【続いてる写経 1313日め】「京都・南山城の仏像」、観音像の裏覗き
東京国立博物館で開催中の「京都・南山城の仏像」展、今週末で終わってしまうので慌てて出かけて行きました。
京都府の最南端に位置し、奈良との境にあるエリアを「南山城」というそうです。このエリアには有名な浄瑠璃寺さんがあり、今回の展示も浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念だそう。
昨年浄瑠璃寺さんへ行ったとき、確かに修復中で阿弥陀様は何体かお留守でした。九体が無事修復完了となったとは嬉しい限り。
修復完成した阿弥陀如来像は展示室中央に鎮座、威厳ありました。
浄瑠璃寺さんで鑑賞したときよりも大きく感じたような…。
これが九体並んでいる浄瑠璃寺さんに行ってみたくなります。
今回の展示で面白かったのは、十一面観音像の十一面表情解説。
頭上面のうち前3面を菩薩面・穏やかな慈悲の表情、
左3面を瞋怒面、口を「へ」の字にして邪悪な衆生(迷える人)を戒めて仏道へと向かわせる怒りの表情、
右3面を狗牙上出面(くげじょうしゅつめん)・おこないの良い衆生を励ます表情、
うしろ1面を大笑面・悪への怒りが極まるあまり「わはは」と笑っている表情なんだそうです。
大笑面はつまり隠しても無駄よ、って話。こうなると真裏にある面がいちばん興味深い。
真裏は大爆笑ってユーモアがたまりませんね。
真裏の顔、よく見たい。。
アートスコープ持参したので細かい点までみられましたが、裏側まで回り込んで見られる展示は少なかったので、破顔の表情はいまいち拝みきれなかったのは残念。
アートスコープでみると、それぞれの違いや芸の細かさがよくわかり重宝します。
目の悪い自分には、仏像や美術鑑賞には欠かせないグッズです。
他には、先日観た「五大明王展@仁和寺」の壁画の影響か、明王系が気になるところ。
今回展示されていたのは、京都・寿宝寺の降三世明王。踏んずけているシバ神や、その妃の烏摩(うま)の表現がそれぞれ違うのですよ。ふんずけるとしても、仮にも神様ですから
明王側にも踏みつけの遠慮が見えるような…。
製作者の配慮でシバ神様の表情がおだやか、忖度ぶりが垣間見えるのが面白いのです。
あと、弁髪のない不動明王様もいらして、まだなりたて風でちょっと可愛らしかったです。
この特別展は奈良国立博物館では展示数がもっとあったようですけど、東京ではその一部でこぢんまりでした。
その分何度も気に入った仏像をゆっくり、じっくり眺めることができるのがメリット。広すぎると疲れちゃうし、戻れないから…。
トーハクは常設展も充実してるので、余力はそちらの展示鑑賞で。
ここも外国人観光客に人気スポットのようで、特にフランス語がよく聞こえました。
毎回とても良いものが鑑賞できるトーハクはやっぱりいいですね。
近々、平成館で開催中の「やまと絵」展にも行かねば。