先日の我が軍 第20節 リバプールvsマンチェスター・ユナイテッド戦

最近の調子考えたら余裕っしょ!!とニコニコしながら画面の前に座ったはいいものの、結果として年末年始連休のクライマックスにドデカいモヤモヤを抱えさせられたリバプールファンの皆様、こんばんは。
週明けの陰鬱な仕事と共にTwitter上で幕を開けた「トレントどうすんねん問題」をめぐってのいざこざも加わり、スマホを眺める目がさぞ細く渋くなっていることでしょう。

本日はそんなユナイテッド戦の振り返りだ!目をかっぴらいて読んでくれ!
それではいってみよう!



スタメン

分かりやすく433ってことでもない。マッカが2CHに入っての4231との兼用的な感じだと思って頂ければ。

【前半】攻め切れなかった要因は?


541気味で構え、ライアンとサポートで降りてくるマッカを2CHで捕まえ、CFとRSHの2人でロボ、ダイク側から圧力をかけるプレスを時折見せるユナイテッドに対し、我が軍は基本は4-1,4-2(と私は表記したくなる形)で保持。
トレントはインサイド寄り且つ高めに立つことも多く(しかししっかりとレシーバーって感じではないので、あくまで後方隊というか別のなにかに見えてしまう)、前線メンバーの+1的な役回りも時々こなしていた。この時の後方ビルドは3-1,3-2っぽい形。

リアタイ時の印象と違ったのは、思ったよりもバックラインでボールをじっくりと持ってしっかり見てから配球する素振りを見せていたこと。主にバックラインで配給役を担っていたコナテ、ダイク、ロボは三者共にそれなりのゆっくり志向を維持していたし、時には突っ立ってボールを持って前線の様子を伺っていたりもした。
ではなぜ攻めきれなかったかというところだが、

ここ2試合で得た手応えからか裏へのアクションが非常に少なく、ひとつの狙いに固執してしまったこと
②ひとえに相手が強度の高い541を敷き、それが我が軍の意図と複数の局面で噛み合ったから


シンプルにこの2点が大きかったように思う。
詳しく話していこう。

その前におさらいをしておくと、解消した2試合の我が軍では、

・ゾーン1の人数を増やし後方を重くして釣り出す意図の強化と、その際早い段階で可変を行い、その可変ごとに前進からフィニッシュまでが設定された、ゾーン1から流れるように行われるアタック(これについてはこちらを参考に→(https://x.com/norigon11_YNWA/status/1872534957153010102?t=Gya5-iASJcym73mEpHRYqg&s=19))

・ディアスとマッカの入れ替え乃至、中央とLHS(左ハーフスペース)で行われるポジショニング面の連携

といったものが核にあり、これがめちゃくちゃ上手くいっていたという前提がある。


この試合でも4-1、4-2的な後ろ重め(つまり前線人数少なめ)のビルドでスタート。しかし5バックで構えるユナイテッドに対し、前方のどこに差し込んでも同数か数的不利の上、いざ差し込んでみても、数的優位のユナイテッドバックラインの面々が物凄い勢いで迎撃をしてくる。最近のディアスやカーティスなら独力でキープし、なんなら反転できたはずのエリアで跳ね返されてしまうわけだ。
また、レスター戦から続く上記の文脈において重要な役割を果たしていた両WGも、対面のWBの早くて速いプレッシャーに大苦戦。サラーはダロト相手にイエローカード誘発の化け物キープを見せていたものの、メインの前進経路になれるほどの活躍はできなかった。
逆サイドのガクポはより顕著で、確かに素晴らしいゴールを決めはしたものの、5バック故の広く構えた状態のバックラインからエンドラインに対し垂直方向(ガクポよりタッチラインに近いとこから来る、と言った方が正確にイメージしやすいかも)で襲いかかってくるプレスで前方向&ゴール方向のドリブルを塞がれ、中央方向に押し込められ戻ってきた2CHに突っかけられるなどのシーンが散見された。

また、ユナイテッドがどこまで意図的であったか分からないが、彼らは時折発動する前の4-1のとこで行うプレスが外れる、もしくは一定の機能を見せると、割と簡単に最終ラインが引いてしまうことで背後のスペースを狭くしていた。これも我が軍がロングボールをあまり使わなかった要因かと思われる。
ちなみに、リアタイ時に押し込むのが早く見えたのも恐らくこれが原因だと思う。

