今日、「ポケモン化石博物館」に行ってきた。
皆さんは知っているだろうか。
いま日本各地の博物館を巡回している企画展「ポケモン化石博物館」を。
私は今日(9/6)、その企画展に行ってきた。
開催館情報
会 場:群馬県立自然史博物館 (群馬県富岡市上黒岩1674-1)
開催期間:2023年7月15日(土)~9月18日(月)
9月23日(土)~12月3日(日)
U R L:巡回展「ポケモン化石博物館」Pokémon Fossil Museum - 国立科学博物館 (kahaku.go.jp)
端的に言うと、良かった。とっても良かった。
帰宅した瞬間パソコンを立ち上げて記事を書き出すほどに。
そのため、今回の展示の見どころをいくつか紹介したい。
ただ、この記事はまだ展示を見ていない人に向けた発信である。
よって、ネタバレを避けるため写真はタイトルのものしか使用していない。
読みにくいと思うがご容赦願いたい。
注目ポイント1:ポケモンって骨格標本作れるんだ…
この企画展をSNSで目にした時、思ったよね。
空想上の生き物の化石って何?そんな展示実現できるの?って。
でもそんなのは杞憂だった。
ご存知の通り、ポケモンのゲームの中にはカセキから復元されるポケモン
通称「カセキポケモン」が何匹かいる。
例を挙げるなら、プテラやオムナイトがそれに当たる。
今回の展示はこのカセキポケモンたちが主役だ。
(ちょっぴり期待してたピカチュウの標本はなかった。残念。)
主な展示内容はパネルや標本だが、
単純にカセキポケモンたちの情報を見るだけではなく、
かつて地球上に存在していた古代生物と比較しながら展示されており、
カセキポケモンの姿や化石に対する納得度と解像度がとても上がる。
例えば私は今日までオムナイトの腕の本数を気にしたことはなかったが、
古代生物の説明を見たら納得せざるを得なかった。
きっとこの先10年は覚えているだろう。
キャラデザを考える人ってすごく勉強してるんだな。尊敬する。
注目ポイント2:学芸員さんの熱量がすごい!
キャラデザを考える人もすごいが、学芸員さんもすごい。
なにせ今回の企画展は学芸員さんの発案らしい。
視点がマニアック過ぎませんか?私はそういうのがとても好きです。
(これに関するお話は企画展内で説明されているため割愛する)
そのような熱意は展示パネルの色使いや標本の造形からも感じ取れた。
特に、アマルルガのヒレの記述に感動した。ぜひ読んでほしいパネルだ。
素人目ではそれは重要なのかと疑問に思うかもしれないが、
きっと彼らの中にはカセキポケモンに対する明確な論理があるのだろう。
そう思わずにいられないほど、一つ一つの展示には
学芸員さんたちの細かな気遣いと確かな知識が詰まっていた。
しごできってこういうことか。
そして、普通に古代生物の勉強にもなる。
しかし、私の人生には古代生物にのめり込んだ時期がなかったために
終始小学生並みの感想しか出なかったのが痛恨の極みである。
始祖鳥(←人生初対面)ってここまで研究が進んでるんだあ(小並感)。
注目ポイント3:常設展が最高
忘れてはいけないのが今回の展示は企画展ということだ。
つまり、入館料を払えば無料(タダ)で常設展示も楽しめるってこと。
え?!入館料を払ってるから無料じゃないって??
私(オタク)的には企画展(目的)以外の常設展示(オプション)が
付いてるから実質無料なんよ。
だが、余りに不親切な説明のため、
2023年9月6日時点での群馬県立自然史博物館の料金案内を載せておく。
金銭感覚がしっかりしている良い子のお友達は1,000円を持っていこう。
企画展を開催していない期間の料金
一般 510円、大学・高専・高校生 300円、中学生以下 無料
企画展を開催している期間の料金
一般 1,000円、大学・高専・高校生 500円、中学生以下 無料
(団体割引に関しては別途HPを確認してほしい)
さて、この常設展。如何せん密度がすごい。
今回はこれについて書きたくて筆を執ったと言っても過言ではない。
私は今年だけでも両手が埋まるほど博物館に行っているが、
その中でも群を抜いて展示スペースとその物量が圧倒的だ。
もし自然史博物館に朝から晩まで1日中滞在したとしても
あの空間の解説全てを読み終えることは不可能に等しい。
そしてただただ展示物が羅列されているわけではなく、
来館者に楽しんでほしいという工夫がひしひしと感じられる。
個人的に笑ってしまったのは回るゴリラ(自然界におけるヒト)と
喋る山(群馬の自然と環境 シアター)。
ビビったのは突然喋り出すおじいちゃん人形(ダーウィンの部屋)。
この部屋にはダーウィン直筆の手紙が飾られており、
これが見られるのは日本国内では群馬県立自然史博物館だけらしい。
