【業績バトル!!】三菱グループ主要3社 業績徹底比較(2024年6月24日)
さて、今日は三菱グループの主要3社の業績について記事を書いていこうと思います。
三菱グループといえば、全て合わせると4,000社とも言われる基本最大の旧財閥企業グループですが、その中でも、規模や影響力の大きさから「三菱御三家」と呼ばれてる企業があります。それの御三家とは、三菱商事、三菱UFJ、三菱重工です。
1.売上・収益
1-1.売上高
まずは売上高から確認していきましょう。以下の図に3社の売上高推移を示しています。
グラフから売上高という視点で事業規模で見ると三菱商事が頭ひとつ抜けて大きいということが分かります。この3社の中で1番大きいということは三菱グループの中で1番大きいということですね。
2021年以降で見ると全体としては上昇トレンドを描いていますね。3社の中では、売上高の増加ペースは三菱重工が少し遅れているようですね。
1-2.純利益
売上高に続いては純利益の額を見ていきたいとおもいます。以下の図が純利益の推移を示しています。
売上高では三菱商事が圧倒的な1位でしたが、純利益の額で見ると三菱商事が接近したり、時には抜いたりしていて、ダントツの1位にはなっていないですね。
そして、こちらも全体として増加傾向にあるようです。
1-3.自己資本比率
では次は自己資本比率を見て見たいとおもいます。以下の図が自己資本率の推移示しています。
グラフから三菱UFJと三菱重工はどちらもその値を改善させながら同じような水準では推移していることが分かります。
一方で三菱UFJの方は4%台後半という低い値で安定して推移しています。これは金融事業なので仕方がないことで、UFJの財務的な安定性が低いわけではないですね。
1-4.営業キャッシュフローマージン
続いては収益力を比較するために営業キャッシュフローマージンを確認しておこうと思います。以下の図が営業キャッシュフローマージンの推移です。
グラフでは三菱商事と三菱重工の2社営業CFマージンを比較しました。5年間の各年での大小を比較すると三菱重工の3勝2敗ということで、三菱重工の方が大きいようにもとれます。ただ、推移を見るとそんなことはなく、三菱商事は安定して稼いでいるのに対して、三菱重工は年によってブレが大きいことが分かりますね。
上の図で三菱UFJを除いて2社で比較したのは三菱UFJの営業CFマージンは100%を大きく超えてしまうのであまり比較にならないためです。参考に3社の比較を以下の図に示しています。
自己資本比率も同様でしだが、やはり業界が違うと比較が難しくなりますね。今回は三菱御三家の比較ということで、それぞれ全く異なる業態の企業を比較しているので仕方ないですね。
1-5.ROE
この章の最後の項目としてはROEを確認しておきたいと思います。自己資本をどれだけ効率よく純利益に変換しているかを見られる指標ですね。以下の図にROEの推移の比較を示しています。
グラフよりどの企業もコロナウイルスの影響を最も大きく受けた2021年には大きく下げています。その後は回復していっていますが、その回復スピードは企業によって差が出ています。
ROEの上昇スピードは三菱商事が1番大きくなっており、2024年には前年比で減少になっていますが、それでも3社の中で1番大きな値となっています。
2.株式市場からの評価
ここまでは各社の業績の推移について見てきました。この章ではその業績が株式市場からのだのような評価を受けているが見ていきます。
2-1.PER(株価収益率)
まずはPERの推移を確認しておきたいとおもいます。以下の図に各社のPERの推移を示します。
PERも三菱商事と三菱重工は傾向としては同じような推移を辿っていますが、常に三菱重工の方が純利益に対しては割高に評価されていますね。対しては三菱UFJは10倍以下で推移してきて2024年にやっと10%を超えたというところで、2024年時点では3社の中で1番割安となっています。
2-2.PBR(株価純資産倍率)
続いて1株あたりの純資産に対する株価の比率であるPBRを確認しておこうと思います。以下の図はPBRの推移を示したものです。
PBRについては3社ともに上昇傾向にあります。2024年は3社ともにこれまでよりも早いペースで上昇してここ5年では最高値となっています。PERと同様に2024年時点で1番割安に評価されたのは三菱UFJとなっています。
3.株主還元
最後の章となるこの章ではビジネスで稼いだ利益の株主への還元について見ていきましょう。
3-1.配当利回り
まずは配当利回りについて比較してみたいと思います。以下の図に、各年の1株あたりの配当金額をその年の期末の株価で割って算出した配当利回りを示しています。
配当利回りは全体的に低下する傾向にあります。3社ともに減配を続けているわけではないですが、株価の上昇によって投資時点での配当利回りという観点では低下するという結果になっています。
3-2.配当性向
次は配当性向を確認しておきます。以下の図に配当性向の推移を示しています。
配当性向はコロナウイルスの影響もあって純利益が低下した2021はかなり高い値となっていますが、それ以降は落ち着いてきています。2024年は3社ともに30%程度と同じような水準となっています。まだまだ株主還元に余裕がありそうですね。
3-3.自己株取得
次はもう一つの株主還元である自己株の取得について見ていきましょう。以下の図は各年の自己株の取得金額をその年の期末の時価総額で割った値を示しています。時価総額の何%にあたる株式枠買い付けたかという指標にしていました。
グラフから、三菱重工は自己株の取得には力を入れていないということが分かります。一方で三菱商事と三菱UFJは時価総額に対してそれなりの割合を買い付けており、現金配当と自己株取得の両方で株主還元していく姿勢が伺えます。
4.まとめ
ここまで三菱グループ主要3社の業績、株式市場での評価、株主還元について見てきましたが、いかがだったでしょうか。
業界の違う会場を比較しているので、なかなか単純には比較できない項目もありましたが、各社ともにしっかりと売上高、純利益と成長させて、株主還元もできているため、株式市場からも評価されてきているということが分かったのではないでしょうか。
銀行、商事、メーカーとそれぞれ全く業態の異なる銘柄になるので、分散という意味では色々買って見てもいいかもしれませんね。
と、いうことでここで三菱グループ主要3社の業績比較を終わりたいと思います。最後までご覧頂きありがとうございました。
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