先日の我が軍 第10節 リバプールvsブライトン (ホーム)
皆さんこんにちは!
先日のスペースを聞いてくださった皆様、大変ありがとうございました!主催のメゾンアンフィールドの兄貴、そしてミーティの兄貴のおかげで沢山の方に聞いていただけたようで大変嬉しい限りです。めちゃくちゃ楽しかった!
そのうちまた開催されると思うので、次もまた上手く潜入してやろうと思います…フフッ…。是非また聞きに来てくださいませ!
YouTuberやゲームストリーマーの配信で同接何万何十万という数字が踊る現代社会の片隅で、数十人という規模感でガッツリ幸せになれるこの𝓟𝓻𝓮𝓬𝓲𝓸𝓾𝓼な感度、ずっと大切にしていこうな……
それでは本編、いってみようか!今日もスタメン表は無しだ!
前半
ブライトンは4-2+GKのビルド。対して我が軍はヌニェスを前に出して4231ハイプレスでスタート。CFヌニェスは相手RCHからGKまで積極的にプレッシャーをかけ、トップ下ソボはRCHへ、RCHライアンは一時的にLCHを捕まえに行くなど、積極的な入りを見せた。入りの1発目こそ、そうしたプレスの勢いでブライトンにロングボールを蹴らせることはできたものの、以降45分はほぼ防戦一方となる。
ブライトンの勇気と半裸にされる我が軍
序盤数分でブライトンは4-2もしくは、CHのどちらかが2CB間に降りての5-1を使い分けるようになる。この際SBの2人は、後方ビルド隊として大外での選択肢になりつつも、我が軍WGの背後に空いた広大なスペースでの出口タスクもこなす。故にビルドの核となるのはGK,2CB,2CHの5人によって形成される1-2-2、もしくは1-3-1のユニット。
我が軍は変わらず4231でハイプレスを仕掛けようとするのだが、ブライトンは前述のユニットのバックラインメンバーが垂直だけでなく内側斜めなどに運ぶドリブルを仕掛け、それをマークし抑えたいヌニェスを引き連れ下げさせることに成功。またその時、2もしくは1にあたる中盤のメンバーが代わりに最終ラインに降り人数を補充。そこで運ぶドリブルをした選手は、待ち受けるソボを前に減速。反転してバックラインかGKにボールを返すか、近距離のCHに渡して後ろに返してもらうかして、以降こちらがハイプレスを諦めるか、数的不利を確認して応援に来るRWGサラーの裏がポッカリ空くか、ソボとヌニェスが2CHを消し切れなくなるまでこれを繰り返していた。
そして少しでもCHがソボスライの脇や背後で浮けば、そこへ意地でも差し込むし、受けた選手も見事に一発で前を向く。また3バック状態では我が軍CF&トップ下が追い切れなくなれば、GKやバックラインが余裕を持って我が軍WG裏にある広大なスペースに進出するLBエストゥピニャンにフィードを送るか(RBフェルトマンはどちらかと言えば後方ビルドを助ける意図が強め)、あるいはRHS辺りで降りてきているリュテルに差し込む等(この時RSHカディオールが中に入ってきてリンクすることも多め)、全方向で我が軍の守備を看破しひっくり返しまくっていた。
また回数自体はそこまで多くなかったが、ブライトンの出口タスクLBに加え、LWG三苫と2Tの一角であるウェルベックが同時に降りリンクすることで、我が軍右サイドの守備隊がほぼ釣り出されるという激ヤバな状態も何度か見られた。
ソボスライの身振り手振りを見るに、ヌニェスにはもっと丁寧にCHを消した上でプレスするように求め、後方メンバーにはもっと着いてくるよう要求していたように見えたので、ハイプレスをベースの守備戦術に採用していたのは間違いないはずだ。しかし前述の位置的、更に数的にも不利である前線守備、確実に空くことが分かっているエストゥピニャン、2CHをフィジカルで大きく上回る2Tのキープ力、トレントvs三苫のバトルをサポートするメンバーを用意できなくなる懸念(結果ここはなんか知らんけど対人能力が急激に上がったトレントがだいぶ耐えてた)、等々様々な要素が見え着いて行くことが難しかったのではないかと思われる。
ということで、ほぼ全盤面で半裸である。
昨シーズンはカイセド&マッカの引き抜きの影響で、2CHに差し込む際の事故が多発していた印象のあるブライトンだが、この試合で先発したヒンシェルウッドとアヤリのコンビはレシーブ性能に優れ、そういった事故もほぼ無くプランを完遂。
明確な保持からは前述した通りだが、我が軍のポジトラ終了直後でもこの2CHを信頼し切った縦パスの差し込みは積極的に活用し事実効いていて(我が軍ネガトラ時の穴をそれで突いていた)、前半彼らの圧倒的攻勢のベースにあったのは、丁寧な運びとターン、狭い所にでも差し込む勇気と信頼の維持、それを可能にする2CHのキャラクターだったように見えた。
我が軍の保持の不可解さとサイドに押し込みたいブライトン