しかしこの時のユナイテッドは、バックラインは潔く引くし、2CHは直前のライアン&マッカのマークタスクの名残りで前の方に居り、ライン間が広がっていることも多かった(少ししたら今度はがっちりとリトリートするんだけど、それも堅い)。
それに合わせて、序盤リサマルの迎撃に苦戦していたカーティスの受ける位置が少し手前になり(つまりリサマルの迎撃距離が長くなる)、また彼へのサポートの多様化(トレントやライアン、時にはサラー)、更に彼への主な出し手であるコナテとのタイミングが合い始めていたことなど、ユニットの好循環が生まれ始めていた。なのでここをもう少し徹底的に突けていればこんなに苦労はしなかったのかなーとも思う。
ここをピックアップしたのにはもうひとつ理由があって、それはここ最近のクオリティバッキバキのマッカが、これまた文脈通りディアスの空けたスペースに侵入する意識が強くなっているから。それの延長として、右サイドでの作りからのチャンスにおいてはフィニッシュ要員としてペナ内に飛び込むことも多く、事実この試合でも右サイド裏に抜け出しシュート、見事チャンスにフィニッシャーとして関わるシーンもあった(後半のPK獲得もそう)。
つまり左の作りからのアタックと比べると、フィニッシュ要員を厚くすることができるというのが、カーティスを中心とした右サイドのユニット攻撃の重要なポイント。

しかしそんな願いも叶わず。それならばバックラインが気持ちよく迎撃に来れぬよう、裏への展開を増やすのな定石なのだが、我が軍は直近2試合の快勝の核であった相手バックライン手前での工夫に終始してしまった。
そもそもやりたいことの原型はある程度体現できているから状況が悪いという認識ではなかったと思うし(少し精度を高めれば…みたいな感じだったのではないかと推測)、直近で上手くいっていたことを意識してしまうのは人間の性。またそれらのプレーの質でヌニェス、ジョタを上回るセンスを見せていたディアスをCFで先発させたということからしても、それがスロットの思惑でもあっただろうと思う。こればっかりは、ユナイテッドの守備陣が我が軍の工夫のクオリティとスロットの思惑を上回る強度と潔さを賞賛するしかないのではないかと思う。
別に打つ手なしってわけでもないけど、経緯を考えると難しいだろうなっちゅう感じ。

ちなみに強度で苦戦したのはボジティブトランジションでも同様。
いつもなら通りそうなパスにもユナイテッドの面々の足や頭が届くし、収めて欲しいシーンでもウガルテを筆頭に激しく対応されロストしたり勢いを削がれてしまっていた。これによりトランジションで乱れた相手バックラインを強襲するいつもの波状攻撃がいつもより少なく、有利な状況の押し込みが得られなかった。

そしてトランジション展開でロストすると、即座にゴールから遠ざかるように走り限りなく奥でボールを引き出すホイルンドの地味偉すぎムーブや、サイドで奥行きを作るべく献身的に走りサポートをし続けるWBによって、我が軍は一々自陣まで戻らされることが多かった(ちなみに噛み合わせ上、トランジション時のWBへの対応を誰がすべきかというのが定まりづらいのもこのシークエンスの肝だったように思うが、アモリムがどこまで事前に計算していたのかはわからん。)

これが苦労した要因だったように思える(守備面での苦労もあったが、前半はそこまで試合に影響していないように見えた)。
もしかするともう少し、やりたいことが全くできてません!😭という状態ならアッサリやり方を変えれたりもしたのかもしれない。上手くいってない度が絶妙過ぎた。ヌル~って上手くいかなかった。

【後半】主体的に試合を作れないしんどさ


後半開始早々、ユナイテッドがセットプレーをキッカケに押し込む素振りを見せてくる。こちらのカウンターも未だ高い強度を維持するバックラインにカットされ、我が軍はクリーンに自陣から出ることができなくなる。よって、押し込まれるorトランジション展開という、前半とは全く異なる展開となる。

前半の思惑が外れたことと、後半早々のこの展開を考慮し、スロットは直線的に裏を取る能力とディアスと比較すれば単純なロングボールの競り合いに長けたヌニェスを投入するという決断に至ったのだと思う。ちなみにこれに関しては私は今でも妥当な判断だと思っている。

また後半のユナイテッドは、後ろでの保持を安定させつつ、コナテ周りに焦点を絞ってロングボールを供給。これはコナテが穴と見られたわけではなく、CBが競り合ったらSBは下がってカバーするという原則的プレーを怠りがちで、視野が切れた(そもそも体の向きにこだわれば視野を切る必要が無いシーンもそれなりにありそうにも見える)後の切り替えが遅いトレントの癖と、カーティスと比較すると前寄りのポジショニングをすることの多いジョタの性質を利用したものと思われる。
そして結局ここを狙われ続け、コナテが動かされた上にセカンドボールも拾われ、崩れたバックラインの我が軍から見て右を貫かれ、2失点目に至る。

