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中華屋にて

真っ白な息を
真っ暗な夜の道
二人で歩きながら
悴んだ指の先
なぞるのは
あかるい
未来の予感だ

それから
どこへ行こうか
なんて
話しながら
川沿いの道で
ぼくらは
寄り添うように
笑っている

通い慣れた
小さな中華屋で
いつも
きみは五目ラーメン
たまには
ぼくはチャーハン頼んで
店の隅にある
四角なテレビは
小さなあの子と
その友だちの
日常を映し出す

煙たい夜空の奥の星たち
静かなこのまちへ
優しい歌を届ける
そうだ
かがやきやときめき
そして 
ひらめきやアイデア
いつだって
日常の隙間に
隠れていることがある
ほら 湯気が立つ
きみの微笑み
冷めてしまわぬように
いただきます

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