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遠くのこと
遠くの街に思いを馳せる。
今日は休みだからっていうよりも、デスクトップを片付けることに成功して、Bruno Marsの曲を聴いているからかもしれない。
クリエイターさん、写真をありがとう!”美しいです。”
突如ながら、私には親しくしている親戚のオジさんがいる
ちょっと高めのチョコレートを手に入れると、くれたりするのだが、
それがいつもアメリカのキャラメルラッテチョコレートだったりするのだ。
なぜアメリカ何だろう。いつも不思議がっていたのだ
しかも、クリスマスの時に。
オジさんは私からすると続柄はやはり叔父さん、ちょっと離れている親戚の子供なのである
いちどオジさんに、聞いてみた
なぜアメリカの高級チョコレートをくれるのかって。
それも女性が喜びそうな、甘ったるいやつを。
するとオジさんは一瞬動きがとまり、涙ぐんだあと、
眼鏡をはずし、
一言こういった。「思い出なんだよ」
それから、時がたち、わたしは30歳を超えていた。
いろいろなことが分かる年になっただろうということで、聞いても答えてくれるだろう。とわたしは簡単に思い、オジさんに聞いてみた
思い出って何だろう。
するとオジさんは
開口一番にこういった。
実はな…嫁と離れて暮らしているんだ。アメリカに嫁を置いてきたんだよ。
訳あって、アメリカに嫁以外にも、その方は仕事は持ってるけど、オジの妹さんも置いてきたそうな…
寂しくないのか?
そりゃな。寂しいというよりも、恥ずかしさと、申し訳なさでいっぱいなのだという。アメリカにいたころは、オジは、音楽をしていて
生計は、コンピューター開発者の傍らで働く、設計士マンだったのだという(Pythonのことをだから、”あまりよく思わないらしい、アメリカンジョークである”)
BopやHIP-HOPが好きで、なるほど。だから音楽には詳しいのか?そして辛口なのかと納得する
オジは恥ずかしながらにも。みんなの役に立っていたころのことを
すらすらと語っていた。
おいしいロブスターのお店があって、
アメリカに置いてきた、息子が好きだったこと。
カルフォルニアにほど近い、サンフランシスコは一度だけ嫁と
住んだことがって、そこにアメリカ名のついたアンダーソンという息子がいたこと。
そしてエミリーという黒のラブラドールレトリバーがいたこと。
そいつがでっかいトイレするんだよと大声で笑う。
オジが語ると、
アメリカは昨今の情勢とは全く変わって、いきいきとしたまるでドラマの中のような?良いところも悪いところもダイナミックに生きてくるのだった。
オジがアメリカにいたのはもう二十数年前らしく、まだいろいろ何もない
いわゆる、アンダーグラウンドカルチャーが花咲いていたアメリカ。
という時代であった、、
じつは私もアメリカにいて、
サンフランシスコにある、親戚のアメリカ人の大叔母さんの家にいたんだよ!というと
オジは嬉しそうに、「奇遇だな。どこかで出会ったことあるか?」と笑った。
さあ、それはどうかな。というと
急に悲しそうな顔をして
泣き出してしまった。
お前も息子みたいなこと言うんだな。と思うと
懐かしくて泣いてしまったそうな。
そんなに似ているのか?と聞くと、
「そりゃあ、親戚はみんなにどこかしら似ているさ。雨上がりの街並みが
似たにおいがするように。サンフランシスコはよく小雨が
降るだろう?」
息子のことはそんなに気になるのか?と聞くと、
そりゃな。生計は建てられているか?
音楽はどう向かっているのか?
俺の車、ホンダはどうしたのか?とかな。とオジはいう。
それよりもとより、だが、
嫁はどうしたのかと聞くと、その後日本に一緒にいて、子供が四人いるが、アメリカに置いてきた。と
え?
いったいどういうことだったのか?!
私は気になった。聞いてみると、
嫁はアメリカの永住権を持っていたらしい。それでビザが無理やり切れて、
日本にいられなくなったそうな。。
そんなひどいことあるか?とオジはいう
まあ、そんなひどいことって言ってもな。と私は思った
二人のなれそめが面白くて、
嫁さんは、ブックストアまあ、日本でいうところの、”古本屋”で看板娘をしていたらしい。結構有名人とかも通う、ブルックリンの古本屋で、
そこにオジもいたらしい。
飛行機に乗っていた時に視力が落ちて、
仕方なくかけていた。コンプレックスだったと語る、眼鏡を嫁さんは笑ってけなさずになぜーか?「顔の骨格にあっていますね。」と程となく、
”ちょいとほめてくれていたそうな”
そこから、でっかい事典、小さな日仏辞典、小さなフリーペーパーと
買いあさったオジ。
いい加減気づいた、嫁さんは
夏の暑い日、7月12日、
一つのポストカードをくれたのだそう。
"I'm so glad to you, too….would you like dinner with me?"
そして、二人はその夜に、フレンチレストランに、ディナーに出かけたのだそうだった。
アンダーソンはどうしていると思う?
オジは言った。
「好きになるように、なればいいさ。俺もそうだろ?」