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100名山64座目。紅葉の巻機山(井戸尾根コース)。登ってみるとわかるこの山の魅力。山頂付近の湿原が幻想的でした。清水のおすすめ民宿と魚沼の里もご紹介します。

2021年9月下旬 巻機山(まきはたやま 標高1967m 新潟県南魚沼市)に登りました。山頂から五合目付近の紅葉,湿原の草紅葉が見事でした。
雨のしっとりした湿原は幻想的で,一時の晴れ間に姿を現した山肌は青空をバックに赤や黄色に染まり,実にフォトジェニックでした。

深田久弥の日本百名山のなかではマイナーな存在だと思いますが,登ってみるとこの山の魅力がよくわかりました。

100名山を選ぶときに,リストの中から何を落とすのか迷ったほど山が多かったのが上信越だったといいます。数ある山の中で選ばれて残っただけのことはありますね。

沢沿いの登山道,山頂付近の湿原をはじめとした変化にとんだ植生,六合目付近から頂上まで,開けた登山道からの眺望のよさ。再訪する人は多いのではないでしょうか。

参考情報

南魚沼市ホームページ 巻機山
https://m-uonuma.jp/play/tozan/spot_mt_makihata

にいがた観光ナビ 巻機山・清水登山口
https://niigata-kankou.or.jp/spot/9737

行程 ~民宿に前泊して日帰り登山~

1日目(観光)

東京から六日町駅まで電車で行きました。
日中はレンタサイクルで六日町周辺を観光。夕方16:00のバスで六日町駅から南越後バスに乗り,16:25「沢口」下車,清水の集落にある民宿へ。

※登山口に近いのは「清水」というバス停,その付近に清水の集落があります。私たちは清水の一つ手前の「沢口」まで,宿の方が車で迎えにきてくださいました。六日町からのバスは日に7本,うち「清水」までいくのは3本,その他は「沢口」までの便です。

2日目(登山)

5:00朝食。5:50宿を出発 車で「桜坂駐車場」まで送っていただく(登山口に近いバス停「清水」から桜坂駐車場まで歩くと30分かかります)
6:08桜坂駐車場を出発(登山開始) 
7:06五合目
8:43八合目
9:08ニセ巻機山(九合目)
9:18避難小屋(昼食休憩)
9:56避難小屋発
10:21御機屋(※山頂の標識があるけど最高地点ではないので注意)
10:39巻機山最高地点 
(下山開始)
11:18避難小屋
13:31五合目
14:34登山口
14:37桜坂駐車場

久しぶりの登山,そして滑りやすい沢道に難儀し,下山しながら脚はすでに棒のようになり,ストックに助けられながらゆっくり歩きました。

巻機山井戸尾根コース 3つの特徴

特徴1 ぬかるみやすいジグザグの沢道

最初から急登が続きます。桜坂駐車場から,前巻機(九合目)くらいまで,ほぼずっと急登でした。そして,五合目までは沢道です。山頂に池塘が点在する湿原が広がっているくらいですから,道もぬかるみやすいです。

この日の天気は雨ときどき曇り。前夜も雨が降っていたので,足元がぬかるんでいて非常に滑りやすかったです。特に下山時は慎重に歩きました。

特徴2 巻機山の最高地点は,御機屋ではないので注意!

「御機屋」という標識があるわけではありません。九合目から山頂を目指して登ってきて,割引岳からの道と合流する地点があります。そこには「山頂」という標識があるので,あれ?思ったより早く山頂についたな,と思ってしまいました。「山頂」と書いてあるし,ここが最高地点なのだと思って記念撮影をすませ,眺望もないことだし長居せず,下山を開始しようとした矢先。
あとから来た登山者2人組(登山ガイドさんとそのお客様)の声が聞こえてきました。「ここから山頂まであと少しですよ」
尋ねてみたところ,最高地点はここから10分歩いた別の場所にあるとのこと!無事に最高地点まで歩いてきました。ちなみに最高地点にはケルンが積んであるのみでした。先ほどの御機屋のほうが山頂らしい雰囲気でした。

山頂(最高地点)


御機屋(山頂の碑もありますが,最高地点ではない)

特徴3 きれいな避難小屋 中のバイオトイレも清潔

九合目に2階建ての避難小屋があります。私たちはこの中で昼食をとりました。中はとっても清潔で,バイオトイレがありました。トイレに入ると,目につくのが自転車(写真撮り忘れました)。一瞬,トレーニングルーム?と錯覚したほど。中に説明が貼ってありました。トイレで用をすませたあと,バイオ燃料で攪拌するため,前に20回,後ろに10回,ペダルをこいでくださいとのこと。


