BLADE SHOW 2023 その2
先月米国アトランタで開催されたBLADE SHOW 2023、
開催終了後1週間くらい経ったころから続々と個人YouTuberの映像がアップされていました。
その中に "What’s In Your Pockets?"という映像を複数人の個人YouTuberが上げています。なかなかに人気のコンテンツみたいです。
ブレードショー来場者に対してのインタビューで「あなたのポケットの中身、見せてください!」的な企画です。いわゆるEDCを見せてもらうだけなのですが、これがなかなか興味深いです。
どんなナイフが好まれているのか?とか、メーカー側にも参考になると思います。
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まぁ、出てくるわ、出てくるわ! ジーンズやカーゴパンツのポケットから持っているものを出してみせて、いろいろ説明してくれるのですが……
「どこにこれだけ入っているの???」と思うほど、いろいろなモノが出てきます…(だから、ブレードショー来場者のパンツは細身のタイプが少ないのかっ!
メインはもちろんナイフなのですが、その数がハンパないです。
だいたい4〜5本くらいは普通にパンツのポケットから出てきます。(さすが、世界中から集まったナイフ・エンスー達!
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ポケットから出てくるナイフのそのほとんどはフォルダーですが、まれに
小ぶりなフィクスドもあります。
このフィクスド、最近では腰のベルトに装着するのではなく、ポケットの中に入れるのがトレンドみたいです。
カイデックスシースにクリップが付いたもので、それをクリップ付きのフォルダー同様にポケットに差し込んで収納しているようですね。
このスタイル、あまり日本では見かけませんね……
来場者の皆さんが持っているフォルダーは、クリップ付きのフリッパーがほとんどです。
メーカーも様々、ブレード形状も様々、ロック形式もライナーロック、フレームロック、ボタンロック、コンプレッションロック等、本当に様々です。
強いて傾向を上げるとすれば、ハンドルがG10やマイカルタ、チタンなどの軽量のものが好まれているようです。
もちろん、「これ、絶対見せびらかし用でしょ!」と思われるモノもあり、
ダマスカス・ブレードにタイマスカス・ハンドルの様なハイクラスのフォルダーや、とてつもなく大きなフォルダーとかもありました。
ナイフ以外では、フラッシュライト。キーホルダーに付けたモノや、単体で装備しているモノなどなど。最近では小型のものが好まれる様です。
タクティカル・ウォレットを持っている人も多くいました。主にクレジット・カードなどのカード類を収納しているようです。現金を入れる用のお財布を持っている人は最近はほとんどいないようですね。
フィジェット・トイを持っている人も意外に多いです。
フィジェット・トイはいろいろな種類がありますが、いちばん分かりやすい例だと ”ハンド・スピナー” ですね。
暇な時間や手持ち無沙汰な時などに手でもて遊ぶグッズです。日本でも何年か前に流行りましたが、すぐにブームは去りましたね。
アメリカでは、いまだにこのフィジェット・トイが人気のようです。
映像に出ていたのは、フィジェット・スライダーと呼ばれるマグネットの付いた2枚のプレートをスライドさせてカチカチさせるというものでした。(これは興味深い!)
90年代風のゴツいキーボードのキーが2つだけ付いてる小っちゃなキーボード?… これをカチカチ押すみたいなのですが… のようなモノもありました。(これは興味ない…)
…… 実は私、ハンドスピナー大好きサムライです。今でもカッコイイものを見つけるとついつい買ってしまいます。
これ、ナイフの製作作業をしている時にもクルクル回していますよ!
ちょっと作業手順に迷った時などにクルクルすると天啓が降りてきますよ!(気のせい
特別なコインを持っている人もいました。
海外製のナイフを購入すると、よくコインが付属していますが、
その中のお気に入りのひとつだと思われます。誰か親しい人にナイフをプレゼントした時のコインかな?
日本でも以前は限定版のビクトリノックスとか化粧箱にナイフとコインを
セットしたものがよく販売されていましたが、最近ではあまり見かけませんね?