勉強になったのはヨタカの標本と鳴き声。
これにより宮沢賢治『よだかの星』に対する理解も深められた。
きっと子どもの頃の私が来館してたら引き出しを開けまくってたし、
お触りOKな化石や標本をひたすら撫でまわしてたことだろう。
自然科学系の博物館はこれまでほとんど行ったことがなかったので
とっても充実した時間だった。また行きたい。
もし個人の裁量で入館料を決められるなら最低でも5,000円は払う。
そういう空間だった。
ただ、恐竜の展示では高所恐怖症の人が、
生物の展示では集合体恐怖症の人が恐れおののく場面があると思う。
そのため、一緒に行く人の選定には気を付け、
一緒に行ったとしても所々にある休憩スペースを有効活用してほしい。
行くときに注意してほしいこと
皆さんがもし上記の開催期間内にこの企画展に行きたいと思い、
計画を立てるなら、多くの人はグーグルマップでルート検索を行うだろう。
通常群馬県立自然史博物館を検索すると、最寄り駅として表示されるのは
上信電鉄上信線「上州七日市駅(じょうしゅうなのかいちえき)」だ。
しかし、最寄り駅と言えど私たちが想像する最寄り駅ではない。
なんとそこから約30分徒歩で移動する必要がある。
散歩感覚で山道を歩くのが苦じゃない人ならいいが、もし歩くのが嫌な人は
「上州富岡駅(じょうしゅうとみおかえき)」での下車をおすすめする。
なぜなら、上州富岡駅は世界遺産である富岡製糸場の最寄り駅であり、
タクシーが待機している可能性が高いからだ。
ちなみに、上州七日市駅でタクシーを手配するとしても
迎えは上州富岡駅から来てくれるようだ。
効率的には上州富岡駅で乗ってしまった方が良い。
私が上州七日市駅からタクシーに乗車したところ料金は1,500円だった。
上州富岡駅から乗るなら2,000円前後かかるのではないかと予想される。
また、上信電鉄に乗る際の注意点もある。
まず、ローカル線あるあるだがICカードが使えない。
普段カード派の人は現金をある程度持っていくのが良いだろう。
切符の扱いにも注意が必要で、改札口で駅員さんに手渡す必要がある。
今も現役で改札鋏(切符に切れ込みを入れるやつ)を使ってる路線って
あるんだね。貴重な体験をした。
あと、群馬の電車あるあるだがドアが開かない。
理由はよく分からないが、上州富岡駅では全ドア開閉したのに
上州七日市駅では先頭の扉しか開かなかった。
あの瞬間は閉じ込められたのかと思って恐怖を感じた。
次に、荷物用のロッカーがない。
今日私は私用でノートパソコンを持っていたのだが、
電車に乗る際、各駅にロッカーくらいあるっしょ!っと楽観視をしており、
数十分後山道で絶望することとなった。
荷物が多い人は高崎駅でロッカーに預けるのが吉だ。
最後に、上信電鉄はJR高崎駅から直接乗り換えることができない。
JR高崎駅の駅員さんに伺ったところ、上信電鉄は0番線にあたるらしいが、
そもそも0番線てどういうこと?9と4分の3番線みたいなこと??
実際は改札を一回出て、西口に進むと階段の壁に案内が貼られているため、
それに沿って階段を下り、公衆トイレで左に曲がってさらに奥に進む。
結構奥まっていて初見ではたどり着かない人もいるはずだ。
しかし、ここで迷うと電車1本分(約30分)待たなくちゃいけなくなる。
乗り換えには十分な余裕と注意が必要だ。
最後に、販売しているグッズに触れよう。
本日いくつか欠品しているグッズはあったものの、
人気商品であるぬいぐるみ 発掘ピカチュウは再入荷していたため、
これが欲しいならなるべく早く足を運ぶべきだろう。
図録およびオリジナルグッズはネットでは購入できないため、
後悔しないようたっぷり買った方が良い。
ぬいぐるみにいたっては一人一点までしか購入できないレアなものだ。
けれども、私の脳はピカチュウが服を着ているからか
サトシのピカチュウではないと判断し、購入しなかった。
私はピカチュウ像が歪むのが怖くてキャプテンピカチュウを見れない女。
そんな私でもグッズの購入で諭吉が飛んだ。オタクって怖いね。
ここまで長々とポケモン化石博物館の良さについて語ってきた。
しかし今回の感想を一言で表すなら、やはりこの言葉が相応しいだろう。
かがくの ちからって すげー!
補足
ポケモン化石博物館は巡回展である。
そのため、群馬県立自然史博物館での会期終了後
下記の期間において岩手県立博物館(岩手県盛岡市上田字松屋敷34)で
同様の企画が実施される。
開催期間:2023年12月19日(火)~2024年3月3日(日)
その際、展示内容や常設展の見どころなど
この記事に記載した内容と相違がある点も出てくるだろう。
その点は致し方ないためご了承ください。