私、シェフになります。
「いついつまでにこれこれやっといて」
よくある話。
「俺が言ったこととちょっと違うんだけどなんでこんなことしたの?」
よくある話。
ちょっと違う?当たり前。そうしたのサ
俺達は全自動お掃除ロボでも超便利釜炊き炊飯器でもない。
ポチッと押されっぱなしで、思い通りの炊き加減とはいかない。そりゃそう。
意志を伴う、
自動でもなく、もはや炊飯器でもない
飯盒炊爨なのだ。
飯盒炊爨は火を起こすのも、火加減も難しい。
ましてや環境にも左右される。
炊飯器になりきり、スイッチを押されて、設定通り正しく炊くのなんかそろそろ簡単になった。
それでも、あえて自分で火を起こす。「この火加減がいいだろう」と信じて米を自分の意思で米を炊く。俺達は生粋の飯盒炊爨er。
「こっちの方が米本来の…ゴゴォ」
「意外と目分量の方が…ザザァ」
今は大体うまく炊けない。
だって火加減も水の分量も手探り。
まずい米は当然、大概食べてもらえない。
「もう君はいいからレンジでチンでもしてなさい。」
大抵こう言われる。
でも、
「んだこのブヨブヨの米、いいか、水はこうしてな…」
上顎を火傷しながらでも何度も俺の米を喰らってくれる、もの好きのキャンパーも居る。
「バカ、次は水少ねえよ。でもこのおこげは俺は好きだ。よくやった。」
いっつもいっつも。
俺の米を喰ってくれる。
なんでそのキャンパーがまん丸に太ってるかわかった気がした。
俺はそんなキャンパーのために火傷しながらでも米を炊き続けたいし。
ジム通いで健康思考の俺でも、
「そんな幸せな太り方なら悪くないかも。」なんて思ったりするのである。
読んでくれてる俺の大好きなみんな、
毎日大変だけど、うまい米、食おうな。