結論から言うと、この試合前半の我が軍の保持の形は、いつもと違いかなり不安定で、色々試した結果テンポの管理がまるで上手くいかなかった印象。
初期から中盤辺りまでは4-1+LIH位置にマッカ、トップ下位置にソボという左右非対称な形がベース。恐らくこれはRBトレンドをRIH位置に入れての3-1-5-1的な形を作っての保持を目指したからと思われ、事実それを形成した瞬間はあったが、多くの場合はプレスではめられていた。形としては、ブライトンの442プレスでまずはLCHでライアンを、RCHでマッカをマーク、前線はこちらの左サイドに誘導する形でプレスを始める。誘導が成功すると、マッカを逆サイドのLCHが、ライン間のソボはRCHが隠し、ボールホルダーのツィミカスにはRSH、更に2Tが後ろに戻す選択を封じるといった形で左サイドに押し込まれ窒息するケースが多発。
しばらくすると今度はマッカを相手中盤ライン手前左大外にガッツリ開かせる形を開始。こうすることで、元々ツィミカスをマークする係(正確には、元々初期位置でマッカとツィミカスの間に立ちアプローチに行ける状態だったし、誘導が成功するまでは隠してることが多かった)だったカディオールを、左に誘導された後もマッカの位置を気にして押し下げ、ツィミカスに時間とスペースを与えることに成功していた。ここから画面外で裏に抜け出すガクポにパスを通したりと前進に成功したケースもあったし、選択肢を見せることで相手を押し下げ、やや押し込むこともできていた。私としてはこの状態からじっくりと保持を探って欲しかったのだが、やや押し込んでからライン間を取っても急ぎすぎてしまうといったシーンも見られた。
また相手のプレス誘導中に、ソボが開いたマッカとライアンの間に降りるアクションを何度か見せるも、降りるタイミングが早すぎてむしろ相手LCHの押し上げを誘発、相手のプレススイッチを入れることにつながっているケース等、有効にこの状況を使うことなく自爆する事が多かったように思う。
先日のアーセナル戦感想にも「スロットリバプールは前半途中に相手の構造に適応、変化できないことが多い」と書いたが、この試合では適応、変化の初期段階は見せても、変化による優位性を全員で共有することができず完遂できないシーンが多数あった。
だとすると少し進歩したように見えなくもないが、これらの変化がチーム一丸となって行ったものなのか、マッカの個人戦術に即興的に呼応したものなのかは外から判断しにくいし、守備面での劣勢にほぼ手当てができなかったことを考えれば、後者と考える方がむしろ妥当なのではとも思う。ここら辺は継続して見ていきたいところ。
後半
息を吹き返した我が軍に起こった変化とは?
後半開始から我が軍は、トレントをRCH、マッカをライン間LHSに置く3-2-5というか、ツィミカスはLHVと言うよりLB然とした位置取り、タスクの時間が多く、左重心の2-3-5のような形に移行。この移行、リアタイ時では後方の数的優位形成による効果が大きそうかなー?くらいにしか思っていなかったし、配信でもそれくらいの語りに終始してしまったが、見直してみるとかなり興味深かった。
以下重要だったと感じる左サイドで起こった変化と、守備構造の変化も合わせて紹介する。
①アタッカー陣の前線張り付きと、マッカのライン間専任化
前半はどちらかというと相手バックライン手前で受けようとする意識が強かったヌニェスとガクポだが、後半開始から明らかにバックライン際に張り付くことが多くなる。ヌニェスはRCBの裏へ斜めに走るアクションが増加し、ガクポは大外でRBに正対するような形でスタートし、裏でも足元でもボールを貰えるような体勢を作る。そしてこの2人への大きめのボールが増え(後述するが、このボールの多くがツィミカスから)、これによって相手バックラインは下がって対応せざるを得なくなる。
ちなみにここで地味にポイントなのが、ヌニェスの裏抜けのタイミングが良くなっていること。水を得た魚、鬼に金棒、裏抜けのタイミングを教え込まれたヌニェス、であり、昨年まではリプレイを見ると2,3馬身は余裕でぶっちぎりオフサイドの判定を受けていたあの男の姿はもう無い。それはそれで寂しくはあるのだが、まぁ前半何度も見たようにライン間ではまだ可愛さは残っているし、画面内で可愛さを感じられるようになった分、これまでより推し活が捗るとも言えるかもしれない(尚そのライン間で受ける位置とタイミングも明確に良くなっている)。
またマッカがLHSライン間高めを取っているのは、相手RCBの意識を釣りヌニェスの裏抜けのためのスペースを与えることと、マッカ自身が直接受けるケースを未然に防ぐためRCHが位置を下げることを狙うためと思われ、これは実際そうなっていた。
