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「本なんて書けるのか」「だれも君のTVなんか観たくない」と言われて ~クリス・コルファー


クリスさんが初めて出版に乗り出したのは、ドラマ「glee」で人気絶頂のときでした。
対談「インパクト・セオリー」でのお話をご紹介します。


「本なんて書けるのか」

▼ まずは、対談相手の実業家・トム・ビリュー氏。

トム・ビリュー氏:僕はその人たちを前々から知ってるんだけど、君が本を書けるんだと彼らに納得させるのは、大変だっただろうね。
彼らは「ああ、そうさ、君は言うまでもなく才能ある俳優だし、とても才能ある歌手だ。だけど、本当に本なんて書けるのか?」という感じだった。
「才能がない」と言われていた頃は、どんな感じだったのかな?

その前にも、君の「声」が否定的に捉えられていた時期があったよね。考えただけでも、おかしなことだけど。
でも、声のことを批判されても君は明らかにそれを乗り越えたし、その後、執筆について批判されたって乗り越えてきたね。

▼ こちらで、クリスさんの声をお聴きいただけます。


無理だと言われても

トム・ビリュー氏:物語の本や自伝だけじゃなくて、他のもの(※ 製作中の映画のことか)もそうかもしれないが、どういう覚悟でそれに投資しているんだい?
皆が「君にはできない」と言っていることをやる勇気は、どうやったら出せるんだろう?

出版した結果、全米1位となり、2020.9までに16冊を刊行。ベストセラーの常連となりました。

(発刊当時の書評より)
"There's more in Colfer's magic kingdoms than Disney has dreamt of."
― USA Today
「ディズニーが夢見た以上のものが、クリス・コルファーの魔法の王国にはある。」

"It will hit big with its combination of earnestness and playful poise."
― The New York Times Book Review
「熱意と遊び心のバランスが絶妙で、大ヒットするだろう。」

"In The Land of Stories, Colfer showcases his talent for crafting fancifully imaginative plots and multidimensional characters."
― Los Angeles Times
「『ザ・ランド・オブ・ストーリーズ』において、コルファーは、空想的で創造性に富んだストーリーと、多次元な登場人物を創り出す才能を披露した。」

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「世間は君を受け入れない」

クリス:今まで生きてきた限り、ずっと「お前にはできない」と言われてきましたし、今でもほとんどそうで、僕にとってそれは「通過儀礼」みたいなものです。

誰かから「君にはできない」と言われたるたびに、「大丈夫です。僕にはやれるだけの裏付けがありますから。」と言ってきました。
でも、思い返せば、それは決して僕の才能の話ではなかったんです。
要は毎回、「世間は、まだ君(ゲイ)を受け入れる段階じゃないよ」ということを言われていたんですよね。

歌を始めるときには、「世間は、君みたいなやつは受け入れないよ。」「君の声は女みたいだね。女みたいな声の男からアルバムを買いたい人なんて、誰もいないよ。世間は、君みたいな俳優を見慣れていないんだ。誰も君みたいなやつが演じるのを観に、映画館に行きたくないだろうし、君みたいなやつをテレビで観たくはないだろう。」と言われました。

トム・ビリュー氏:こんなことを、実際に、面と向かって言われたの?

クリス:面と向かって言われたんです。ほんとにクレイジーですよね。クレイジーなんです。
今になって思うと、そういうことは、つねにプラスにはなったのですが、決して、この人たちのことを信用することはできません。

▼ 俳優としても、ゴールデングローブ最優秀助演男優賞のほか、ティーン・チョイス賞や3年連続のピープルズ・チョイス賞などなど、数多くの評価を得ています。

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つぼみの中の夢

クリス:僕が今まで生きてきて、誰かに「君にはできない」と話す必要を感じたことなど、一度もありません。

時々「おお、それは挑戦だね。でも、もう君ならできるよ。」と言うことはありますが、つぼみの中にある夢をつみ取りたいと思ったことは、今までに一度もありません。
(中略)

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二度と仕事がこない恐怖

クリス:ドラマの「glee」で、僕はとうとう、それまでの人生でずっと言われてきた(ゲイの)役になってしまいました。僕みたいな(ゲイの)人は、この役を決してやろうとは思わないでしょう。

演じるやいなや、僕が「ゲイのキャラクターを演じるゲイの役者」だということを、世間は見破ってしまいました。
そして、自分自身というよりも他の人たちから、先行きに対する疑いの念が、雪崩のごとく押し寄せてきたのです。

彼らが言うには、…これは、自分についての一番最初の批評だったと思うのですが、「ドラマでの彼は、素晴らしかった。しかし、もう二度と、彼には別の仕事ができないのが残念だ。」と。
これからのキャリアや他の俳優が出てきたことをふまえて考えると、ということでしたが、本当に、あの言葉は、「 もしも、それが当たっていたら…」という恐怖感を僕に植え付けましたね。

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僕みたいな人たちのために

クリス:しかし、そのときの僕は、自分の若さ(18歳)に誇りを持っていて、「いや、僕は、そうはならないぞ。そんな闇の中になんか、大人しく入っていくものか。テーブルには、どんなときでも必ず自分の席がある(存在価値を認められる)ようになるために、できることは何でもやっていくんだ 。」と思ったのです。

なので、僕が意欲的な人間なのは、「世間が間違っている」と証明したいためだったのかもしれません。
さらに、今考えてみると、それは、「僕みたいな人にとって、世界をもっと暮らしやすい場所にしたい」がためであり、その気持ちが、今まで僕を駆り立ててきたのだと思います。

ー クリス・コルファー 2019.11.12 対談「インパクト・セオリー」より

ゲイであるがゆえの差別に対して、使命感を持って闘ってこられたことがうかがえます。

トム・ビリュー氏は、期待を込めて、このように返しています。

トム・ビリュー氏:僕は、君の手で人々を理解へと導いてほしいと、本当に願っているよ。だって、君なら、信じられないくらい強く、人の心を動かせると思うからね。

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