スキー場の売店
冷んやりした冷気が頬に刺さる。お昼ごはんの時間だ。急足でコンビニへ向かう。
数100メートル先のコンビニへもいつもは車で向かうのだが、今日はあえて歩いてみようと思い立った。数日前から雪が降り始めたのだ。大人になってから、子供の頃よりも雪道を歩くことはめっきり減った。
靴底に滑り止めのついたお気に入りの冬用ブーツを履いてきたし、無敵な気分だ。
連日続いた雪は、皆に踏み固められ、圧雪されガリガリになっている。歩くたびにジャリジャリと足音が鳴り響き、心地よい。
足元を見ながら、凍っているところはないか、細心の注意を払いながら歩く。
ふと、機械的なものの跡が雪の上に規則的に並んでいるのが目についた。車のタイヤの跡かな?それにしては大き過ぎる気がする。
ああ、きっと除雪車のタイヤの跡だ。朝早くから雪をよかしてくれていたんだろう。出勤した時には、会社の駐車場はきれいになっていた。
私の見えないところで、朝から誰かが頑張ってくれている。
買ってきたサンドウィッチとサラダを持って会社に戻ると、足元の雪をずっと見ていたからか目がチカチカした。
むかし父とスキー場に行った時のことを思い出す。晴れた日によく一緒に行ったスキー場、小腹が減って売店に入り何か食べようとしたときの感じと一緒だ。チカチカした目で、売店のメニューを一生懸命に選んでいた。
父は、元気にしているのだろうか。
急に、会いたくなった。
さぁ、エネルギーチャージをして、午後からも頑張ろう。スキー場の売店から、元気に飛び出して行ったあの頃のように。
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