最近のハンドル材事情
去年あたりのナイフオーダーから、ハンドル材のちょっとしたトレンドの変化がありました。
ここ10年くらい、とんとオーダーのなかったハンドル材が急にオーダーされるようになりました。これまでは数年に1本くらいのオーダーだったのが、去年あたりから、わずかな期間で数本のオーダーが入りました。
・・・それはM.O.P(マザー・オブ・パール)です。
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2000ゼロゼロ年代には非常にポピュラーな材料で、しばしばオーダーの入るハンドル材だったのですが、2010年代に入ると、全くと言ってよいほどオーダーが入らなくなりました。
ゼロゼロ年代当時、アンティークフォルダーにはパールハンドルのものも多くあり、それを模したナイフにパールハンドルを使用するのは許容されていたのですが・・・
しかし2010年代に入った頃から、とくにオリジナルデザインのフォルダーにはパールハンドルのオーダーはほとんど皆無でした。
・・・理由ははっきりとは分かりませんが・・・あくまで個人的なイメージですが、「本格」のユーザーやコレクターの中にはパールハンドルは「チャラい」というイメージがあったような気がします・・・
・・・おそらく2020年代に入りクライアントの世代交代が進み、2010年代当時のトレンドや気質が一掃されたのかもしれませんね。
それと同時に、質の高いパールが市場に出回らなくなったのか(確か2010年頃から、アメリカの州によってはM.O.P(マザー・オブ・パール)がレッドブック入りしていたような気もします。)、パールの加工を上手にできるメーカーが減少し、パールハンドルのナイフが入手困難になったのか?・・・
理由はどうあれ、オーダーしていただけるのはありがたい事です。
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・・・実は私、パール大好きサムライなのです!
パールを美しく見せるための加工方法に日々いろいろと工夫を凝らしているのです。
以下の画像は、私がストックしているM.O.P(マザー・オブ・パール)の
ほんの一部です。
しかしながら、サイズやクオリティの問題で、絶対に使用しないであろうパールも相当数ありますので、いつか、どこかの機会で放出しようかと思っています。
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ゼロゼロ年代当時、スタッグと並んでとても人気なハンドル材がもうひとつありました。・・・それは、オールド・ジグド・ボーンです。
当時のアンティーク&オールド・フォルダーの流行に乗じたものだったのでしょう・・・デッドストックのオールド・ジグド・ボーンを扱うディーラーもいましたし・・・
それ以前から「オールド・レミントン・ボーン」は多くのカスタムフォルダーに使用され人気でしたが、それも徐々に希少になり、それ以外のオールド・ジグド・ボーンの需要が急速に高まりました。
以下の画像は私がストックしているオールド・ジグド・ボーンのほんの一部です。
これもサイズの問題で、絶対に使用しないであろうボーンも相当数ありますので、いつか、どこかの機会で放出しようかと思っています。
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その後、2010年代後半にWesting House製のオールド・マイカルタのブームがやって来ました。現行のマイカルタにはない色合いや風合いがあり珍重されましたが、あまり長くは続きませんでしたね。・・・ラグ・マイカルタや経年変化したホワイト色系以外は、まぁ、見た目はふつうのマイカルタですし・・・
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「流行は再び巡ってくる」というのは、やはりホントかもしれませんね。
モノは大事にとっておいたほうが良いのかもしれません。
・・・数年前に、ミリタリーファッション系のMA-1がちょっとした流行になったことがありましたが、私が80年代に着ていたMA-1(トップガン1作目の影響で)が数着あったので、それを甥っ子に譲ってあげたらとても喜ばれました。
今年は「トップガン マーヴェリック」が大ヒットしましたが、G-1やA-2等のミリタリー系のウェアはあまり流行してないようで残念です。
・・・でも去年の冬くらいから、街中でB-6タイプを着た女子をよく見かけます、なぜ??
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・・・ところで、先日出張で新潟に行きました。その時に宿泊した宿の廊下に飾ってあった能面。
この女面、側面の髪がよく見えなかったので小面なのかどうかはっきりとは分かりませんでしたが、幽玄な味わいで、たがやさんみがあります(ある