オーダーメイドウィッグの価格はどうやって決まるの!?実際に作る時の流れを完全公開!
ウィッグを初めて購入しようか悩んでいると、既製品ウィッグとオーダーメイドウィッグとで価格に違いがあることに気づくと思います。
オーダーメイドなのだから既製品よりも高価になるのだろう、ということはなんとなく分かりますが、実際に買うとしたらいくらになるのかご存知ですか?
インターネットで調べても、なかなか情報として出てこないと悩んでいる人も多いでしょう。これにはオーダーメイドウィッグは価格帯に幅があるという理由や、メーカーによる営業戦略など、色々な理由があります。
この記事では、オーダーメイドウィッグの購入を考えている方に向けて、元カツラメーカー勤務・元美容師の私が、オーダーメイドウィッグはどうして金額的な情報があまり出てこないのか? と、どう価格が決まるのか? を、解説していきます。
どうしてオーダーメイドウィッグは金額の詳細がなかなか出てこないのか?
オーダーメイドウィッグの金額が分かりにくくなっている理由としては、大きく分けると
・人によって金額が変わるから
・営業戦略
・コンプライアンスの問題
などがあります。
1つずつ見ていきましょう。
人によって金額が変わるから
ウィッグの価格はその価格になるべきルールがあり、そのルールに基づいて決まります。
また、その人の望むヘアスタイルや予算、使用目的などは購入する人によってそれぞれ異なりますよね。
オーダーメイドウィッグの価格帯は大体20万円~100万円強。かなり価格帯に幅があるので、一概に金額を提示することが難しいというのが大きな理由となります。
メーカー側の営業戦略
オーダーメイドウィッグの販売員は営業マンです。実際に私も従事していた経験があるのでよく分かりますが、自分の営業成績の為にはできるだけ質の高い高単価の商品をおすすめする必要があります。
この場合、営業手法としては先に金額を提示せず商品自体の良いところを出来る限り伝え、その後に金額を提示するというのが王道になります。これはオーダーメイドウィッグに限った話ではなく、テレビショッピングや、高級デパートに入っている化粧品販売員なども普通に行っている営業方法です。
出来る限り金額を伏せた状態で実際に見て商品のことを知ってもらい、そこから販売につなげる為にあえて金額を分かりづらいようにしている、ということも往々にしてあります。
コンプライアンスの問題
オーダーメイドウィッグは価格が高価なものになりますから、コンプライアンスの問題が常につきまといます。あくまでメーカー側の都合になりますが、メーカーは「一個人に過度にウィッグを販売するとコンプライアンスに抵触する」というルールがあるのです。
実際に私が勤めいていたウィッグメーカーも「一個人に年間200万円以上の販売をしてはならない」という決まりがありました。これを越えると、購入した方の配偶者や子供などの身内へ事実確認の連絡が入ります。
ウィッグ購入者のなかには、身内の方には内緒でウィッグを購入している方もいますし、できればウィッグにどれだけのお金をかけたかは秘密にしていたい部分ですよね。ウィッグメーカー側もあまり大事にはしたくないですし、最初からお客さんへウィッグの金額を公表していなければ穏便に済ませやすくなりますから、オーダーメイドウィッグの金額はできるだけ伏せるようにされています。
オーダーメイドウィッグの価格はどう決まるか?
実際にオーダーメイドウィッグの価格がどう決まるかは、サイズとベースの種類によります。
毛を植えるベースのウィッグサイズが大きくなればなるほど価格は上がり、使用するベースのグレードが上がるほどに価格が上がります。ちなみにベースのグレードを上げることのメリットは、ベースが薄くなることで軽くなり、より自然なウィッグになるということです。
フルキャップと呼ばれるような頭全体を包むほどすっぽりと納まるサイズは、1番高価なウィッグになります。
ウィッグの適正サイズの測り方は共通
頭の大きさは個人差があるものですが、ウィッグの適正サイズの測り方はどんな人でも共通です。具体的なサイズの測り方は、生え際から指2本空けた箇所~つむじの下まで、になります。
この縦の長さがその人のウィッグの適性サイズ。その長さにバランスよく横幅を設けることで、適正なウィッグの形を作ることが出来ます。
この縦と横の長さを掛けた面積値に、ウィッグのグレードを照らし合わせたものがウィッグの価格となります。
ウィッグの一般的なサイズ
この縦の長さの標準的な値としては、およそ180mm~200mm。横の長さもそれに合わせてウィッグとして適した長さになると、160mm~180mmほどになります。
一般的にはこのぐらいのサイズが1番多いベースの大きさになり、価格としては大体45万円~60万円ほどです。
もともと頭のサイズが大きな方や、加齢によってつむじが下がってきてしまった高齢の方であれば、縦の長さがどんどん広くなります。
それに合わせて横の長さも広くなりますので、結果的に面積値が増え、高価になっていきます。
実際にオーダーメイドウイッグはどんな流れで購入するのか?
