ひも穴パイプのカシメ方
Loveless tribute City Knife with lock back SP
Type : 1 blade lock back folder
Blade : RWL34
Bolster/Handle : Stainless steel / vintage rug micarta
Blade Length : 2 9/16"(65mm)
Closed Length : 3 3/4" (95mm)
今回はひも穴パイプのカシメ方に関してのご紹介です。
このひも穴、ソングホール(thong hole)とも呼ばれますが、多くの場合
金属のパイプが使われています。稀にリア部分にボルスタがある場合、パイプが差し込まれていないこともあります。
フィクスドナイフメーカーのなかには、構造上ハンドルとタングの密着に影響が出ないので、これを接着だけで済ませているメーカーもいるようです。
しかしながらフォルダーの場合はこのひも穴パイプをしっかりカシメないとライナーとバックスプリングやスプリングキャッチが密着せずにスキマが開くことがあります。とくにスタッグやジグドボーン等の天然素材はハンドルに反りが出ますので、スキマが開く傾向にあります。
残念ながら接着材は使えません。これを使うとハンドルの内側ににじみ出てきたり、可動部分に影響が出てきたりします。
ナイフのパターンによっては、ひも穴の近くに細いピンを打ってライナーとの密着を補助しているデザインもありますが、これはあくまでもサブ的なピンなので、メインはひも穴パイプをしっかりカシメないといけません。なぜなら、多くの場合ひも穴がハンドル・エンド部分の中心近くにあるため、これをしっかりカシメないとライナーと密着しないからです。
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今回は、ひも穴パイプだけでハンドル・エンド部分をカシメて密着させる過程のご紹介です。パイプの素材はステンレス(外径5mm、内径4mm)です。
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以下の画像は、ひも穴パイプをカシメる前の状態です。
スプリングキャッチとライナーのひも穴径はパイプ外径と同じ5mmですが、
ハンドル材の部分だけはパイプ外径より0.1mm程度大きくしてあります。
ひも穴の面取りは約0.5mmくらいです。
これをピンのカシメの要領でハンマーで叩いて行きます。
次はひも穴パイプをカシメる際のアンビルに関しての治具のご紹介です。
アンビルのセンターに5mm径の穴を開けてあります。そこに5mmのステンレス丸棒の先端を円錐状に削ったものを差し込みます。
以下がその画像です。
このステンレス棒の上に裏側のひも穴パイプ部分を乗せて、ハンマーを使って表側のパイプの断面をガンガン叩き広げます。ひも穴の面取りした斜面にかぶせるようにカシメていき、ライナーとスプリングキャッチをギューっと密着させていきます。(「ピンのカシメ方」参照)
以下の画像は、カシメ終わった状態です。
最終的にはサンドペーパーでパイプ断面に残る槌目を消して、バフでピカピカにしておしまいです。
ライナーとスプリングキャッチもピッタリ密着しています。
Let's tryです!