また、相手後方の面々を下げさせる意図が増加したことにより、前半よりネガトラが高い位置で発生することになる。
②ツィミカスの駆け上がりを利用した更なる相手ブロックの押し下げ
LHVというよりはあくまでLB的な動きが多く、なんなら前半と比較しても駆け上がる回数が明確に増加。
その効果だが、①で書いた相手後方面々の押し下げに加え、ツィミカスが駆け上がることで相手RSHを押し下げることに成功。マッカ(交代後はカーティス)の高め位置進出も相まって相手右サイドをガッツリと押し下げ、ライアンの左サイド進出も加わり、押し込み局面への移行が容易になった。ちなみに出し手としてもガクポやヌニェスに良いパスを何度か出していた。
押し込み局面への移行後は彼がまたオーバーラップ、またはアンダーラップからチャンネルランをすることで、ガクポにカットインをするスペースを創出。押し込み局面で膠着する前に攻め切る鍵ともなっていた。
また、ネガトラのフィルターが厚くなっていたことも見逃せない。マッカのLHS高め進出、ツィミカスの駆け上がり、ライアン+トレントの左サイド注力により、我が軍左サイド中盤が厚くなったことで、ネガトラのフィルターが明確に厚くなり、保持+ネガトラで制圧力が格段に向上。
例え前述した左サイドのロングボールが相手バックラインに跳ね返されても、ツィミカスとライアン、トレントの3人でそう広くないスペースをカバーすれば良いので、気持ちよくボールと人に食いつけるし、なんならマッカのプレスバックもありまっせ!後ろにはダイクとゴメス(マジでキャリアハイだったのでは?というレベルのわけわからんクオリティ)も待ってるぜ!という寸法だ。
そんな感じで後半の陰の立役者となったツィミカスだが、これは今年の「この覚醒がスゴい 2024」ノミネートも十分ありえるかもしれない。
③ヌニェスくん、ちょっとすぐ飛び出すのやめよか
後半、我が軍は4231で早期にプレスをかけるというよりは、4-2-2-2的にセットし、2CHをしっかりと消してからGKにプレスをかけに行く形に移行。
前半は最速でGKまで行くぜウオオオオオと飛び出していたヌニェスくんだが、後半はそれはそれは丁寧にLCHを消してからプレスをかけに行くようになった。
またしてもその健気で幼気な姿に「ヌニェス…可愛いよヌニェス…」と言いたくなるところだが、なにやらGKがボールを持ち直してどちら方向に蹴れるかを見てからプレスに行き、大きく蹴らせてるっぽい仕草が何度か確認でき、私は戦慄した。大事件だろ。
やめて!そんな機能的で小賢しいことしないで!いつまでもプレスを空転させ続けてよ!
そんなこんなでネガトラと守備局面でも制圧できる割合が格段に増える。
以上3つの改善によって、試合全体で良いサイクルを生み出し逆転を演じることとなった。1点目に関しては、左の密集によって空いた右サイドでディアスが見事に降りてきたことが起点となった押し込みから、②のツィミカスの駆け上がり→ガクポのカットインからのゴール。2点目に関しては直接関係無かったものの、試合のテンポのコントロールが遠因となったと思うので、やはり効果は大きかったはず。ほんで最高でしたねサラーのゴール!
ちなみに逆転後少し落ち着いてテンポを落としてからは、ケレハーにボールを渡しじっくりと引きつける動きが顕著となる時間帯もあったのだが、何故か知らんが、「まだまだゴールが欲しくてたまらない前線の皆さん」と「ゴール方向へゆっくりとドリブルするトレント」「めちゃくちゃ得点チャンスが舞い込んでくるゴメス」という、マジでよく見るヤツとマジで見たことのないやつが混在したワーワー展開も披露。まぁまぁ危ないシーンもいくつかあったんだけど、あれはなんだったのか。
しかし何とか守り切り試合終了!
アーセナルとシティが負け、我が軍は逆転勝ち、スペースもめっちゃ楽しい最高の夜となった。
ほな最初からやれや!!
である。
スロットが素晴らしい対策屋としての腕があり、例え前半がどれだけしんどくとも、後半になればクールでクリティカルな対策で攻勢に転じられることはファンの間でも既にお馴染みとなっている。
いや!ほな!最初から!対策しい!?
である。思わず私の中に眠る存在しない関西人としての記憶が呼び覚まされてしまうほどに、ここだけが不思議なのだ。
アーセナル戦もそうだったが、最近じゃんけんの初手で負けすぎじゃん?という話で、この試合でも前半で複数得点差つけられていた可能性は十分あった。
最初から相手を分析して予想できる範囲で対策してよ…。頼むよ…。
いやアーセナル戦と違ってプレスをかける意図があったので、もしかするとなんか分析結果との齟齬があったのかもしれないけどさ…。
以上、ブライトン戦の感想だぜ!また読んでくれよな!じゃ!