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アートってなに?のハナ氏。
こんにちは。ハナ氏です。
まずは、なんとなくでもこのページを開いてくださり、ありがとうございます。大変光栄です。
昨年2024年にC.D.WORKERSで印象的だったこといえば、ARTBOXが国内や海外のコンペでたくさん受賞したこと・・ そこで、改めてアートってなんだろうということを質問してみました。 日本でなかなかアートが普及しない現状と、日本と海外のアートでは、さまざまな仕組みが違うことを教えてもらいました。
そして、アートの概念は自分自身が心揺さぶられるもの・・ということで、それならばアートって意外と身近なものなのかもしれないと感じました! 人それぞれ、アートと感じるものは違うのかもしれませんね。
アートってなに?
ハナ氏:2024年、C.D.WORKERSの中で印象に残ったことなんですけど、 “ARTBOX”が国内とか海外の有名なコンペでたくさん受賞したじゃないですか?すごいですよね!
・・それで、アートアートっていってはいたのですが、アートっていまいち ピンときてないなというか。だから、アートって何だろう?と改めて思って。
ボス:アートって、一般的には絵とかオブジェ、建造物、音楽、映像とかが全体的にアートってよく言われてるものだと思うんだけど。
アートってなにかって調べてみると、”人々の心を動かす あらゆる作品や活動”って出てくるんだよね。
へんなデバイス(先入観)をなくして考えた場合は、“自分が感動するもの”ということだと思う。それが、その人にとってのお気に入りのアートとして捉えればいいかなとは思う。
アート作品が難しい、わからないという人は、コンセプチュアルアートをみてわからないとなったんじゃないかな?技術的なテクニックとかでなくて、作品に込められた発想とかさ、考えを重んじる概念芸術だから、読み解かないと何が何だかわからないんだよね。
アートってさ、それをつくるアーティストがいて、その人が感じる社会的課題とか、表現したいことというのを自由に作品に落とし込むからさ。それを感じることが、好きな人はハマるけどそうじゃないと拒否反応が出ちゃうよね。拒否反応出ちゃう人にとっておすすめなのは、とにかくわかりやすい作品を見て楽しむ。それに対して心揺さぶられて感動すれば、それは一つのアートだから。ちなみに、アートっていうとなんだと思う?
ハナ氏:絵とか・・今思いついたのは食器とか・・?
ボス:なるほどね。それも心揺さぶられるものであれば、たしかにアートだよね。一般的にわかりやすいのは、スケールが大きくて体感できるものかなと思っていて。ダイナミックな建造物とか建築もアートって言われるときあるじゃん。例えば、僕の好きな建物でいうとルイス・バラガンという人がいるんだよね。その人が自邸兼仕事場というのをメキシコにつくっているんだけど、それが世界遺産にまでなっているんだよ。
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ハナ氏:え!それはすごいですね。
ボス:建造物というのは、割と体感して感動できるものだから、アートとして捉えやすいかな。あと僕はエジプトが好きで・・・ピラミッドとかのあの形とかって壮大で、アートを感じない?あとモスク、イスラムの礼拝堂。
モスクの中にある照明がすごいダイナミックなんだよね。
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圧倒的な存在感に感銘を受けて、そこで僕は照明というのを自分のデザインの軸のひとつにしようと思ったわけだから。
これってある意味アートによって心を揺さぶられた感じだよね。
わかりやすくダイナミックな空間って、アートが苦手な人でもいい感じに感じることは あるかなと思っていて。そういった意味では、今年やる大阪万博とか・・たくさんの建築物が並ぶことになると思うんだけど、建築物って大きいじゃん。大きいがゆえに時間もかかるから、本質を捉えてデザインしないとガラクタみたいになっちゃうんだよね。根っこに大きなメッセージ性が必要。それを体現した建築物というのは、たぶんアートとして捉えられる気がしていて。様々な国が、すごく大きな予算をかけてメッセージ性の高い建築物というのをつくるからさ。心を揺さぶられるものがあるかなと思っていて。
それでも感じなければ、そのアートというのが自分と合わなかっただけ。
例えばさっきの話、食器でもいいし、料理とかね。音楽でもいいじゃん。音楽で感動したりとかさ、何かわからないけど好きっていうのをこれもしかしたら角度を変えてみれば アートかもしれないよね。
アートって難しいようにみえるんだけど、広域的な解釈ができるというか。みる人によっては、それがアートにみえるけど他の人にはガラクタにみえたりする。自分の感性に合ったものを好きになればいいかなというのは思うよね。
日本人はアートが苦手な人が多い?
