先日の我が軍 第8節 チェルシー戦(ホーム)
自分…noteやれます!!やらせてください!!
初回はチェルシー戦の感想からいかせてもらいますぜ。上手いこと情報の取捨選択ができなかったことに加え、最近の論争?に対する恨み節まで書いたら、図無しのストロングスタイルで5000字超の大ボリュームとなってしまいました。次回からはもう少し華奢な記事を心がけますので、今回ばかりはご容赦ください。
それではいってみよう!!
スタメン
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我が軍はイツメンであるマッカとディアスの代わりにカーティスとガクポがスタメン。
今シーズン明らかに成長しているガクポはともかく、2CHに高いターン性能と認知力、更に素早くボールを逃がすスキルを要求される今季のスタイルにおいて核であるマッカを欠き、キープ力は大天才だけど、パスのタイミングがあまりに自分本位すぎやしませんか!?でお馴染みのカーティスが先発。それに守備だって3列目としてはどうなんざましょ…という心配が漂う中、いざキックオフ!
前半
【両者の守備の違いによるポゼッションの行方】
結論から言うと、トランジション局面が多めではあるものの、ポゼッションの上ではチェルシーが優位な展開となった。理由は両者の守備の構造の違いにあると思われる。
チェルシーの保持は4231からLBギュストのLシャドーへの移動、パーマーのRシャドーからなる325、ここから更にLHV役のコルウィルがLB位置まで開き、GKをバックラインに組み込む425とも言える形の2種で保持を進める。対して我が軍の守備はいつもの424の形。2T(2トップ)で相手2CHを隠しつつ、WGは2Tと横並びからスタートし、高い位置で張っているWGをざっくり消すミドルブロックをベースに、時折外切りプレスでHVに圧力をかけるぜという狙い。しかしいざ外切りプレスを発動してみても、HV→CB(3バックの真ん中)とシンプルに横に渡されるとそれ以上は連携して追うことはほぼ無く、よってチェルシーのバックラインは余裕を持って前線や中盤のメンバーが浮くタイミングを見計らってパスを差し込むこともできていた。
ではチェルシーの守備はというと、こちらのバックラインと2CHにはかなりハッキリと人を捕まえる、マンツー色の強いプレスを発動。こちらがトレントを高い位置に送ろうがLWGサンチョは原則着いて行っていたし、降りて出口になろうとするソボにもバックラインからCBが捕まえに来るなど、かなり徹底してクリーンな前進と、浮き球を使わない順繰りに外す種の擬似カウンターを阻んでいた。
つまりチェルシーの方が高い位置からプレスを志向しボールを奪う意識が高く、我が軍は深い位置への侵入を許す守備体系であったため、保持はチェルシーに流れたという形。
【実質的に戦局を左右した攻守の要素】
ここまで説明すると、我が軍が防戦一方だったかのように思えてくるが、実際はそういうわけでもない。
守備だけ見ても、原則後手であった前線守備にしても、ジョタ-ソボのコンビの間は2CHを近い距離で背中で隠して直接ボールを受けるのを阻害できていたし、なんなら良い位置でのパスカットできているシーンすらあった。更に2Tと外切りWGの間を通されても、その先で待ち受けるシャドーを捕まえ消す役割を与えられていたCH、特にカーティスは素晴らしい出来だった。
そしてこの試合でも、今季の守備の要である2Tのプレスバックは健在。ソボは元より素晴らしいが、今日はCHが相手WG対応のサポートに出張するシーンで、そのままではフリーになってしまう相手シャドーをケアする役もタフにこなし(逆サイドではガクポも同種の頑張りを見せていた)、ジョタに替わって入ったヌニェスも(試合前に何かキメた?)と言わんばかりに元気溌剌。素晴らしいタイミングでの背後からのタックルで何度も相手の保持局面を狂わせていた。
また地味ではあるが、チェルシーの我が軍バックライン手前に落ちるロングボールに関してはこちらが概ね勝てていたことも大きかった。相手が間延びした状態のポジトラがいくつか発生していたのも大きかった。