ここからは私がカツラメーカーで勤務していた時に実際に行っていた、新規のお客さんへのオーダーメイドウィッグの購入案内を、時系列に沿って説明していきます。ちなみに私がウィッグ業界に従事していたのは数年前になりますので、多少の変更点があることご留意ください。
来店
新規でオーダーメイドウィッグのメーカー店や、販売会などに話を聞きに行った場合、応接室やブースに案内されます。飲み物を飲みながらカウンセリングが始まります。
アンケートを記入
過去にウィッグを購入したことがあるか、普段の使い方のイメージはどんな感じか、髪の毛への関心はどうか、などをアンケートに記入します。
この間に販売員はお客さんの身なりなどをチェックし、どれくらいの予算を想定して来店しているかおおよそで推測しています。
サンプルを見せながら商品の説明
ウィッグのサンプルは数多くの種類があるので、それを1つ1つ見せるようなことはしません。
1番ベーシックなタイプのウィッグと、新製品のウィッグ、小ぶりな片手サイズぐらいの楽そうなウィッグの計3種類ぐらいを見せながら、それぞれの製品の特徴を説明していきます。
この時にどれだけ商品の説明をお客さんに分かりやすく、かつウィッグ購入後の生活をイメージさせることが出来るかが成約のカギとなりますので、販売員も熱が入るところです。
採寸作業
サンプルの説明が終わったら、実際にお客さんの頭の型をとり、ウィッグの採寸作業に入ります。
オーダーメイドで帽子を作っているかのように、頭のサイズを測って生え際やつむじの位置をチェックし、適正サイズをここで把握します。
ここがしっかりと出来ていないと、製作後のウィッグに余計な空間ができ使いづらくなってしまうので、販売員の腕の見せ所でもあります。
価格の提示
採寸が終わった後、サンプルでお見せしたウィッグのグレードと照らし合わせて、面積値との比較によっていよいよ価格の提示となります。
もともと頭が大きいなどがなければ、ここで提示される金額は大体前述した45万円~60万円ほどになるはずです。
その中で気に入ったもの、予算に合うものをお客さんが選んでいきます。
成約
予算と気に入ったウィッグが合えば無事成約。この後、契約書や重要事項説明などの細かな書類上の手続きに進んでいき、作成日数や納品日などを決めていきます。
髪色、長さの選定
髪の毛の長さや色などを選定し、お客さんのイメージに合うように髪質のカウンセリングをしていきます。もし今の髪の色よりも明るくしたい、髪の毛をこれから伸ばす予定なので長くしておいてもらいたいなどの希望があれば、この時にしっかりと伝えておきましょう。
長さや色を指示書に記載することになるので、しっかりと希望を伝えておくことは非常に重要です。
契約書にサイン
その他諸々の注意事項や説明を聞き、ご納得いただければ契約書にサインをしてこの日は終了となります。
納品
契約書にサインをした時に決めた納品日に各メーカーのサロンに向かい、完成した実物のウィッグとご対面となります。
地毛と合わせる為の微調整をここで少し行い、問題なければ納品完了。代金を支払って終了となります。
まとめ
初めてオーダーメイドウィッグを購入する場合、1番不安なのは金額とその後の流れだと思います。
メーカーによってはこの記事で書いた内容と多少違う部分もあるかもしれませんが、大まかな部分では相違ないはずです。
是非、ご参考にしていただければと思います。
<ライター>ダイゴ
元カツラメーカー勤務、現・美容師のライター。これまでと現在の経験を活かし、ウィッグに関する有益な情報を紹介していきたいと思います。
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