なぜ介護士は医療職より偉いと思い込むのか?
医療職と福祉職、これら二つの職種は、それぞれが持つ役割と専門性によって、社会の中で異なる位置を占めています。
しかし、その立場の違いが、時として誤解や摩擦を生むこともあります。
医療職と福祉職の立場
私自身、理学療法士として働いている中で、「先生」と呼ばれることがあります。
一方で、介護士が「先生」と呼ばれることはほとんどありません。
これは、一般の人々が医療職と福祉職をどのように見ているかを示しています。
医療職と福祉職は対等ではありません。
しかし、福祉職は医療職と対等であるか、医療職より上の立場にあると考えたがる傾向があります。
私が福祉職として働いていたとき、私を含め他のスタッフも同じような考えを持っていました。
福祉職の誤解
あるとき、知的な障害を持つ利用者が骨折し、リハビリを必要とする事態が発生しました。
しかし、その利用者は病院に通うことができませんでした。
私たちは、ミーティングで
「リハビリのやり方だけ教えてくれれば良い。こっちでやるよ」
と考えました。
医者は患者を数分診るだけだし、医療職は次々に患者を診ていくだけで、患者との関係性や信頼関係を構築しているわけではないと考えていました。
一方、福祉職は、利用者と一日に数時間も関わり、数年単位で利用者との関係性を構築しています。
だからこそ、利用者のことを一番理解しているのは我々福祉職だと考えていました。
今考えれば、医療職を軽視した考えでした。
医療職がどれだけ勉強しているのか、当時は理解していませんでした。
福祉職の本質
福祉の仕事は、生活支援です。
食事や入浴、更衣など、普通の生活ができなくなった人々の日常を支えるのが仕事です。
逆に考えると、掃除したり風呂に入れたりといった、普段の生活の延長線上のことが仕事であるため、特別な知識や技術は基本的には必要ありません。
これが医療職と福祉職の決定的な違いです。
しかし、この違いを福祉職は理解していません。
その結果、前述のような傲慢な考えを持つことになっていました。
まとめ
医療職と福祉職は、それぞれが持つ役割と専門性によって、社会の中で異なる位置を占めています。
その違いを理解し、尊重することで、より良い連携と協力が生まれるはずです。
しかし現実は違います。
福祉職は、なぜか医療職と対等であると考えがちです。
医療職は、福祉職や介護職に対して、対等とは思っていませんし、正直、あまり興味がありません。
私も福祉の仕事についているときは、医療職に対するリスペクトはありませんでした。
自分が理学療法士になった今、どれだけ医療職が、自分のお金と休みの日を費やして勉強しているか分かります。
これは、福祉職には分からないところだと思います。
医療職と福祉職が理解し合える日が来るのは、なかなか難しいのかも知れません。
今回の記事は、あくまで私の経験と考えに基づいて書いています。
しかし、共感できる部分もあるのではないでしょうか?