こうした守備の細々とした要素によって流れてくる種々のポジトラ局面や保持局面で、全盛期と遜色ないほどのキレがあった本日のキーマンであるサラーが並外れたキープ力とチャンスメイクでチェルシーの3-2脇で躍動。受け手としても出し手としても盤面を裏返し続けた。あとはヌニェスがサラーの下に入り込んで縦軸で重なるようにして相手の迎撃をいなす早い攻撃や、比較的高い位置でのポジトラ発生時の2Tのライン間レシーブからの素早いアタックなど、攻撃も多様な形で効いていて、属人的要因が多くはあるがポゼッションの低さが大きな障害にはなっていなかった。そして、デタラメなキープ力での外し、マンマークで着いてくるカイセドをサイドに連れてこようとしながら交わしつつ中央のスペースを作る動き、2Tの降りと交換するような形で最終的に前方で浮いてサラーと絡むなど、多くの攻撃に関与していたカーティスは印象的だった。
我が軍がしっかりとキツかったのは主に以下2点。
こちらのスピーディーなカウンター失敗直後のチェルシーが地上から繋ぐことを選んだ時。前述の通り守備局面において深い位置まで戻る守備タスクを課されているソボは、ポジトラにおいてはカウンター発動前の自陣パス回しの一員や横パスの受け手を担うこともあるので、カウンター発動直後1発目のロングパスが失敗して相手にボールが渡ると、上述したミドルブロックにおける初期位置に居ないことも多い。この例を筆頭に、こちらの守備陣系の初期配置のズレを見逃さなかったのがラヴィア(カイセドも凄かったけど)。即座に隙間を見つけボールを受け最小限の動きで反転、左サイド深くで準備しているサンチョやギュストに素早く精確なボールを送りこちらの間延びした陣形を突くなど、1人だけレベルの違うプレーを見せていた。これらのシーンでサンチョが大した脅威にならなかったこと、ゾーン3でのユニットアタックが伸び代だらけなクオリティだったのは我が軍にとってはラッキーだった。
マドゥエケvsロボのところ。少し前までは対人能力が非常に高かったロボだが、私のガバガバ記憶力が正しければ昨シーズン辺りから地味にその能力に陰りが見えており、なんかいつの間にか単騎でどうにかするヂカラが高まっているマドゥエケには明確に遅れを取っていた。余談だが、このバトルとRCHカイセドのブロック内侵入によって左サイドが押し下げられ、そこのブロック前に前進してくるRHV役のRJがフリーな状態からクロスを上げるシーンがあったが、主なターゲットになっていたのがジャクソンとギュストとは言え、彼のクロスの質を考えるとこの構造を許容して良かったのかは疑問が残る。
後半
【両者の変更による更なるハイテンポ化】
後半から我が軍の守備配置は424から4231に近い形の時間が多くなり、1トップのヌニェスがバックラインを猛スピードで追い回し、背後の面々はそれによって選択肢が限定されたと見れば人基準に捕まえに行くぞ!というマンツーマンプレス寄りの守備に移行。特にトップ下とボールサイドのCHの変化は顕著で、相手シャドーのマークを捨ててでも近くのCHを捕まえに行く、つまりは相手バックラインの面々から時間を奪い、長短どちらにせよ、早くボールを前に蹴らせる方針に振ることに。
この変更の意図は前半の項で書いた、チェルシーのロングボールが少しでも短くなればこちらのバックラインが大体勝ってクリーンなヘディングで繋げていることや、ハイテンポな状態での不完全なパスなら潰せること、絶好調な前線がポジトラで何とかしてくれる公算が高いこと(人数的にも相対的な配置的にも3-2に対してCHを加えた5枚の同数で優位に振る舞える)を踏まえたもので、なら試合のテンポを上げてサイクルの回数を増やせばより優勢になるよね!という合理的な狙いから来るものと推測できる。
チェルシーはシャドーの2人が開きつつ降りて顔を出すよう微調整。これにより要注意人物であるパーマーを気にするカーティスがややブロックから釣り出され気味になる。逆サイドではギュストが開こうが降りようがライアンはあまり気にせず、この変化に由来した定位置からの移動は見て取れなかった。この両者の守備対応の違いがどこから来るのかはちょっと分からないが、結果として我が軍2CH間は広がり、そこからトップ下ソボ背後までの広大なスペースができ、そこにラヴィアとカイセドが侵入。ここがチェルシーの同点弾の起点となってしまった。
