詩「穴」
心の端っこに空いた穴をセロハンテープで塞ぐ
世の中は簡単な物で溢れている
面倒くさがりな僕は手近な物で対応する
(遠ざかるは丁寧に慈しむ暮らし。)
セロハンテープは液体に弱い
あんなことで涙するとは思わなかった
人生は想定外
僕の心は泣いていた
セロハンテープは浮いていた
隣には誰も居なかった
確認のしようがない
君の表情を
無責任な悪意を
容易く手に入る子供の玩具でする悪戯
消しゴムは白いのに消しカスは黒かった
潰したら粘着性があった
ちょうど良い
僕に空いた穴はこれで埋めよう
(今 僕の周りは簡単な物で溢れている。)
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