ウィッグの必需品! インナーキャップの必要性や種類、価格相場を元プロが解説!!
インナーキャップを知っていますか?
医療用ウィッグなどのフルウィッグを使用する場合にとても重要な役割となる、水泳帽のような形状をしたものです。
フルウィッグを購入した際にセットで販売されている場合もあるので、初めてウィッグを買った人は「なんのために使うの……?」と悩んでしまうかもしれません。
この記事では、元カツラメーカー勤務&現美容師の私が、インナーキャップの役割と使い方について解説していきます。
インナーキャップとは?
インナーキャップとは、フルウィッグを着用する際に使用する頭皮用の保護ネットです。
使用目的としては
・頭皮の保護
・ウィッグのズレ防止
・髪をまとめる
・汚れを防ぐ
が、あります。
手のひらサイズの小さめのウィッグや、ハーフウィッグには使いません。
全頭を覆うほどの大きめのウィッグか、医療用などのフルウィッグの場合にのみ使用します。
インナーキャップはなぜ必要なの?
インナーキャップが必要な理由はいくつかありますが、その理由はウィッグ自体の使用目的や、頭皮、髪の毛の状態によって異なります。
ここでは、必要な場合の例をご紹介しましょう。
1番の目的は頭皮の保護
特に医療用ウィッグを使用する方の場合、治療による影響で頭皮自体がとってもデリケートです。直接頭皮にフルウィッグを使用するとしたら、ウィッグ用のストッパーやウィッグ用の両面テープなどでウィッグを取り付けることになり、頭皮へのダメージが心配されます。このストッパーや両面テープなどの取り付け具が、弱った頭皮に刺激を与え、かぶれや炎症の原因となるからです。
こういったことを防ぎ、頭皮を守るのが、インナーキャップの1番の役割となります。
ズレ防止のため
既製品ウィッグを購入した場合、サイズが微妙に合わない、ということがあります。
オーダーメイドウィッグであればあまりそんなことは起きないのですが、既にサイズの決まっている既製品ウィッグだと、しっくりくるものにはなかなか出合えません。
そんな時は少し大きめのウィッグを購入し、ズレ防止のためにインナーキャップを使用します。
それでもまだズレが生じるようであれば、インナーキャップの上からストッパーや両面テープを使用する、などをして対処するのがよいでしょう。
髪をまとめるため
地毛が長くウィッグのなかに髪の毛を入れ込むのが大変なときに、インナーキャップを使う場合もあります。この場合は水泳帽のような形のキャップではなく、トップに穴の空いた円柱のような形をしたインナーキャップを使用するのが一般的です。円柱状のインナーキャップを使うと、キレイに地毛をまとめた上で、ウィッグを着用する前のベースをなだらかにする事が出来ます。
慣れは必要ですがしっかりとヘアスタイルを作り、ウィッグを安定させるためにはとても大切なことです。
ウィッグの汚れを防ぐため
頭皮というのは実は、かなり体の中でも汚れやすい箇所です。特に夏場の汗をかきやすい時期は、ウィッグが汚れやすくなります。
ウィッグに汗が付着すると、変色や菌の繁殖、異臭の原因となることも。そんな状態になったウィッグを毎日装着すると、結果的に頭皮の状態も悪くなってしまい、悪循環となります。
頭皮に直接ウィッグが触れないようにして汚れを防ぐことも、インナーキャップの大事な役割です。
インナーキャップはどんな人に必要?
インナーキャップは、基本的にフルウィッグを着用する全ての人に必要です。なかでも、治療中で医療用ウィッグを使用している方の場合は必須でしょう。
インナーキャップを使用しなくてはいけない大きな理由は頭皮の保護ですが、上記のようにウィッグのズレ防止や、汚れを防ぐためにも大変役立つものです。
オシャレ用のウィッグを使用している方でも、着用前のベースを整えるためや汚れ防止としての衛生面を考え、使用するようにしましょう。
インナーキャップの買い換え時期は?