そしてこれらの両者の変化と微調整がもたらした試合のハイテンポ化とトランジションの増加の恩恵をより大きく受けたのは我が軍。狙い通りチャンスは増加したし、こちらの2点目はスローインを起点とした保持からのものだったが、もう少し遡るとチェルシー側がFKでかなり安易に雑なロングボールを蹴り我が軍のバックラインが跳ね返したとこから始まっていた。流石に無理やり結びつけ過ぎかもしれないが、あのFKの判断もハイテンポ化によって急いで蹴ってしまった感もちょっとはあったようにも見えた。
無論、こちらのプレスは丁寧さよりもスピードを重視したものだからチェルシーが盤面をひっくり返すシーンもそれなりにあったし、私を筆頭にリバプール組のクラスの皆で舐め切っていたネトのカットイン等からの危険なシーンもあった。
しかし交代選手が入ってきても大局的な我が軍の優位は変わらず、そのまま試合終了。
【スロットの手腕】
何やら昨今、本邦リバプール界隈では「スロットよりクロップの方が凄い!」「いいやスロットの方が凄いもん!」という何を基準になんの優劣をつけたがっているのかもわからん論争が繰り広げられていたり(そもそも大好きなクラブの偉大過ぎるレジェンドと、我が軍の現在と未来を託され順調に結果を残している素晴らしい監督を比べ優劣をつける意味って何…?という話もある)、「スロットはクロップの遺産を享受してるだけで〜」なる、ほぼ嘘のトンデモ意見が垂れ流されているそうだが(私はどちらも見たことがない)、ここでは今シーズンの試合を通して見えてきた何個もあるスロットの良さを、この試合で見えたものを抜粋して紹介したい。
現代サッカーにおける攻撃面での合理性とは、全てポゼッションの中で行われるゆっくりとした攻撃の中にあるように語る人も少なくない中、この試合の後半行った変更のように、様々なスピード感の攻守のアイディアを用いた、4局面を横断したコーディネートで試合の手綱を握れるのが、我らがスロット監督の特筆すべき点だと私は考えている。この試合ではテンポを上げることで手綱を握り返したし、ゆっくりとプレーすることで攻勢に転じた試合も今シーズン既に確認できている。
クロップ期のカウンターの鋭さが残っていて〜というのはそうだが、カウンターに至るまでの流れの多様化とカウンター自体のメカニズムの変化、そこに内包された急速な個人戦術の積み上げも無視するのは、スロットもそうだが選手個人の頑張りを過小評価することにも繋がる。さすがにそれはウゲーってなっちゃうなと。
【サラー要らないってマジ?】
これに関しては我がTLでもチラッと見かけたので強火で書かせていただきたい。高年俸要求連中の契約延長の優先順位の兼ね合いで"結果として"放出されるのは仕方がない、という論はもちろん理解できるが、「サラー要らない」「○○獲ってサラーは放出しろ」などと強い表現で過去7年に渡って攻撃の核を担ってきた紛うことなき大レジェンド様を追い出して然るべきと言わんばかりに主張する『冷徹で理屈っぽい俺…』君が多数居ることは残念でならない。この試合を除いても、今季のいくつかの試合では前進の主役として活躍していたし、また単純に快速で背負いながらのキープ力が化け物、その上立派なスコアラーなんていうステータスの左利きRWG(最近は長めのパスや大外からのチャンスメイクもやらせてもうてます)の代わりってそんな簡単に見つかるんですかね。スロットなら違うキャラクターをハメても形にするでしょうという期待感はあるものの、長年WGの得点力に頼ってきた我が軍がそこから簡単に抜け出せると考えるのもあまりに楽観的過ぎるのではないだろうか。
【noteの更新方針】
ふふふ…ここまで辛抱して辿り着いたのか…やるじゃないか…
ここでは
・リバプールの試合のまとめや、戦術的重要事について
・最近触れたおすすめコンテンツ紹介
・義憤と自分語り
を三本柱としてやっていきたいと思っていますので、是非読んでくだせえ!じゃ!また!