
【市場からは評価されず!?】武田薬品工業-2025年期2Q決算 (2024年11月6日)
今日は武田薬品工業(4502)ついて、先日発表された四半期決算である2025年3月期2Q決算について記事を書いていきたいと思います。
武田薬品工業といえば、高配当銘柄として新NISAでの買い付けランキングでも上位に入ったりしていますね。一時期は巨大買収案件などでかなり話題になりましたね。以下の記事に各年の通期決算の推移をまとめていますので、これまでの推移を確認できます。
この記事では、上記の記事の続編として今回の四半期決算がどのようになったのか、前年および前々年と比較しながら記載したいと思います。
1.売上高
まずは売上高を見てみましょう。今回の2Q決算で発表された売上高を前年、前々年と比較した図を以下に示しています。

グラフから今回の2Q決算は過去の2Qと比較すると売上高が拡大していることが分かります。2024年が2.1兆円で今年が2.38兆円だったので約13.5%拡大したことになります。
通期の業績予想では前年比5.1%増の4.48兆円となっていますので、今回の13.5%増収は順調なペースで売上高を拡大していると評価できます。
3Q以降に加速して売上高増となってくれることを期待しますね。
2. 営業利益
続いては本業での稼ぎを表している営業利益について見てみましょう。以下の図は過去の四半期決算と比較した今回の2Qでの営業利益を示しています。

グラフから今回の2Q決算は昨年の2Qより営業利益が大きく増加していることが分かります。昨年が1,193億円だったので、今回の3,506億円は昨年比率で194%増加したことになります。
通期の業績予想では昨年比23.8%増益となっていますので、今回の194%は予想のを大きく上回る大健闘と言えますね。
3. 経常利益
武田薬品工業は国際会計基準であるIFRSを適用して会計報告を実施していますので経常利益の報告はありません。収益力については営業利益と純利益で確認していきたいと思います。
4.当期利益
次に先ほど確認した経常利益に一時的に発生した特別利益または損失を合計した当期利益について見てみたいと思います。

グラフより、昨年の2Qの経常利益から大きく増益となっていることが分かります。昨年が414億円だったので、今回の1,873億円は昨年比率で352%増加したことになります。
通期の業績予想では680億円と前年比52.8%減益になる予想としていますので、2Q時点での352%増益は予想を大きく上回るペースで利益が上がっていることが分かります。
昨年は大きく減益になったわけですが、今年は一昨年からみても増益という結果に届きそうなので期待したいですね。
5.純資産
続いては、純資産の推移を見てみたいと思います。以下の図が各四半期での純資産の額[億円]を示しています。

グラフからこれまで毎年純資産増加させてきてはいるものの今回の2Qに限っては資産額が減少していることが分かります。これは外貨関連資産の為替差損を反映しての減少が主要因となっていますので、今後はまたしっかりと利益を積み上げて順調に増加させてくれると期待します。
6.株価
これらの業績発表を受けて、株式市場は武田薬品工業に対してどのような評価をしているでしょうか?株価がどのように動いたかという観点でチェックしてみたいと思います。
グラフは2Q決算発表(10/28)の前後数日間の株価推移を示したものです。

2Qの決算結果が10月31日に発表されましたので、翌日11月1日の株価が決算結果に対する市場からの評価ということになります。グラフから決算発表を受けて、発表の翌日に株価は若干上がっていることが分かります。とはいえ、この程度の上昇であれば日々の変動の範囲と解釈できるので、決算結果による変動は少なく、ほぼ市場の期待通りの結果であったと考えることができます。
では、もう少し長いスパンで見た株価の変動を見てみたいと思います。以下はここ6ヶ月間の株価の推移を示した図です。

グラフから、5月頃から現在に至るまで、4,200くらいの株価を中心にかなり安定して推移していることが分かります。日銀の理恵げによる日経平均の暴落があった8月初旬には大きく下げているものの、すぐに復活しています。今後は更なる益の増加とともに株価を上昇を続けてくれることを期待します。
7.まとめ
ここまで武田薬品工業(4502)の四半期決算について見てきましたが、いかがだったでしょうか。
昨年は大きな減益となる結果となりましたが、今年はそこからは増益となり、一昨年から見ても利益を大きくできそうなペースで推移していることが分かったかと思います。今後、大きく飛躍することに期待して引き続き注目していきたいと思います。
最後までご覧頂きありがとうございます。
その他の記事もどうぞよろしくお願いいたします