ハナ氏:日本ってアートを苦手な人が多いイメージがありますが、どうしてそんなイメージがあるんでしょうか・・?
ボス:最近はコンテンポラリーアート・・現代アートって言うんだけどさ。現代アートが盛んだけど、それって苦手な人も多いじゃん。基本的に日本っていうのはアートに触れる機会が少なかったんじゃないのかな?
例えば、住宅とかにおいてはアートを飾る壁が少なくて窓が多いとかさ。だから壁が少ないとか。
それから、ずっと問題になっているのは税金とかだよね。日本の税金の仕組みって海外に比べてメリット少ないんだよね。なんで、日本のアート作品も アーティストも海外に行ってしまう。ミューラルアートとか壁画とかっていうのは法的な規制もあるからさ。
ARTBOXって3人のアーティストが一緒に入ってやってくれているけど。
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その方たちがいってたのは、 日本は壁が少ないって。気軽に描けれる壁がないってやつだよね。それは、所有権の問題とか建築でいうと景観条例とか屋外広告物とかね。そういう法的制限があって、所有者とアーティストが描いていいよって言ったとしても、実現しないというのはよくある話。地域によっては、壁画の絵は屋外広告物じゃないけど、そこに文字が入ったら屋外広告物になるとか。道路から見える見えないで、広告物になるかどうかっていうのが変わったりとか。・・そういう細かいことがあるんだよね。“気軽じゃない”というのが 1つネックだよね。
あと、海外は好きなように描いていいよということが基本らしい。でも日本ってそうじゃない。希望とか要望を出すじゃん?そのアーティストの過去のworksとかをカタログのように使ってさ 、“こんな感じで描いてください” “こういうお題で” みたいな。アーティストにとっては過去のものだから、worksってそこまで テンションが上がらないこともある。何か自由で、新しい発想というのが一番価値があると思っているから、そういうところを理解してもらわないと描きづらいというか。いいものを、新しいものを生み出すってなると、まずそこを理解してもらうことをスタートとするというのはあるよね。特にアメリカとかは、アーティストとかクリエーターに対するリスペクトというのはとても高いからさ。 そういうことが普通に行われるんだよね。描きたいものを描いていいよ っていう。
あとは、アートに触れる機会が少ないよね。美術館に関しては、日本ってめっちゃ多い方なんだよね。アメリカ、ドイツに次いで3番目ぐらいに多いんだよ。でも、日本には世界的に有名な美術館ってほぼないんだよね。
ルーヴル美術館は聞いたことあるでしょ? ルーヴル・ランスはSANAAが設計したとか・・・メトロポリタン美術館とか。
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日本でいったらたぶん現代美術館ぐらいだよね、東京の。
美術館にしても、税金とかお金の問題はあるからさ。これが大きいよね。
例えば、公的な美術館にアートを寄付するというとき、日本では購入時の価格が所得から税金の控除をされるのが一般的。その控除額の上限もあるから、高額な美術品は控除しきれない。アメリカの場合は、寄付するときの時価総額というか市場価格で控除される。
分かりやすく言うと、100万円で購入したものが1000万円になりました。日本だったら100万円の控除しかないんだよ、価値1000万円あるのに。アメリカだったら、1000万円が税金の控除対象になる。
1億で購入したものが20億になりました。その差って大きいよね?
だから、アメリカというのは、こういうアートを美術館に寄付するというのが活発化しているというのがあるよね。アートが盛んな国・・超富裕層、ビリオネアといわれる人たちが、節税対策とかしたいというのもあって、この控除額というのは重宝されるよね。あとは、日本のアートが日本以外の海外に行っちゃう要因の一つというのが相続税問題もある。相続税を支払うことができなくて、アートを売るという。で、それを買うってなったら、日本の市場というのももちろんあるんだけど、税制優遇がある外国人の可能性もあるよね。これもアメリカとかだったら超高額美術品の輸入が無税とかというのはどうやらあるらしいからさ。税制の仕組みがうまくいっているよね。世界的に価値のあるアート作品というのは、自然とアートリテラシーの高い国とかエリアにいってしまうのはしょうがないかな・・。
世界のアート市場って、アメリカが40%ぐらい・・45%ぐらいなのかな?その次にイギリス、中国が両方とも20%ぐらいで。日本は4%ぐらいなんだよね。 そうなると、大きな市場で売買が盛んでアートに価値を感じてくれているエリアにアート作品がいくというのは自然の流れだから。日本の”国益の損失”ってよくいうんだけど、made in Japanのものがどんどん海外にいってしまう。こういう税制メリットが民間というかさ、個人単位であるから。
アメリカとかイギリスって、国の文化予算といわれるものがそんなに多くないけど、民間の寄付とか支援がかなりあるから活性化しているという背景もあるかな。韓国とかがいい例で、国の文化予算・・文化芸術の海外発信とか文化財保護とかに使われる国の予算というのが、経済産業省の資料をみてわかったんだけど、2020年頃日本はだいたい1100億ぐらいなんだよね。過去10年間で14%ぐらいの右肩上がりなんだけど、韓国ってもっと多いんだよ。3400億ぐらい・・3倍ぐらいだよね。これも過去10年からみると、129%だからものすごい上がってるんだよね。韓国のアーティストって、今世界市場にすごい参入してるじゃん。これってもしかしてこういうことの余波なのか直接関係なのかわかんないけど・・かな?とは思うよね。
日本人アーティストが減ってしまう?
