えている方にも参考になればと思います。
1、行政保健師が進学?
「進学???何するの?」と職場の人から何度も言われました。今でも言われます。行政に入るまでは、私もずっと行政で働き続けると思っていました。少し偏った言い方かもしれませんが、行政は非常に縦割りで、物事を変えることを嫌と思う人の多い組織です。前任者がこうしていたから、それに習って同じようにするのが慣習のような気もしていました。
改善してこうしたらいいのにと思うけど、変えるとなると批判されることもありますし、新しいことをすると必ず目立つから、どう目立たずに実行するかとか一体何をしているのか不明なこともありました。なので、行政から大学院という選択をとる人が今までにいなかったので、不思議だったんだと思います。
私の進学のきっかけとなったのがデータヘルス計画の策定経験でした。市町村では、国保の保険者ですので、定められた時期に、保健事業の計画をデータに基づいて作成し、公表しなければなりません。私は第1期、そして第2期の中間評価を担当していました。
第1期はストラクチャーやプロセス、アウトカムなどがわからず、とりあえず作ることを目標にしていました。2期になると、KDB加工してツールを使用したりして帳票作成して、「あれ、なんか面白い・・・」と思い始めました。もちろん国保データベースシステム(KDB)も慣れずに苦戦していましたが、医療費や各疾患の実数がぱっと出てきて、市町村ごとの違いも出てきて、データの読み取りの面白さにはまりました。この時、保健指導でもこのような感触があるから、自分の好きな作業が好きなんだと改めて感じました。
しかし、どんどんデータを見るうちに、改善していない、伸びが思ったほどない、増えている・・・と客観的に見えてきます。心の中で、もっと効果があがる事業にしないと、ただ自己満でやっている事業になってしまうと危機感を覚え始めました。担当者で話しても、この判断がいいのか分からない、上司や多職種に聞いても答えが出ないので、他市町村の先輩に話しても答えが出ず、辿りついた先がこの専攻でした。思い立ったら即行動する性格なので、調べているうちに「測かることができないものは良くならない」というHPでの先生方の言葉が胸に刺さって、ここにきっと私の答えやヒントがあると思い、進学を決意しました。
2,大学院の試験対策
進学を決めたのが夏頃でしたので、後期の試験に向けて、短期集中で勉強しました。(多分、同期の皆さんはもっと早いと思います)
この時は8:30~17:15のフルタイムで働いていたので、時期によっては30時間/月の残業がある部署なので、このままではだめだと思い、平日の朝は5:30から1時間程度、早く帰れる日は家事が終わって、子供たちを寝かしつけ9:30から2時間程度勉強。土日は、子供たちの習い事の付き添い中に勉強と空き時間で勉強しました。
オープンキャンパスで先輩が過去問を5年分印刷できる旨を話されていたので、まずは過去問から傾向を練りました。私の課題は英語であったので、過去問以外に文読解の勉強もしました。(ちなみに試験では辞書持ち込み可でした)判断推理・数的判断のような問題もあり、思い出しながらわからないところはネットで調べながら勉強しました。塾講師のyoutubeなどもわかりやすかったです。
体調管理も重要になるので(体も心も)、きついと思う日は早く寝て、しっかり食べるようにしました。この時期に「お母さんは試験があるので、これから家事は少ししかしません!これから助けてね」と家族に話した記憶があります。
試験当日は、最初は緊張していましたが、先生方の質問も丁寧で、自分が今まで何をしてきて、今後どんなことを学び、どうなりたいかといったビジョンを熱く語った気がします。上手に伝えるより、等身大の自分の言葉で伝えないと伝わらないと感じました。
試験後は、一気に仕事ムードになり、残業の日々でした。職場とも、休業制度を巡って話し合いの日々を過ごしていて、結論としては休業は取れず、退職する形になりました。職場の同僚や家族・友人は応援してくれていたので、心機一転もいいかも!と前向きに捉え、残りの日々を引き継ぎや次年度の準備と打ち合わせに費やしました。
3,入学後の気づき
まず、驚いたのが同期の皆さんのバックグラウンドが多種多様です。職種や経歴も違っています、だから面白いと思っています。グループディスカッションも授業によっては多いのですが、毎回勉強になり、みんなで結論を出そうと取り組みます。私見も入るかもしれませんが、学生の共通する点は、意欲的で、他者の意見を否定することなく認めている所だと思います。個性豊かで、ユーモアもあって、話が尽きない大好きな仲間です。
そんな同期に支えられ、テストやレポートが重なる1年の夏を乗り越えました。
ゼミ決めの第一本命は、授業で「地域でもっと保健師が旗をふれるようになってほしい」と話されていた福田先生です。先生に直接会って。自分のビジョンや思いを話すと、気持ちが固まりました。他の先生方も丁寧にアドバイスをいただき、今後の学生生活も心強く感じることができました。
また、生活ががらっと変わりました。仕事と学習会を優先する生活でしたので、家にいる時間が増えました。今まで小学生の子どもに「おかえり」が言えること、顔を見てたくさん話をするようになったのは今でも嬉しいと思います。家族全員、授業やゼミがある時は(なるべく)静かにしてくれます。隙さえあれば映り込もうとするので阻止も大変です。
それでも、お風呂を洗ったり、洗濯物を取り入れてたたんでくれたりと、子供たちも協力してくれるようになったのがとても助かりました。
講義、非常勤の仕事、保健師の学習会、子ども達の習い事(サッカー3か所)、小学校行事…とやはり時間は限られているので、勉強時間の確保が無理して入れ込まないと作れません。タスク管理を週ごとに決め、早め早めで対応するようにしています。移動時間もPC持参して、課題をしたりもします。それでも、レポートは続々とやってくるのですが、考えた分だけ定着するので、それを励みに頑張る・・・!という感じですね。
来年の今頃は、もっと成長している自分がいると信じて、今後も貴重な学生生活を楽しみたいと思います。個性あふれる大好きな同期と先生方、いつも優しい秘書さん、これからもよろしくお願いします。