『ミッドナイトスワン』を観て
学生時代によく母と買い物に来た地元のショッピングモール。車を購入してから一緒に来る事はめっきり減った。
たまの平日休み。母を誘って映画『ミッドナイトスワン』を観に来た。
トランスジェンダーの主人公・凪沙が従兄弟の子供・一果を預かるところから物語は始まる。母が子を思う気持ち。
「あんたの為を思って」
私も何度言われてきただろう。こちらがお願いした訳ではないのに、それを押し付けてこられるのが、当時は堪らなくうざったかった。
歳を重ね、今では凪沙の気持ちが良くわかる。どうしたらこの子のやりたい事させてあげられるか。才能を伸ばしてあげられるか。
母も、同じ思いで私を育ててくれたのだろうか。映画を観終わって、なにかこそばゆい感じがしてお互い無言のままだった。