【巨大IT企業!!】KDDI -業績まとめ- (2024年6月19日)
今日は通信業者かつIT企業でもあるKDDI(9433)について見ていきたいとおもいます。個人投資家にはどちらかというとNTT(9432)の方が人気が高いような気がしますが、業績はどうなっているでしょうか。
1. 基本業績(売上、収益)
基本的な業績をチェックしていくために、ビジネスの収益力に関連する項目を見ていきたいと思います。
1-1. 売上高、利益率
まずはその事業規模を表す売上高を見ていきましょう。以下の図に2020年から直近の224年に発表された決算結果までの5年間の売上高推移を示しています。
グラフを見るとこの5年間では一貫して増収を続けていることが分かります。また、オレンジ色の折れ線グラフで示した売上高純利益率を見てみると10%を超える利益率を継続していることが分かります。
これらからは問題なく成長している様がわかりますね。
1-2. 純利益
続いては純利益を見ていたいと思います。以下の図が過去5年間の純利益の推移を示しています。
直近の2024年では前年比マイナスにはなっているものの6,000億円を超える純利益をずっと計上し続けていますね。
そんなKDDIがどのような分野で稼いでいるがというセグメント情報わ円グラフで示した図を以下にに記載しています。
KDDIには、auブランドを中心に個人向けに通信サービ部を展開しているのパーソナル領域と、法人向けの通信サービスやDXソリューションなどを提供するビジネス領域がありますが、利益の割合ではビジネス領域が圧倒的ですね。通信事業などで個人にもビジネスを展開しているイメージがありますが、ごく一部だったんですね。
1-3. 自己資本比率
続いては自己資本比率です。以下の図に過去5年間の株主資本の額と自己資本比率の推移を示しています。
グラフから毎年稼いだ純利益によって株主資本を増強していっていること分かります。オレンジ色の折れ線グラフで示した自己資本比率を見てみると徐々に低下して2024年に発表された通期決算では40%を割る結果となりました。37.1%であれば特に問題になるような水準でも無いし、しっかりと利益も稼げているので、まだ心配はないですね。
1-4. 営業キャッシュフローマージン
続いては収益力を見るための指標の一つである営業キャッシュフローマージンを確認しておきましょう。営業キャッシュフローマージンは営業キャッシュフローの額を売上高で割って算出される値で、現金を稼ぎだす力をしめしています。
以下の図は過去5年間の営業キャッシュフローマージンの推移を示しています。
グラフからKDDIの営業キャッシュフローマージンは2023年に19%に低下していますが、それ以外の年では20%台後半から30%程度で推移しています。
業種によって多少は水準はことなるものの10%もあれば優秀と言えるところをこのレベルを維持しているということで、収益力年では何も問題ないですね。
1-5. ROE(自己資本利益率)
続いても同様に収益力を図る指標であるROEを確認してみます。
以下に過去5年間の推移を示しています。
グラフより、若干下落傾向にあるように見えるものの、直近の値でも12.1%とそれなりに高い値となっています。過去の成績と比べるともう少し頑張って欲しいようにも感じますが、やはり収益力は高いですね。
2. 株主還元
この章では、稼いだ利益を株主に還元できているかをチェックするために配当金や自社株買いの実績を見ていきたいとおもいます。
2-1. 配当金、配当性向
個人投資家の方は注目している方も多いであろう配当金を見てみましょう。以下の図はKDDIの1株あたりの配当金の推移を示しています。
グラフから毎週増配していることが分かります。グラフでは5年分しか記載していませんが、実は21期増配を続ける連続増配企業なのです。投資家にとっては保有しているだけで配当収入を増やしてくれるありがたい存在ですね。
灰色の折れ線グラフで記載した配当性向を見てみると緩やかに上昇しているように見えます。40%程度の配当性向を維持するというのが現在の配当の方針のようなので、ほぼ計画通りに推移させているという感じですね。
2-2. 配当利回り
続いては投資時点でどの程度の配当利回りになっているかを確認してみましょう。以下の図はKDDIの過去の配当利回りの推移です。
グラフから、毎週増配してはいるものの、配当利回りは徐々に低下する傾向にあるようです。これは増配のスピードよりも株価上昇のスピードの方が早ことを示しています。
※2024年6月現在では株価が少し下落してきており、配当利回りも高まっています。期末にどうなっているか楽しみです。
2.3 自己株取得
次に自己株取得の実績について見ていきましょう。配当金のように税金を取られることなく株主還元できるので、現金配当よりも効率のいい株主還元方法だと言われていますね。
以下の図は各年の自己株の取得金額を期末の時価総額で割った値を示しています。
グラフから5年間の平均値で時価総額の3%弱の自己株取得をしていることが分かります。配当利回りが3%を超えていることを考慮すると、配当金と自己株の取得を合計した総利回りは6%を超えていることになりますね。
3. 市場からの評価
ここまでは会社の業績と株主還元の姿勢を見てきましたが、この章では株式市場からの評価という観点で見ていきたいと思います。
3-1. 株価
まずは投資家の方が最初に確認するであろ株価をちえっくしておきます。以下の図は過去5年間の株価の推移をしめしています。
上昇と下落を繰り返して波を描きながらも上昇トレンドに乗って推移してきている様子が分かります。
直近数ヶ月の下落がどこまで続くのか見守りたいと思います。
3-2. PER(株価収益率)
続いてはPERを見てみましょう。以下の図が過去5年間のPERの推移をしめしています。
グラフから約12倍から13倍程度で安定して推移してきていることが分かります。純利益に対しての評価が安定していることから、今後の純利益の増加に伴って株価も上昇していくことが期待できそうです。
3-3. PER(株価純資産倍率)
続いては純資産に対する株価での評価であるPBRをみていきたいと思います。以下の図に過去5年間の推移を示しています。
こちらもほぼ1.5倍から1.7倍で安定して推移しています。純資産を積み上げていくとともに株価も上昇していくことを期待してしまいます。今後の株主資本の積み上げに注目ですね。
4. まとめ
ここまで、KDDI(9433)の業績、株主還元、株式市場からの評価について見てきましたが、いかがだったでしょうか。
個人投資家の方にはNTTの方が人気があるようにも思えますが、KDDIも負けずと業績がよく、株主還元にも積極的だという印象を受けたのではないでしょうか。
それではKDDIの業績まとめはここでおわりにしたいとおもいます。最後までご覧頂きありがとうございました。
また、他の記事もどうぞよろしくお願いします。
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