このコインの謂れ、ナイフ好きの皆さんには言わずもがなだと思いますが、知らない人もいるかもしれませんので、一応説明しておきます。(間違っていたらスミマセン。よろしく訂正お願いします)
……昔のヨーロッパでは、相手(主に貴族同士で)に武器を贈ることは決闘の申し込みでした。
映画やドラマ等でこういうシーンを見たことがある人がいるかもしれません。… たしか映画「ハイランダー」の何作目かで、
舞台は中世ヨーロッパ、決闘相手のお屋敷に、決闘を申し込んだ貴族の執事がイングレーブがバリバリに彫られた高価そうな銃を贈呈しに行って…みたいなシーンがありました。
つまり、昔は相手に武器(ナイフや銃)を贈る行為は決闘の申し込みという慣習があったので、親しい間柄の相手にナイフをプレゼントする際には、
お互いにそういう意図ではないですよーという意思表示をしなければいけませんでした。
そこで、ナイフを贈られた側は、通貨の中で一番小さな金額のコインを贈り主に渡し、形式上は「これは売買ですよー」という形にしたということです。ナイフとコインがセットで売られているのは、この習慣に沿ったことだと思われます。
ウォーキング・デッドにも出演している俳優、ノーマン・リーダスがバイクで世界中を旅するドキュメンタリー番組「ライド with ノーマン・リーダス」の中でも、ノーマンがバイクで旅をしている途中、あるオジさんから高価そうなナイフをプレゼントされる場面があります。ノーマンは慌ててジーンズのポケットから出したドル札を渡そうとしてしまい… というシーンがありました。
オイ、そこはコインだろ?とツッコミましたが…
あぁ、アメリカではこの習慣がまだまだ残っているんだなーと感心しました。
最近では、NEMOTO KNIVESさんのサクラ・コイン(櫻貨)もこの故事に
則った事だと思います、さすがです! どんどん造幣してくださいませ。
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そこで "What’s In Your Pockets?"にちなんで、
今回は、私がもしBLADE SHOWに行ったらEDCはどういう組み合わせに
する?という妄想です。
以下の画像が私の妄想EDCです!(統一感を出すため、カラーをグリーン系でまとめてみました。
まずは12時の位置のナイフから時計回りにご紹介していきます。
スパイダルコ ボブ・ラムのチャイニーズ・フォルダーです。
ボブ・ラムは士林刀スタイルのブレードをフォルダーにした草分けではないでしょうか? このスタイル、大好きなんですよねー! なんか、ブレードのふっくら感が絶妙で…
…実は、ブレードショーに出展した時にボブ・ラム氏が私のテーブルに立ち寄ってくれたことがありました。
思わず私は
「ミスター・ボブ・ラムですよね! ファンです! 握手してください!」って言っちゃいました。
ラム氏は快く握手してくれましたが、私が
「チャイニーズ・フォルダー、持ってます!」と言うと、鋭い目つきで、
「カスタムか?」と聞いてきました。
「スパイダルコ のチャイニーズ・フォルダーです」と答えると
「スパイダルコ は良いナイフだ、どうもありがとう」と再び温和な顔つきになりました。
…あの鋭い目付きは何だったのだろうか?
次にレザーマンのMicra、
以前からずっと欲しかったのですが、生産終了になる(?)とのウワサを
聞き、最近慌てて購入しました。旅先で魚肉ソーセージの皮を剥くのに便利です。
キーホルダーに付けたフラッシュライト、OLIGHTのi3E EOS、
コスパも良く、単四電池1個なのにかなり明るいし、何より小さいのが良いですね!
20年くらい前にブレードショーで買ったタクティカル系のフラッシュライト(けっこう高価だった!)と比較しても、こちらの方が明るいかもしれません。最近のフラッシュライトはとても進化しています。
JT ploom X、
JTから販売されている電子タバコのデバイスです。
これはスモーカーの私にとっては必需品です。
喫煙者が減って、吸える場所がどんどん無くなっていくのが悲しい…
スモーキング・エリアの無いナイフショーには、もう出展できないですよね〜…
最後は、ハンド・スピナー、
NEMOTO KNIVESさんのコントロール・デバイス風でカッコいいです。
カーボンのレイヤードスタイルでタクティカルみがあり、最近のお気に入りです… が、回転がイマイチなんです。
ぜひNEMOTO KNIVESさんの3Dプリンタでサクラマーク入りの
よく回るカッコいいハンドスピナーを作って欲しいです!(マジでお願いします、トルクバータイプ希望です!
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ところで、たがやさんみを探す旅は、現在も継続中です。
…… 北の大地で、 ”たがやさんみとは何か?” を熟考する森の賢者に遭遇しました。
…今回は文章が長くなってしまったので、残念ですが次回に持ち越しです。