PRスキル2「PRコンテンツ情報収集スキル」
企業全体から効果的にPRコンテンツを集めるための課題と解決方法が「PRコンテンツ情報収集スキル」
私はこれまでカレー専門家に加え広報PRコンサルタントとして約20年にわたり、数多くの企業や団体に対してPR指導を行い、企業取材を通じて多くの広報活動に携わってきました。その中で、特にメディアに頻繁に取り上げられる企業には、必ず共通したスキルや手法が存在することに気づきました。その実践的なスキルについて、具体的な事例を交えながら詳しくご紹介します。
広報活動が停滞する原因と主な理由
広報活動が停滞する原因として、PRコンテンツの不足が挙げられます。この問題を引き起こす主な理由は以下の3つです。
理由1:広報知識の不足
多くの企業では広報部以外の部署や社員が広報の基本的な知識を持っていません。そのため、どのような情報が広報コンテンツになるのか理解できておらず、広報部への情報提供が少なくなっています。
また、広報活動の重要性や影響力を認識していないため、情報収集の協力体制が整っていない現状があります。
理由2:コンテンツ提供のメリットを理解していない
多忙な日常業務の中で、他部署の社員は広報活動の優先順位を低く見がちです。広報部に情報を提供することが、自分の部署や企業全体にどのようなメリットをもたらすのかが明確でないため、情報提供の意欲が低いという課題があります。
理由3:情報伝達の仕組みが不明確
広報部への情報提供の手順や方法が確立されていない企業も多く、社員が「どのように情報を伝えれば良いのか」分からないことがあります。その結果、有益な情報が埋もれたり、広報部に届かなかったりするケースが発生しています。
PRコンテンツ収集を強化するための解決策
広報活動が停滞しないための方法として次の3つをお教えします。
解決策1:広報知識の浸透と教育の強化
広報の基礎知識を全社的に浸透させることがコンテンツ収集の第一歩です。
①新人研修に広報教育を導入
新入社員向けの研修プログラムに広報に関する講義を組み込みます。広報 部長や広報担当者が、企業の広報方針や戦略、PRコンテンツの意義について講義することで、新入社員の段階から広報意識を高めることができます。
②定期的な広報研修の実施
各部署の代表者を対象にした定期的な広報研修を実施します。広報活動の必要性や成功事例を共有し、各部署で広報に関する知識を深めることで、情報提供への意識を高めます。
解決策2:コンテンツ提供の重要性を認識させる施策
社員が「広報に協力することのメリット」を実感できる環境を整えます。
①PRイベントへの参加機会を提供
関連部署の社員にPRイベントや広報会議に参加してもらい、広報活動のプロセスや成果を体験させます。これにより、広報の重要性を実感し、自ら情報提供を行う意識が高まります。
②掲載事例集や成功事例の共有
広報活動によって得られた成果やメディア掲載事例を社内で共有することで、広報活動の効果を具体的に示します。自分たちの部署の情報が広報に活用されることで得られるメリットを理解してもらいます。
解決策3:情報伝達の仕組みを整備する
効果的な広報活動には、スムーズな情報伝達が欠かせません。
①社内情報共有システムの構築
イントラネット上に広報用の情報提供フォーマットを作成し、各部署が簡単に情報を提出できるシステムを構築します。これにより、情報の伝達が効率化され、広報部への情報提供が促進されます。
②広報連絡会の定期開催
情報を取り扱う部署の担当者を集めた広報連絡会を定期的に開催し、各部署からの情報を一元的に収集します。さらに、部署間の連携を強化し、広報部との情報共有の円滑化を図ります。
まとめ
効果的な広報活動には、全社的な協力と理解が不可欠です。広報知識を浸透させ、広報活動の重要性を認識させるとともに、情報伝達の仕組みを整備することで、企業全体からPRコンテンツを効果的に収集することができます。広報先進企業はこれらの施策を駆使し、内外の情報を的確に取り込み、広報活動の質を高めています。
【参考情報】
井上岳久が講師で広報PRのスキル及びテクニックを伝授する
最高峰の広報研修機関「日本広報教育センター」とは?
日本広報教育センターは、企業の広報力の底上げを目指し、広報パーソンの教育や研修を展開する機関です。
広報の力によって、企業の価値は左右されます。広報を確実に展開させて企業価値を高めるためには、広報の基礎知識と実践力を持った広報パーソンの存在が不可欠ですが、国内にはその育成機関がほとんどありません。
そうした現状を踏まえ、日本広報教育センターでは、次の3つの事業を柱に、成果を出せる広報パーソンを育成していきます。
<主な事業>
・広報PR研修事務局
~広報担当者や広報スキルを得たい方などを対象に研修を実施
・PRエキスパート資格
~広報の専門家を目指す方やキャリアアップを希望する方などに向けて 認定資格試験を実施
・戦略PR協会
~広報PRの専門家や実践者などが行う最前線の広報活動事例紹介を実施
<日本広報教育センター https://nihon-prec.jp/>
◆ 講師紹介:井上岳久氏とは?
実は、井上岳久氏はカレー専門家に加え、戦略広報および戦略PRコンサルティングの分野で長年活躍している、広報界のトップコンサルタントです。最先端の経営戦略である「戦略広報経営」の研究と実践においても第一人者として知られ、その豊富な知識と経験で数多くの企業を支援してきました。中小企業診断士の資格を持ち、慶應義塾大学経済学部を卒業後、事業創造大学院大学では客員教授も務めています。
これまでに広報に関する著書を20冊以上出版し、コンサルティング支援を行った企業は300社を超えます。さらに、宣伝会議や経営合理化協会、広報専門学校などの教育機関で15年以上にわたり人気講師として教壇に立ち、広報人材の育成に貢献してきました。特に、宣伝会議主催の「広報担当者養成講座」では、広報の基礎から応用までを指導し、多くの企業広報担当者から高い評価を得ています。
その講演活動も非常に活発で、年間120回以上、大手企業の研修や広報講座で登壇し、実践に基づいた広報戦略の重要性と効果的なPR手法を伝えています。井上氏の指導を受けた広報部門は、確実に成果を上げ、企業の成長を支える強力な広報チームへと変革を遂げている。