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【白井未衣子とロボットの日常《反転》】8・力説の日《6》

※先に《共闘》ルートの『1・正夢の日』『2・復讐の日』を読む事をオススメします。
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。

「俺をここに連れてきたのが失態なのかもしれん。俺を置いておけ。あのHR集団ならば、[ラストコア]で倒せるだろう。」
マルロはこの付近で止まるつもりでいくようだ。
それは逆に、一部でも[天海山ユートピア]の施設を破壊するようなものだ。
どうせなら。

「マルロ、【パスティーユ】のコックピットに一緒に乗ろう!
どのみちここは攻撃してくるんでしょ?
手を繋いでよ、そしたら飛べるかもしれないから。」
「何を言っている。俺は属してるとは言え、仮にも『敵』だぞ!」
「こんな所でもたついてたら、アレックスさんにいびられるよ!」
『アレックスさん』の名前だけで、マルロは黙った。
相当弱みを握られてるね、ちょっぴり同情したくなった。

「…わかった。お前の手を握る。
すぐに飛ばせ。敵の攻撃にやられるぞ?」
「今連絡取るわ。…和希兄ちゃん、勇希兄ちゃん!今そっちに行くよ!」
私は《転送装置》で兄達に連絡した。

『未衣子!今切羽詰まってんだよ!』
「一方的に回線切ってごめんね。もう大丈夫だから。マルロも一緒に連れて行くから!」
『はあ、ソイツ置いとけ…。』
否定の意見が出たので、回線を切った。

「いいのか?今切っただろう。」
マルロは私が即座にボタンを押した事に、戸惑いを感じていた。

一方的に回線を切ったから、私と兄弟との絆にヒビが入らないか心配してるんだろう。
「大丈夫。後で話すれば納得するわ。
理解者がいるからね。」
「理解者?」
「コックピットにいればわかるわ。
さあ、早く手を繋いで。絶対に離しちゃダメだよ?」
「ガキじゃあるまいし、暴れるもんか。」
アレックスさんに対してかなりの拒絶感はあるのに。
マルロじゃなくても、変わった研究者にはドン引きする気持ちはわからなくもないけど。

マルロは私の左手を繋いだ。
私は《転送装置》を発動させた。

私達の周りを流星みたいな光線が包み込み、堤防近くの場所から姿を消した。

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明日もお楽しみに!

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