インナーキャップ自体も、使用しているうちに少しずつ劣化していきます。頭皮に直接触れる部分の素材がゴムなので、長く使用していくとゴムが伸びきってしまいゆるくなるのです。
また、ストッパーやウィッグ用の両面テープによって、ネット部分に穴が空いてしまうこともあります。このようなインナーキャップの破損が起きた場合は、買い換えを検討しましょう。
インナーキャップ自体は見た目の割に意外と丈夫な製品が多く、常識的な使い方をしていれば簡単に破損するものではありません。使用頻度にもよりますが、多くは半年~1年ほど問題なく使えます。
破損したインナーキャップを使用していると、ウィッグ着用時のヘアスタイルにも悪影響を及ぼす可能性がありますので、不調を感じたらすぐに買い換えた方がいいですね。
インナーキャップは2~3枚をローテーションして使うのがおすすめ
1枚のインナーキャップを長く使えるようにするのと同時に、不意なインナーキャップの破損にも対応する手段として、数枚のインナーキャップをローテーションして使っていくことがおすすめです。
インナーキャップ自体はウィッグ用の肌着のようなものなので、常にスペアは必要になります。2~3枚のインナーキャップが常時あるようにしておくと、クリーニングなどにも常に対応することができますし、夏場で汗をかいて臭いが気になる際も安心です。
また、インナーキャップは1枚を連続使用するより、ローテーションして使った方が1枚1枚の寿命を長くすることにも繋がります。
インナーキャップにはどんな種類がある?
インナーキャップにはいくつかの種類があります。
大きく
・ネットタイプ
・コットンタイプ
に、分けることができます。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
ネットタイプ
ネットタイプのインナーキャップは、オシャレ用のウィッグを使用している方向け。ウィッグ購入時にウィッグに付属されているインナーキャップは、大体このネットタイプです。
主な役割は長い髪の毛をまとめるためで、ウィッグ着用前のベースをなだらかにしてくれます。地毛を押さえつけるような設計になっているので、余計なボリュームが出づらくなり、ファッション性が上がるのが特徴です。
コットンタイプ
医療用ウィッグに使用されるインナーキャップは、主にコットンタイプです。糸自体が柔らかい素材でできているので、肌触りが非常に優しく、お肌への刺激が少なくなるようにできています。
治療によって頭皮が敏感になっている方には特におすすめ。着用時のつけ心地がとてもよくなります。
医療用のインナーキャップはアジャスター付きがおすすめ
治療の段階によっては、髪の毛の量が変わってしまい、それによって頭のサイズも変わってくることがあります。
サイズが変わる度に新しいインナーキャップを購入するのは手間ですし、お金もかかりますよね。
アジャスター付きのインナーキャップは、つけた後にご自分でサイズの微調整をすることができるので、毛量の変化しやすい治療段階に入っている方にはぴったりです。
インナーキャップの値段はどれくらい?
インナーキャップはインターネット通販でも購入することができます。値段は、2,000~3,000円ほどの金額帯のものが多く、ほとんどが2~3枚セットで販売されています。
ただ、アジャスター付きのインナーキャップはあまりインターネットでは販売されていません。
また、毎日使うものですので、しっかりと実物を見て試着した上でサイズを決めるのがベター。ご自分に適したインナーキャップに出合えると思います。
専門サロンであれば種類も豊富。金額的にもネット通販とあまり変わらない値段のものもありますので、初めてインナーキャップを使用する方は一度専門サロンに相談してみた方がいいですね。
まとめ
インナーキャップは慣れればとても使いやすいものですし、ウィッグを使用する上で重宝します。ご自分に合ったインナーキャップを見つけることができれば、ウィッグライフもより素敵なものになるはず。
使用目的や用途をしっかり把握して、ご自分に合ったインナーキャップを探してみてくださいね。
<ライター>ダイゴ
元カツラメーカー勤務、現・美容師のライター。これまでと現在の経験を活かし、ウィッグに関する有益な情報を紹介していきたいと思います。