ハナ氏:今の話を聞いていると、日本人で アーティストになりたいっていう人が 減ってしまうように思えました・・
ボス:そうだよね。アーティストの卵となる芸大生とかというのが、まず経営教育っていうのがあんまり受けられてないはずなんだよね。最近ちょっとずつ増えてきてるらしいんだけど。売るということの学問を積極的に進めていないという。芸術家として、例えば画家とかであれば、7割ぐらいが個人事業主といわれている。年商も他の仕事に比べて、極端に少ないんだよね。となるとなり手も少ないし、芸大美大の卒業進路っていうのも、さっきいった経済産業省のところに載っていて。2011年ぐらいでは就職組といわれる人たちが4分の1ぐらいだったんだけど、そこから10年後には 半分以上も就職しちゃうという。芸術家として食べていくというのは、非常に難しくて苦しいことなんだろうなとは思う。世界のトップアーティストランキングというのがあるんだけど、そのトップ100に日本人が入っているのは3人ぐらいしかいない。一位はアンディ・ウォーホルね。キャンベルのスープ缶やマリリン・モンローのポップアート。
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なかなかトップアーティストに入りづらいというのもあるし、アートを購入するというのも想像つかなくない?海外だったらディーラーとか大規模なアートフェアとかオークションとかあるじゃん。日本だったらと考えると、ギャラリーで買うというのももちろんあるし。あとは百貨店経由で買うとかさ、最近はオンラインとかもあるけど。なので購入経路もちょっと弱いのかもしれないよね。
海外だったらサザビーズとかって聞いたことある人が多いかもしれないんだけど、もうちょっと販路がうまくいって、オンラインがスタンダードに変わっていけば日本のアートを買うということも変わるかなとは思うかな。
アートとビジネスが融合して活性化されるっていうのが、まず一つ必要かなというのと。最近アート業界だったら、リセール(再販)市場の取引額の一部をアーティストに還元するというブロックチェーンが注目されているらしいからさ。出展します▸買います▸その一部がアーティストに入ります▸買った人がまた出展します▸買います▸その一部がまたアーティストに戻ります▸ お金としていくらか払います・・数珠つなぎみたいな感じで、もとのアーティストにも入るから。そうなってくるともっと経済的にゆとりはできるかなとは思うよね。日本のアートが発展するには課題が結構多いけど、それを乗り越えたら最初にいったアートの役割・・ 人々の心を動かすあらゆる作品というのが日常的にみれて、日本人の幸福度というのがもっと上がるんじゃないのかなとは思うよね。世界のトップコレクターといわれる人たちも、日本は今3人ぐらいしかいないけど、もっと増えるんじゃないのかなというのは思うし、そういう人たちの支援によって、日本のアーティストの人たちが海外に行かずに日本でしっかり活動できるんじゃないのかな。そういった意味もあって、“建築とアートの融合”を社会的に訴求したのが “ARTBOX”だったんだよね。なので建築デザイン以外にも、デザイン業界 アート業界の市場に対して新しい販路というか、それを見い出すことも考えたworksだった。
日本の建築技術も結構すごいじゃん。最近、木造建築とかがフランスとかで流行ってるからさ。フランスでは木造木質化が進められていて、これはサスティナブルの観点からなんだけど。19世紀は鉄、20世紀はコンクリートで、これからは木造木質化というのをやって、森林の生態サイクルというのを活性化させていく。サスティナブルなものをつくろうとしているというのが、フランスの今の動きだよね。これもアートの一環かもしれないよね。僕たちは建築の規模関係なくさ、建物だろうが小規模のプロダクトだろうが、その存在意義を考えてクリエイティビティをもって、創作活動とか空間デザインというのをしていきたいよね。それをまとめて “空気感をデザインする” それがC.D.WORKERSの仕事です。
もっと詳しく知りたい方は、ぜひYouTubeをご覧ください▾
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