ぼくとザ・ビートルズ#2

山川くんにコンピューター室でビートルズを薦められた次の日曜日、
ぼくは家の近くにあるパルコの8階にある、市立図書館[通称パルコ図書館]に足を運んでいた。
小学校も大学生の今も、あまり本(特に小説)を読まないぼくは、図書館に行き慣れてなかったので、CD置き場を30分も探してしまった。しかし、何故か、公立の図書館で本だけではなくCDも借りれるというのは自然と知っていた。
《ビートルズだっけ…》
情報の教科書のローマ字の打ち方表のところにメモした
びーとるず
の文字を何度も確認しながら
洋楽の札が突き出している図書館の棚を指で追っていた。
アニマルズ、アレサ・フランクリン、ビースティボーイズ、ビーチ・ボーイズ、何故かジョン・レノンのあとにお目当てのビートルズのCDが4枚並べてあった。
その時は、アンソロジー2、ウィズザ・ビートルズ、プリーズプリーズミー、ワンの4枚が並んでいた。
すかさず、ぼくは山川くんにパソコンで見せてもらったあのジャケットを探し当て、自分の脇に挟んだ。
そして、その頃いきものがかりと同じくらいハマっていたゆずのゆずYOUというアルバムも邦楽の棚から素早く抜き取って、貸出カウンターの列に並んだ。
正直、山川くんに言われたから持ってきたけど、実際に図書館に行くときには、ビートルズへの興味はなくなっていた。まず家に帰ったらゆずyouを聴こうとその時は思っていたと思う。
そして、無事に2枚CDを借りることができた。
家に帰って、早速、古いオンキヨーのCDと当時普及していたMD(CDのディスクを三分の一ほどに縮めたディスクがカラフルなプラスチックのケースに入ったもの)が再生出来るラジオチューナー付コンポに何故か気が変わったのか、ビートルズのCDを入れていた。

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