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【続いてる写経 902日め】〜映画で玄奘三蔵の足跡を学ぶ
午後出かけようとしたら激しい雷雨となってしまい、アマプラで映画を探して『三蔵法師~玄奘の旅路』を見ることに。
唐の時代に中国・長安から天竺(インド)へ旅をし、仏教経典を持ち帰って翻訳した偉大なる僧侶、玄奘の旅行記です。
(ちなみに『西遊記』の三蔵法師のモデル、夏目雅子ではありません)
日本で現在普及している「般若心経」の漢語訳は玄奘によるもの。
毎日般若心経にお世話になっている身として、謹んで鑑賞いたしました。
玄奘は、仏教発祥の地・天竺へ行き、本物の経典を持ち帰ることを望みましたが、当時は他国への旅行が禁じられておりました。動乱に乗じて長安を出たものの、違法出国扱いで各地で追われることに。道中彼の意志に賛同した有力者が手引きしたり、支援することで何とか旅を続けていきます。
その旅の風景がさすが中国!というスケール。西域や、タクラマカン砂漠、天シャン山脈など、素晴らしい風景の連続でした。
ほぼ一人きりで延々と歩き続け、時には命を落としそうになりながら4年かけて天竺(インド)のナーランダ寺院にたどり着くのでした。
天竺で学び、釈迦ゆかりの地などを巡ったのち、唐へ膨大な経典とともにもどったのは、出国から17年後。
持ち帰った経典は657部、馬を25頭使ったとか(諸説あり)。
そこから大般若経600巻を含む膨大な経典を生涯かけて漢語訳したということです。その恩恵はもちろん日本仏教も大いに受けているわけですね。
エピソードには映画的な脚色が多く入ってると思われ、どこまで玄奘が弟子に書かせたという『大唐西域記』に基づいているのかはわかりません。
地味なテーマの映画なので、無意味に美女を登場させ、華が添えられたりします。
そもそも玄奘役の俳優さん、ホアン・シャオミン氏は「最も美しい中国人」に選ばれたことがある美形でした。スター性重視のため、ちょっとカッコ良すぎるのではないかと、思うこともしばしば…。
と、詳しい人ならばさらにツッコミどころがたくさんある映画なのでしょうが、玄奘三蔵の偉業や足跡について、ダイジェストにイメージすることができたのは拾い物でした。
車も電車も飛行機もない時代。よくこんな長い旅路を歩けたなあと地図を確認して気が遠くなりました。
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気になったのは、挿入歌として流れる『般若心経』。中国語の般若心経が美しいメロディをつけられて、歌となっているのです。
スタッフロールをみたら、歌っているのは「王 菲(フェイ・ウォン)」!
まさかのワタシも知ってる大スターでございました。
これは気になる。 (つづく)