続:8)チチチチチジィーコジィーコチチチチ
【約束忘れんなよ】
新人のオッチャンが1日で飛んだ。
採暖室に、あげた手袋置きっぱなしにしてあるのを見つけた。昨日の退勤時には、もう来ないつもりだったのだろう。めちゃくちゃ演技派。俳優目指した方がいい。飛びまくってる俺が気付ないほどに自然。
仕事を飛びまくってる俺が、現状快適で、文句なしに感じている空間で、飛ぶ人間が出現すると、めちゃくちゃ安心する。
自己肯定感バク増し。
「せっかく仕事教えてくれたのにごめんな」
と社員に言われるも、どちらかといえば雑談の方が無駄だった。
要らぬことを話し過ぎた。
てか、まじで話引き出すのもうまかった。詐欺師にもなれるし、営業もバリバリ向いてるやろ。
なんでリフトやねん。
てか堺の人間が北河内まで電車で夜勤はキチーって。
石津川とか山程リフトの求人あるのに。
俺と同じで飛びすぎて働く倉庫ないんかな?
まぁ頑張れよ。オッチャン。
【ゲームBOY】
小6ぐらいから、茶色とかラベンダーのランドセルは見かけてはいたが、赤と黒のランドセルの二者一択をしてきた僕たちは決して、選べなかった時代ではなく、スマホが無くとも、不幸でも不便でもなかった。
ゲームボーイでは、スケルトンパープルをはじめ沢山のCOLORに胸を踊らせてきた。
色を作ってくれた人達は、ファミリーコンピュータで、何度も勇者になってきた、僕達と変わらない子供たち。
未来にいる僕達をワクワク輝かせるには、今、俺達が情熱を失ってはいけない。
この世界に、セーブもリセットもPARもないけれど、無限の画質、無限の夢、無限のやりこみ要素は、地球というフィールドで俺達を待っている。
【HHC→THCO・HHCO→THCH→HHCH→HHCP(イマココ)→HHCB(次ココ?)話】
合成カンナビノイドはTHCHだけ食った。
規制の煽りから始まったセールで買った。
10粒入ったコーラ味のやつ。シゲキックス位のパッケージ。表面がクリアで、黒でも茶色でもない、ツヤの無い土粘土色の不味そうなグミが見える。
大きさは昔大好きだった、いちごのふわりんぐらい。
突き上げられた拳のデザインがシールとして貼られたシンプルなパッケージ。
拳の下にエディブルズって書いてある。あたりめぇだろ。溶かして静脈に入れちまうような奴は時計も読めない。
賞味期限切れかけってことで、4000円で買った。
消化吸収待たなアカンってことで、さっさと効かせたいから、とにかくモグモグモグモグ
めちゃくちゃ細かく砕いて、飲み込みたくない妙な濃度とキショい温度のよだれと共に胃に落とす。
思わず寝落ちしそうになるほど油断した時間に効いてきていたことを感じる。
とにかく欲張って何でもやろうとして
キメオナ2回にユーチューブで腹が千切れるような面白動画探したり、その途中で3回目始めてみたり、動画で経過観察を撮ってみたり。
途中から集中し過ぎてしまうのか、呼吸がうまくできなくて、思い出したかのように「ハッッ!!!」って息を吸い込む。
それを何十回も繰り返しながら、スクワットで血流を刺激する。第二の心臓を動かそうと。
そっから口がとにかく乾きまくり、自室と台所の水道を6往復ぐらいしたところで、カラッカラのまま無理矢理寝る。
大麻でも入ったことないバッドだった。
2回目もバッド。
自家中毒でゲロ吐きまくってたガキの頃、ゲロ前のすっぱい唾が出る前の、呪いのような映像と幻聴を見る。
生きとし生けるものに宿命付けられた、根源的な呪いかと思うような、ゲロまでの無限カウントダウンと、凶悪パックンフラワー。針金の秒針とカミナリの短針。ガリガリになった日本昔ばなしの全裸のシンプル子供。幼児の声で「へけな〜?へけなぁ〜」という呪詛幻聴。
よくもまぁ今の今まで思い出すことがなかったと思うほど感動に満ちた再会だった。
絵に描いて正確に描写する力が1ミリもないまま寝落ち。
金縛りして目覚めたから、俺はまた脳内にダメージを負った。
そもそも、今、起きたと思われる世界は、今までの世界の続きなのだろうか。
ゲロが詰まって死んだ後、脳内のif世界じゃないのだろうか。
生きてようが死んでようがifであろうが、一貫してとてつもなく平坦で、要望も希望もなく、ただただどうしようにもなかった。
グミは壁にもたれたF4キャンバスの影に保管した。
【あるあるの話】
冬になったら静電気の話をして
それ以外の季節は血液型の性格診断の話するバカOL
1年の速さをコイツラで感じるのも共有すんのも嫌や。
車から降りる時、ドアの外側の金属を触れながら降りたら、シートとフリースとかの摩擦によるなんかが、体に帯電せんから
パチっとならん。それぐらい知っとけ。大人なら。
あと血液型診断するならRH-とか、より精度高めたやつ作れ。
四種類しか人間存在せんのならお前を殺して刑務所で人外になったほうがええわ。耐えれるかそんなしゃばしゃばしたシャバ。
【遺言】
中学ん時に母が出てってから
親父と弟と暮らす。
食器はいつものところに置かない。
向きが違う。シンクに貯めて何時までも洗わない。なんならそのシンクに痰を吐く。
まじで終わってる。
「ママが家に帰って来るように言え!」
子供にケツ吹かせようとした時、心の底から同情したと同時に、中学3年にして親父を超えた。そう思った瞬間。
そして左利きの自分とそれ以外の家族全員が食器を取りやすいよう配慮してくれていた母に、改めて感謝と思い遣りの心、そして違いを感じる能力を得た。
何も気にしなくていいよ。ママはネグレクトではないよ。
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