後半はこのような感じで、ユナイテッドがセットプレーとロングボールをキッカケに押し込む→我が軍がボールを奪取してポジトラで第1関門を越えれば少人数カウンター(ロングボールとセットプレー直後なので中盤は出ていきにくい)から相手陣内深い位置での保持、越えられなければまた自軍で耐える→最初に戻る……という、どっちかが深めに押し込むか、トランジションかという展開の繰り返しとなった。

プレスや押し上げ等、持ち前の守備からペースを握り返せればベストではあったが、これまたカウンター時と同様、ロングボールをクリアしても前線の押し上げに中盤が加われず、それを見た前線の押し上げも弱まる。そうするとユナイテッドとしてもロングボール以外、例えば噛み合わせ上優位なWBにつける等のクリーンな前進を探ったりもできるようになり、我が軍としては主体的な試合運びができない負のスパイラルに陥っていた。
ユナイテッドのロングボールを落とす位置のこだわり方もこれまた憎たらしかったし、復帰直後のコナテに「もっとロングボールに圧勝して!」と言うのは酷だと思うので、どこかで割り切ってゾーン2あたりからスピード重視のプレスを敢行したりする、能動的にテンポを作るための戦略レベルの方策は何かしら必要だったように見えた。


戦況は前半より悪化したと思うが、前線のクオリティの差を考えればこの大味な展開だって悪くはなかっただろうし、なんならアンコントローラブルな展開はサラーを中心に得意としているはず。
結局はユナイテッドのバックライン(途中から入ってきたヨロも重要なシーンで奮闘していた)の強度の高さに計算を狂わされた、という側面が色濃いように見えた。

ヌニェスの話

ヌニェスに関しては、彼のパフォーマンス自体がどうこうというより、使い方が定まっていないことが気になった。シーズン序盤だったかに見られたサラーに繋げるための潰れ役としての連係(この試合でのホイルンド&ガルナチョorダロトみたいなやつ)にこだわるとか、もう少し明確なタスクを与えるべきだったと思う。
守備においても同様で、あんな猛犬みたいなに見えて自らプレスのスイッチを入れるみたいなことは苦手な代わりに、明確に与えられた守備タスクはファンも引いてしまうほどガンギマリで遂行するマフィアのイカれた舎弟タイプの彼には、チャカ渡して「ユナイテッド組のタマ取ってこい」とかそういう組長からの明確な命令が必要なのだ。


トレントよ…

さすがに触れないわけにはいかない。
三笘やドクやグリーリッシュやマルティネッリ相手にならいざ知らず、ダロトにホイルンドという全くそれをウリにしてない人に大外で気持ちよくブチ抜かれるわ、前述のカバーリング意識がガバガバだわ、お馴染みの中央方向中途半端球足キック(必殺技であり逆必殺技でもある)で自陣ネガトラを演出するわ、自らが原因のロストの直後にダラダラ守備で失点に直接関与するわで盛大に逆噴射。

見事ダイクから怒声に加えてあの呆れ切った睨みまで頂戴するなど、散々な出来であった。
契約延長交渉で揺れるこの最悪のタイミングで最悪のプレーをしちゃうのも持ってねぇな〜!という感じ。
ちなみに私の中でのワーストのプレーは、逆必殺技から先制点を奪われてすぐ、今度は左足で同様のパスをしたあれ。致命傷にはならなかったものの、さすがに心の中で(か、替えて!!!!)と叫んだ。


【まとめ】

いつの日も、重要なポイントで強度を上回られる状態が続くのは厳しい。それでいてトータルでは別に全く負けていなかったというのが今回のケースの難しいところで、逆にそういう時に何かを変えて失敗すれば「一貫性の無い采配が良くなかった」と言われたりもするだろう。
何度も書いている通り、今回は経緯的にこだわってしまうのも仕方ない感じもしたが、結局はライン間の工夫も、バックラインを乱すための早くて大きなアタックも、押し込んでからのゆっくりアタックも、全部できなきゃいけない。守備に関しても同じで、ゾーン3でのハイプレスも、ミドルブロックも、リトリートも、押し込まれてからの押し上げプレスも、全部できなきゃならんということに尽きる。
それはそれぞれの局面で相手を上回る戦術レベルでの話でももちろんそうだが、能動的に試合を作る強い手札を沢山持つため、つまり戦略レベルでも必要だということだ。

ちなみに執筆中の次の記事も今週中に上がる予定なのでぜひ読んでね!
俺は、この穏やかなTLに火をくべることにした…。

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