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自分探しついて
自分探しという言葉がある。
自分自身の可能性ややりたいことを探して、これまでとは違う世界を見たり、新しいことを始めたりする行動である。大概の場合は、大学生あたりで発生し旅に出たり、インドに行ってみたりする。最近では、退屈なサラリーマンをリタイアして、新しい自分を探しに乗り出す人たちも増えてきている。(そういう人たちは大概Twitterのハンドルネームに謎の肩書きが書いてあるので見つけやすい。)
でも冷静に考えて自分を探すとは一体何なのだろうか?
「自分探し」が目指すのは、たぶん今までの自分とは違う別の自分への変化することだと思う。
では人はどのように変化するのか?
人は環境によって変化する。だからこれまでと違う環境に身を置くことで、精神的にも身体的にも変化していく。多くのことを経験し、そのフィードバックが自分自身を再編成し、別の自分を獲得していく。良くも悪くも。
「自分探し」には、2つの方向性がある。
外側に可能性を見つけにいくポジティブなやり方と内側に可能性を限定していくネガティブなやり方だ。外側に出ていくのは何となくわかるけど、内側に可能性を限定するとはなんだ?と思うかもしれない。
内側に可能性を限定するとは、自分自身ができないことを認めていく事である。これだけ聞くとすごくネガティブでよくないように聞こえるかもしれない。だけど、そうではない。出来ないことを認めて、それが出来ない中で自分にどういったことができるか考える。そうした、ネガティブさを引き受けた上で持つことができるポジティブさである。これは、カードゲームでまず自分の手持ちのカードを確認するようなものだ。そういった自分探しだ。
自分を探すために外側に行くのも内側に行くどちらも必要なことだと思う。
ただ、一旦立ち止まって客観的に自分を見つめる時間を持って欲しい。変化することは必ずしも良くなることばかりではないから。