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2022年、ロシア侵攻の時から調べていたことのメモ

社内SE的視点から見るロシア軍の失敗

2022年ロシア軍がウクライナに侵攻したが、開戦当初からロシア側の動きの不完全さ、軍隊としての欠点は多くの指摘をされてきた。多くの場合、装備の不徹底、戦術(ないし作戦術)の稚拙さを、専門家たちは大いに指摘してきた。これは実際にその通りで、およそ現代の軍隊とは思えない、ボロボロの装備と、非常に安直で硬直的な作戦展開を世界に見せつけてしまった。

しかし、ロシアの軍と国防省には、まだあまり細かく指摘されていない問題点があると考えている。今回はそれを自身のメモノートとして整理しておきたい。(ゆえに、読みにくかったら許してね!)

戦うバックオフィス

さて、戦争を国家が実行に移そうとするとき、一体何が必要だろうか?一般的に思いつくものとしては必要な兵員、武器弾薬、戦闘車両、そしてそれを輸送するための輸送手段、補給物資としての弾薬、食料、燃料などだろう。

私が指摘したいのは、それ以外の事務的な部分の重要さだ。つまり「役所」としての軍隊の側面である。言い換えると、国防省内の総務、経理、社内(省内)SEなどのバックオフィス部門の重要性である。つまりバックオフィスこそが軍隊を支える屋台骨であり、そのあり方は戦場を大きく左右する要因となりうるということだ。予算の管理、装備の管理、人事等…どこの組織にも、こういった管理部門は存在するだろう。

我々の身近の考えてみてほしい、社員が数千、数万の会社があったとする、優秀な開発担当やよくトレーニングされ経験豊富な営業マンも多く在籍していたとしよう、しかし、組織の総務経理が滅茶苦茶だったり、社内システムが機能不全であったなら、そんな会社はロクな末路をたどらない、それと同じことである。
(余談であるが、昔在籍していた会社を思い出して頭が痛くなっちゃった…)

「国家防衛管理センター」ってちゃんと機能してる?

前置きが長くなったが、大きな問題点として国家防衛管理センターロシア語: Национальный центр управления обороной Российской Федерации, НЦУО РФ、英語: National Defense Management Center, NDMC)という組織の機能不全を、個人的に物凄く疑っている。

この国家防衛管理センターは2013年にプーチン大統領が創設に関する署名を行い、組織運用がスタートしたのが2014年12月である。

上記はSNEG.comという教育系ポータルサイトであるが、そこにに国家防衛管理センターの詳細が書かれている。

国歌防衛管理センターの位置づけ(真ん中のピンク部分)

ロシア国防省内には様々な部局があるが、その中心がこの国家防衛管理センターというわけだ。ヒト、モノ、カネ、情報、すべてを真ん中でコントロールしている。もしここがうまく運営されてなければ、軍全体がグダグダになるのは誰が見ても明らかだろう。

…というかそのせいじゃないの?というのが自分の考えだ

そもそもなぜ管理センターが作られたのか?設立が2014年なのを思い出してほしいが、同年の春にはクリミア併合、2015年にはロシア空軍によるシリア空爆が実施された。こういった軍事介入を前提に組織が作られた可能性は高いだろう。

そしてもう一つ、「そもそも国防省内の管理が、普段からシッチャカメッチャカで横領天国だったから管理をちゃんとやる必要があった」という可能性だ。

そもそも、ロシア行政の横領事件は枚挙にいとまがない。このセンター設立以前にも、国防省は横領事件を発端に、組織改革を実行して、不正の撲滅をはかっている。

長くなったので、今回はここまでとしよう。
次回はロシア国防省の組織改編の過去についてもう少し見ていきたい。


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