学校と保健室とあなたとわたし
「息子さんめっちゃ可愛かったですねー」
今月のデザート、チョコレートムースケーキの仕込みをしながら話しかけてくれたのは、月に数回シフトに入ってくれる○ちゃん
私はイタリアンレストランで働いている
朝、おはよーございまーすと厨房の挨拶に行った私は頭に???がいっぱい。
「こっちに手を振ってくれるから癒されたぁぁ」
ガシャガシャと何かを混ぜながら続ける
「今日もかわいいね」と全ての会話を無視して気持ちを伝えると、何でまたそんなこと言うんですかと、笑いながら怒ってくる
○ちゃんは、本当にもう、物理的にかわいい。
私より一回り年下のとってもお若いお母さん
高校生の時にお子様を授かり
2人のお子さんを1人で育ててきた
現在もメインのお仕事のほかに二つのアルバイトを掛け持ちしながら、高校生と中学生を育てている
メインのお仕事は我が家がお世話になっているクリニックの受付さん
普通の内科なのに、受付さんがみんな可愛くて美人。院長による顔採用?って前に聞いたけどそんなことがあるわけがないと否定されてしまったが、絶対に何かあると勝手に思っている
先日、息子が受診した時の話をしているようだ
あの日の受診の結果
うちの息子は
仮病であることがわかった
どこも悪くなくて、普通に元気。
先生も戸惑っちゃうくらい堂々とした仮病ぶり
家にいる時はまだ一応「気持ちが悪い」風を装っていたけれど、綺麗な受付のお姉さんたちや病院に来ている優しいご年配の方々にチヤホヤされ、それはもう元気いっぱいだった。
私の時代、学校を休むということは悪だった。
簡単には休めないし、簡単には早退できない。
華奢な子とかおとなしい子はまだ保健室で休ませてもらえている印象がある。
だけど、私は大変ふくよかだった。
そして、基本的にいつも元気だった。
そのせいか37度を超えていても体型のせいだと言われ、学校で体調が悪いといっても、本当に辛い子のために保健室はあると怒られたりして、早退も保健室で休むこともさせてもらえなかった記憶がある。
私にとって、学校をやすむことも早退も保健室に行くことも、ものすごくハードルが高いことだった。
最近の学校はそんなことはない
私自身、必要ならば休めばいいとおもっているし
眠いからとか教室に居たくないとか
様々な理由で保健室が使える
実際、息子はわかりやすい仮病で早退するし休む
(病気で休むと一切遊ぶことができないことにそろそろ気づきはじめている🤭)
娘は、一時期、保健室登校でお世話になったりしたし。やりたいことがあるからと学校を休んだりもする。
学校という存在が私の時代とまったく違うように感じた。
「私の時は別の意味で怖くて休めなかったよ」
◯ちゃんが肉料理の下拵えで鶏肉にたくさん穴を開けながら話す。
常に誰かをいじめている子がいて、日々ターゲットが変わっていく。学校を休むとクラスの情勢がわからなくなるから怖い。休んでいる間に自分がターゲットになっていることもあり得るから、這ってでも学校にいったと……可愛い顔がいう
え?怖い。
すごいね。そんなことある。
あるか、あるよね。
逆に、よく行ったよ。◯ちゃんがすげぇ。
時代によってなのか、学校によってなのか
ハードルが低いのか高いのか
良いのか悪いのか
何が何だかわからないけれど
私と◯ちゃんの共通意見としては
まぁ、どんなでも
なるようにしかならないよねと結論づけて
開店準備を急いだ。