パズル・・・知恵の輪?
Premium Gun Stock Jack SP 2 blade lock back & slip joint folder
先日作ったナイフ。私の作るナイフの名前に「Premium」を冠するモデルはマルチ・ブレード仕様になった時に、メイン・ブレードがロックバックになるものがほとんどです。上記のナイフも、メインのクリップポイント・ブレードがロックバック、セカンダリーのシープフットがスリップジョイントになっています。ハンドルはスタッグ(鹿角)。
このナイフ、元々のパターンは、セカンダリー・ブレードがペン・ブレード、ハンドル内のシールドはダブルバイト・フェデラルだったのですが、依頼主のリクエストでセカンダリー・ブレードをシープフットに換装。シールドをダブル・ボムへ変更。・・・これぞ、カスタム!というオーダーでした。 当初はシープフット・ブレードは相性どうかなぁ〜?と心配していましたが、意外にシャープな感じに仕上がりました。
このナイフ、トラッパー・タイプのナイフ(前方から2本のブレードが開きます)で、メイン・ブレードがロック・バック、セカンダリー・ブレードがスリップ・ジョイントなのですが、誰もが思いつきそうな組み合わせにもかかわらず、意外にこのロック・バック&スリップ・ジョイントの組み合わせのナイフを作るカスタムナイフメーカーは少ないです。
実はこれ、作るのがけっこうめんどくさい・・・フィッティングの順番にかなりシバリがあります。
まずはライナーを製作します。このライナーにテンプレートを合わせてピボット・ピンの穴をあけます。このピボット・ピンの穴が全ての基準になります。
次にロック・バックのロック・グルーブとロック・バーを合わせます。これをライナーのピボット・ピンにブレードを取り付けセッティング。そうすると自動的にロック・スプリングのセンター・ピンの位置が決まりますね!そうしたら、センター・ピン位置をライナー側に写します。・・・これが第一段階。
第二段階は、先のライナーに写したセンター・ピンを基準にスリップ・ジョイントのスプリングを使い、ハンドル・エンドのピン穴の位置をライナーに写します。これで、スリップ・ジョイント側のブレードを合わせることができます。また、自動的にロック・バックのスプリング・キャッチのもうひとつのピン位置も決定。あとは、それぞれのアクションやポジション合わせをすればOK!
上記のように、このナイフ、ロック・バックの一部分を合わせたら、次はスリップ・ジョイントの一部分を合わせるという感じで、2本のブレードのフィッティングを何度も行ったり来たりするわけです。それもある程度決まった順番通りに・・・パズルと言うか、知恵の輪の手順に近いかも?