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『モモ』は大人こそ読むべき名作!

オンライン読書会「夜のアパート3号室」第3夜。
2025年1月11日(土)の課題本は『モモ』でした。

ミヒャエル・エンデが書いた児童文学の金字塔とも呼べる作品です。
昔からこの作品について「人生のバイブル」と言う人も多い名作ですが、
長年ずっと積読状態で、なかなか読むきっかけがなかったので、
読書会の課題本に選びました。

「アパート3号室」としては、初の児童書ということで、
参加者が集まるか、不安でしたが、
熱烈な参加申込が続々と届き、
あっという間に満員御礼となりました。

参加者は8名。「耳だけ参加」が4名。
これまで同様、discordという音声通話アプリのビデオ会議機能を使って行いました。
今回は、参加者が多いので、簡単な自己紹介のあと、
ひとりずつ作品を読んだ感想について話していただきました。

みなさんの感想の一部をご紹介!
(書記をしてくださったせつこ。さん!ありがとうございます!)

「ただの児童文学じゃない。最高峰!」
「小学3年生のころに読んだがよく分からなかった。大人になって良さが分かった。本当の豊かさ・幸せとはなんだろう…」
「児童文学をこの歳になって読んだことが新鮮だった」
「子どもの頃は時間の大切さを考えなかった。昔は生きるためだけに時間があった。余暇が生まれ、堕落するようになったから時間泥棒が現れたのかな?」
「子どものころは時間が有り余っていた。幼少期はピンとこなかった。時間の経ち方で大人と子どもが分かれるのかな」
「時間に追われる忙しい人は気づけないこともある。人の関わりで知ることもあるので無駄じゃない」
「カメが素直で可愛い」
「現代風刺が隠れている。身につまされることも多い。忙しいなかでイライラ、ピリピリ。自由な時間があっても何をしたらいいのか分からない。心を育む時間がなくなることを提起している。灰色の男たち(敵)は現代でいうと何だろう?」
「読む手が止まらなくなった。『時間』という当たり前にあるもの、ワンピースでも寿命と時間を引き替えにした。時間は対価になる場面があると思った」
「最近はタイパが重視。ショート動画など。効率化が重視される世の中で読まれるべき本だと思った」
「カシオペイアの『遅いほうが速い』には納得。
「物語にはナチスドイツの影響があったのでは?灰色の男たちに搾取される。ベルリンの壁があることへの恐怖など」
「主人公モモの存在が曖昧、魅力的なのか分からない。印象薄いような気がする。子どもとして憧れない存在な気がしていた。モモの存在とは?」
「『モモ』を読んで『スローイズビューティフル』という本を思い出した。タイパ・コスパの現代。子どもに読んであげたい」

などなど。

小学生の頃に読んだことがあっても、小さい頃はよくわからなかったという方が多かった印象です。
こどもの頃は、時間の概念が今と全く違っていて、
この物語のテーマが理解しにくかったのかもしれない、と。
また、普段は児童文学をあまり読まない方が多く、はじめは読みにくさを感じたという声も。
物語が進んでいくにつれて、哲学的な問いを深く感じるようになり、
この作品に魅了されていったようです。

一人ひとりの感想をお聞きした後は、いくつか出た「問い」について
フリートーク。

<問い>
・灰色の男の一体が消えるシーン。本当は悪いことをしてる自覚があったのか?
・「本当の豊かさ・幸せ」とは?
・「時間の感覚」をどのように感じているのか。
・灰色の男たち(敵)は現代でいうと何だろう?
・うさぎとかめ。あなたはどちら?
・主人公である「モモ」の存在とは?


子ども向けに書かれた物語とはいえ、
おとなこそ読むべき作品!という意見で一致しました。

ご参加くださったみなさん、ありがとうございました

次回は、2月8日(土)『星の王子さま』読書会です。
また皆さんと語り合えるのを楽しみにしております!


(ありがたいことに、こちらも瞬く間に
満員御礼になってしまい、キャンセル待ちを受付中です)


読書会アパート3号室
サリー




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