巻機山の前日に泊まった民宿は泉屋さん

清水の集落には民宿が数件あります。私たちがお世話になったのは泉屋さんです。1泊2食7000円 +お弁当(おにぎり)600円でした。

夕食,朝食は山菜づくし。夕食時には八海山がふるまわれました。

夕食
朝食

何よりもご夫妻のホスピタリティに感動しました。ご主人は山岳救助隊を長年務められていたこともあり,登山コースの相談にものってくださいました。実は私,初日の観光時に,自転車で転んでひざをすりむいてしまったのですが,その傷の対処についても親身になって応急処置をしてくださいました。

登山のおやつには,みかんをもたせてくださいました。山で疲れたときに食べる柑橘類の甘酸っぱさは本当に疲れがとれます。登山者のツボを押さえたお心遣いに感謝です。

下山後はご主人が桜坂駐車場まで迎えにきてくださり,宿でお風呂をいただきました。お風呂のあとは女将さんからお茶まで出していただき,最後はバス停,沢口まで送ってくださいました。(前述のとおり清水のバス停が最寄りなのですが,六日町⇔清水のバスは本数が少ないのです)。

そして極めつけは,お土産に・・といって,採れたての山菜をもたせてくださったこと。朝食でいただいた山菜と同じものでした。さっと茹でて,マヨネーズをかけていただきます。もう,至れり尽くせりですよね。
巻機山に行く際は次回もぜひ泉屋さんにお世話になりたいです。

六日町の観光スポット。魚沼の里もオススメです

登山前日は昼頃に六日町に着きました。夕方のバスに乗るまでの約4時間がフリータイム。
魚沼の里が人気スポットとの事前情報のもと,そこで昼食をとろうと計画していました。
駅の観光案内所で相談したところ,六日町駅からはタクシーで15~20分くらいとのこと。ちなみに魚沼の里の最寄り駅は,お隣の「五日町」駅で,そこからはタクシーで10分です。タクシーで行ってもよかったのですが,予報がいい方に外れて天候は晴れ。夕方まで雨も降らなそうなので,運動がてら電動自転車でいってみることにしました。観光案内所で借りられる電動自転車,レンタル料金は3時間1000円です。ヘルメットも貸してくれます。
魚沼の里まで,電動自転車で約40分でした。道はほぼ平坦でしたが,途中トンネルが1箇所あり,車道を走るのがちょっと怖かったです。心配な場合はタクシー利用のほうがベターです。
八海山みんなの社員食堂にて,八海定食魚(銀鮭のっぺあんかけ)をいただき,猿倉山ビール醸造所にて,ライディーンビールのヴァイツェンをいただきました。
新潟県には緊急事態宣言が発出されておらず,それを知らなかった私たちは,思いがけずビールが飲めると知って大喜び!
サトヤベーカリーで買ったパンは,登山中の行動食に。

魚沼の里みんなの食堂
魚沼の里みんなの食堂
魚沼の里猿倉山ビール醸造所
魚沼の里猿倉山ビール醸造所

魚沼の里には,カフェや雪室,セレクトショップのようなオシャレな雰囲気のお土産物やさんも点在していました。自然散策しながら里山を歩けるように整備されているのですね。ここでのんびりと丸1日過ごしたいほど,素敵な場所でした。

イラストレーターの平野恵理子さんが描いた 「魚沼の里 四季の道」

六日市駅周辺には,六日町温泉も点在しています。魚沼の里で食事や買い物をして,駅の近くで温泉に入るのもよいですね。
今回,私たちも登山後に温泉に立ち寄る予定でしたが,泉屋さんのご厚意に甘えて宿のお風呂をいただくことにしました。

おわりに~100名山あと36座,今後のペース配分を考えてみました

100名山の制覇を目指して山登りを続けているものの,アクセスのよい山はほぼ登ってしまいました。結果的に,今は年1,2座ペースとなっています。このままだと100座を登る前に人生が終わるか,体力が追い付かなくなってしまいそうです。

他方で,登山のために,運動(ランニングや筋トレ)も細々と続けているので,目的がなくなると運動が続かず,体力が落ちてしまうという負のループに陥るかもしれません。

うーん。そうなると,あまり早いペースで100名山を達成してしまうのも考えものなのかも??あと36座のペース配分をざっくり考えてみました。

年3座ペースで12年,年2座ペースで18年。年3座を基本にしつつ,あと15年くらいで達成するくらいがちょうどよいかなあ。
体力勝負の山(南アルプス方面)は早めに登っておきたいところ。100座達成までの計画をつくったほうがよさそうです。

心地よい疲労感,無事に下山した安堵感に包まれつつ,次の山の計画を早くも練るというこの感覚は,旅と同じ。心からワクワクします。

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